♪Column - 今月のおすすめELLINGTONCD The FEELリーダー井上によるオススメCDの紹介。

連載第5回 (1998年12月)

...AND HIS MOTHER CALLED HIM BILL
R32J-1072

入手難易度 A
A:日本盤でほぼ入手可能(あなたの街のレコード屋さんで注文OK!)
B:洋盤でほぼ入手可能(タワーなどの大型店にはだいたい品揃え)
C:探せばほぼ見つかる(大型店を2〜3軒ハシゴしてください)
D:なかなか見つからない(”探す楽しみ”を味わえます)
E:入手困難(見つかればラッキー!”どうしてもほしい”という方は海外へ)

【悲しすぎる 美しすぎる・・・】
Ellingtonの片腕といわれ、あのTake The "A" Trainの作曲者でもあるBilly Strayhornの早すぎる死を悼むアルバムです。タイトルはEllingtonによる弔辞の最終節とのこと。全体的に透明感に富んだサウンドですが、この録音の後、往年のEllingtonian達が、世を去るなどして次々とバンドを離れていくことから、見方によってはDuke Ellington Orchestra自体のセルフ・レクイエムのようです。

【この1枚、この3曲】
1.Rain Check <雨切符>

実にスマートな演奏です。同じ曲が時を経てどのように変わったか、またどこが変わらなかったかを見るのに都合のいい録音です。
2.Boo−dah <仏陀>
Sacrid-Concertをたびたび開いたほどの敬虔なキリスト教徒のEllingtonですが、Billyの方はかなり仏教にも興味があったようです。日本人の親しみやすさはそこらあたりで通じているせいでしょうか?
3.Lotus Blossom <蓮の花>
Ellingtonが、追悼Live終了後におもむろに弾きだしたという録音が収められています。「彼の死後、しばらピアノをく弾けなかった」 と言うほどの深い悲しみが、どんな派手なライブでも冷静さを欠かなかった彼に異様なまでの高ぶりを与えているようです。

【もうひとこと...】
Billy Strayhornの伝記『Lush Life』が最近刊行されました。私は先日NYで手に入れましたがまだ読んでいません。(結構こういう境遇の本が多い)
全編を通してJimmy Hamiltonのクラリネットが活躍しています。Clark Terryのサウンドが久しぶりに聴けるのも嬉しいところです。

【DATA】 (録音 '67/8,9,11 N.Y.,San Francisco)
1. Boo-dah
2. U.M.M.G.
3. Blood Count
4. Smada
5. Rock Skippin' at the Blue Note
6. Rain Check
7. Midriff
8. My Little Brown Book
9. Lotus Blossom
10.Snibor
11.After All
12.All Day Long
13.Lotus Blossom
14.Day-Dream
15.The Intimacy of the Blues
16.Charpoy

 

Duke Ellington, piano
Cat Anderson, Mercer Ellington, Herbie Jones, Cootie Williams, trumpet
Clark Terry, flugelhorn
Lawrence Brown, Buster Cooper, Chuck Connors, John Sanders, trombone
Johnny Hodges, Russel Procope, Jimmy Hamilton, Paul Gonsalves, Harry Carney, saxopphnes and clarinet
Aaron Bell, Jeff Castleman, bass
Steve Little, Sam Woodyard, drums