宮本 慎也(みやもと しんや) 1970年11月5日生まれ・右投げ右打ち

 大阪・PL学園高から同志社大、プリンスホテルを経て94年ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。高校時代は2年夏の甲子園に出場。春夏連覇を達成した夏の決勝では先発出場して三塁打を放つ。大学2年春には打率.488で首位打者とベストナイン獲得。
 入団1年目から67試合に出場したものの守備固めが多く、11安打で打率.220どまり。しかし2年目は68試合で65安打の打率.273と打力も向上し、3年目の97年には115試合で打率.282をマークしてレギュラー定着を果たした。この年は初めてゴールデングラブにも選出された。以後チームの精神的支柱としても欠かせぬ存在となっていく。

 99年は自己最多の124安打を放ったが、打率.248と今ひとつで98年の.258に続く低打率。しかし翌00年は不振から立ち直り、初の全試合出場を果たすと共に初の打率3割をマーク。01年は打率こそ.270と下がったが日本記録を更新する67犠打をマークしてチームの日本一に貢献した。03年に自己最多の154安打で2度目の全試合出場を果たし、5年連続のゴールデングラブ受賞。01年から04年まで4年連続リーグ最多犠打と、つなぎ役とそして守りの要としてチームに欠かせない存在となっていった。

 04年は4月下旬から右足を痛めて約1ヶ月の戦線離脱。五輪出場もあって90試合の出場ながら打率.301で4年ぶりに3割打者。この年のアテネ五輪では主将として全試合に「2番・ショート」で先発出場。チーム最多の18安打を放ち打率.500と奮闘した。05年は打率.265と99年以来の低打率。
 06年は6月上旬に右足を痛め約2ヶ月、8月下旬には左足を痛め約1ヵ月半の登録抹消と怪我に泣いた。しかし打撃自体は好調で、規定打席不足ながら打率.304をマーク。この勢いは続き、07年・08年と連続3割打者。この間、国際試合でも06年WBCでは3試合の出場ながら、チームのまとめ役を務め記念すべき第1回大会での優勝を果たした。08年北京五輪でも陰で支える同様の立場だったが、この大会ではメダルなしと苦しい結果に終わった。

 09年からコーチ兼任となったが、この年も138安打を放ち打率.294と安定した活躍を見せた。また、三塁手としてゴールデングラブに返り咲いた。10年も前半の打撃不振から巻き返し.276まで打率を上げた。129安打で通算1800安打を突破し、オフには新たに2年契約を結んだ。
 11年は開幕から打撃好調で4月に打率.400をマークして初の月間MVP獲得。その後もコンスタントに打ち、3割前後を維持していたが8月後半から打率が落ち始め9月7日時点で.278までダウン。しかしここから驚異の粘りを見せ、閉幕まで111打数42安打の.378と打ちまくった。最終的に.302で見事3年ぶり5度目の3割打者となり自己最高の打率3位に食い込んだ。入団17年目で初のベストナインにも選ばれた。

 2000本安打に25本として迎えた12年は開幕4試合で8安打と好スタートを切ったが、直後に22打席ノーヒットとスランプに陥った。しかし4月11日の試合で23打席ぶりの安打を放つと、調子を取り戻し4月30日・5月1日の2試合で5安打して1999安打とした。王手から3日後の5月4日の広島戦、2回の第1打席でセンター前ヒットを放ち、41歳5ヶ月での史上最年長2000本安打を達成した。その後は右肋軟骨骨折で1ヶ月登録抹消になるなど怪我に泣き、6年ぶりの規定打席不足に終わった。
 13年は夏場から控えに回り、打席数は大幅減。63安打止まりながら打率は前年並みの.266を残した。出場機会の減った8月末にこの年限りでの引退を表明。ホーム最終戦となった10月4日の阪神戦が引退試合となり、「2番・ショート」でフル出場した。

 01年の年間67犠打は日本記録。通算408犠打は歴代3位の記録。12年5月4日の広島戦で福井投手からセンター前ヒットを放ち、史上40人目の通算2000本安打達成。

 ベストナイン1度(11)、ゴールデングラブ10度(97、99〜03、09〜12)受賞。月間MVP1回(11年4月)。オールスター出場8度(02、03、07〜09、11〜13)。WBC出場1度(06)、五輪出場2度(04、08)。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
95 ヤクルト 67 50 13 11 2 0 0 13 4 3 1 0 6 9 .220
96 ヤクルト 68 238 27 65 8 2 1 80 13 6 8 1 23 39 .273
97 ヤクルト 115 387 44 109 15 3 1 133 33 16 6 3 36 37 .282(18位)
98 ヤクルト 114 368 28 95 10 1 1 110 25 5 6 1 27 51 .258
99 ヤクルト 131 501 60 124 14 1 1 143 24 11 45 0 26 40 .248(29位)
00 ヤクルト 136 476 39 143 24 4 3 184 55 13 19 5 36 49 .300(9位)
01 ヤクルト 125 477 74 129 15 0 1 147 17 11 67 1 33 57 .270(24位)
02 ヤクルト 114 464 53 135 21 1 5 173 25 6 40 0 13 64 .291(15位)
03 ヤクルト 140 543 78 154 20 1 7 197 44 11 50 5 45 78 .284(20位)
04 ヤクルト 90 346 52 104 12 1 11 151 26 6 18 0 26 69 .301(18位)
05 ヤクルト 135 547 71 145 19 2 7 189 47 5 22 1 38 88 .265(28位)
06 ヤクルト 73 270 29 82 11 1 2 101 34 3 5 1 14 29 .304
07 ヤクルト 131 464 42 139 18 3 5 178 39 3 23 0 27 55 .300(10位)
08 ヤクルト 116 422 47 130 11 0 3 150 32 3 27 2 31 52 .308(11位)
09 ヤクルト 128 469 43 138 26 4 5 187 46 3 12 4 20 58 .294(8位)
10 ヤクルト 129 468 42 129 22 2 4 167 39 2 18 1 30 31 .276(24位)
11 ヤクルト 136 474 30 143 17 1 2 168 35 2 19 2 23 37 .302(3位)
12 ヤクルト 110 356 19 95 5 0 3 109 23 1 16 1 21 38 .267
13 ヤクルト 104 237 13 63 1 0 0 64 17 1 6 1 15 28 .266
                                 
19年 2162 7557 804 2133 271 27 62 2644 578 111 408 29 490 909 .282