古田 敦也(ふるた あつや) 1965年8月6日生まれ・右投げ右打ち

 兵庫・川西明峰高から立命館大、社会人野球のトヨタ自動車を経て89年ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。社会人時代は88年ロス五輪に出場。正捕手として5試合で.353の打率を残し、銀メダル獲得に貢献。
 プロ1年目は強肩ぶりは発揮したものの、106試合で打率.250、本塁打3本と打撃面は平凡な数字に終わる。しかし2年目の91年は中日・落合との激しい争いに競り勝ち、128試合で140安打、打率.340で堂々の首位打者に輝く。

 翌92年は150安打で打率.316(3位)に加え、捕手として史上4人目(野村・木俣・田淵に次ぐ)のシーズン30本塁打も達成。93年もリーグ最多の161安打を記録。捕手がリーグ最多安打を記録するのは1965年の南海・野村以来、史上2度目だった。打率は.308(6位)で3年連続ベストテン入りする。

 94年は怪開幕直後にファウルチップを右手人差し指に受け骨折。長期欠場を余儀なくされ、76試合止まり。打率.238、3本塁打に終るが、95年は全試合出場し打率.294(10位)、21本塁打と復活。
 97年にも4度目の全試合出場を果たし本塁打こそ9本だったが自己最多の164安打で打率.322(3位)と4年振りに3割打者に返り咲く。打点も自己タイの86打点で2度目のリーグMVPに輝いた。
また、この年の164安打は76年若松勉(現監督)の167安打というシーズン安打数の球団記録に迫るものだった。

 99年には2年ぶり5度目の3割打者。00年は全試合出場こそ逃したものの、自己2番目の134試合出場と扇の要としての役割を果たした。01年は左膝を痛めて19試合に欠場するが、自己2番目の打率.324をマークして4年ぶり優勝の原動力となった。
 02年も万全でない左膝の調子を見ながらの出場にもかかわらず2年連続7度目の3割打者となり、野村克也の6度を抜いて捕手の3割回数最多新記録を達成した。

 03年は3割は逃したが6月の広島戦で1試合4本塁打するなど8年ぶりに20本塁打を突破してパワー健在を見せ付けた。04年はグラウンドでのプレーに加え、プロ野球選手会の会長として球界再編問題に取り組む大変な1年となった。それにもかかわらず2年連続4度目の20本塁打と2年ぶり8度目の3割を達成した事は立派の一語に尽きる。

 05年は開幕21打席ノーヒットと苦しんだが、1本出てからは12試合で15安打を積み重ね1999安打で迎えた4月24日の広島戦で三塁強襲二塁打を放ち、大卒社会人経由では史上初となる2000本安打を達成した。その後は左足肉離れ等で戦列離脱もあり、11年ぶりの規定打席不足。06年は監督兼任で新たなチャレンジを迎えたが、体調不良で36試合の出場に留まった。07年もわずか10試合、それも8月までは安打ゼロと監督業主体のシーズンとなり、チーム成績不振のため現役生活引退と共に監督の座からも退いた。

 大舞台に強く91年のオールスター第1戦では1試合3盗塁刺の新記録で、翌92年の第2戦では史上初のサイクルヒットでそれぞれMVPを獲得している。日本シリーズでも2度MVPに選ばれている。

 92年6月6日の広島戦から7月11日の大洋戦まで24試合連続安打。03年6月28日の広島戦で1試合4本塁打と4打数連続本塁打の日本タイ記録。05年4月24日の広島戦で大竹投手から二塁打を放ち、史上32人目の2000本安打達成。

 MVP2回(93、97)、首位打者1回(91)。ベストナイン9度(91〜93、95、97、99〜01、04)、ゴールデングラブ10度(90〜93、95、97、99〜01、04)受賞。月間MVP4回(91年5月、93年8月、97年5月・9月)。オールスター出場17度(90〜06)、91年第1戦・92年第2戦でMVP受賞。日本シリーズで97年、01年にMVP受賞。正力松太郎賞1度(97)受賞。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)
90 ヤクルト 106 280 32 70 12 1 3 93 26 1 47 44 .250
91 ヤクルト 128 412 58 140 23 5 11 206 50 4 66 59 .340(1位)
92 ヤクルト 131 474 87 150 27 3 30 273 86 3 89 87 .316(3位)
93 ヤクルト 132 522 90 161 29 0 17 241 75 11 62 83 .308(6位)
94 ヤクルト 76 260 24 62 9 0 3 80 19 3 23 40 .238
95 ヤクルト 130 487 88 143 18 1 21 226 76 6 52 51 .294(10位)
96 ヤクルト 119 437 57 112 24 2 11 173 72 5 50 68 .256(33位)
97 ヤクルト 137 509 74 164 32 2 9 227 86 9 82 64 .322(6位)
98 ヤクルト 132 491 58 135 19 1 9 183 63 5 54 62 .275(16位)
99 ヤクルト 128 483 79 146 26 2 13 215 71 10 54 41 .302(11位)
00 ヤクルト 134 496 65 138 31 0 14 211 64 5 56 54 .278(16位)
01 ヤクルト 121 441 59 143 23 0 15 211 66 1 52 41 .324(2位)
02 ヤクルト 120 420 49 126 24 1 9 179 60 3 34 47 .300(11位)
03 ヤクルト 139 509 69 146 27 1 23 244 75 2 60 77 .287(17位)
04 ヤクルト 133 483 72 148 23 0 24 243 79 1 46 66 .306(10位)
05 ヤクルト 96 329 29 85 15 0 5 115 33 1 24 54 .258
06 ヤクルト 36 90 11 22 5 0 0 27 8 0 7 13 .244
07 ヤクルト 10 18 2 6 1 0 0 7 0 0 1 0 .333
                             
18年 2008 7141 1003 2097 368 19 217 3154 1009 70 859 951 .294
歴代順位 37位 30位 33位 24位 19位   73位 30位 32位   31位 48位 31位
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)