秋山　幸二（あきやま　こうじ）　１９６２年４月６日生まれ・右投げ右打ち

　熊本・八代高校から８１年ドラフト外で西武ライオンズに入団。高校時代は投手だったが、俊足・強肩を買われて入団後すぐに野手転向。
　２年目の８２年に１３本塁打でイースタン・リーグの本塁打王を獲得。一軍のレギュラーに定着した８５年は打率こそ.２５２と低かったが４０本塁打、９３打点をマーク。さらに８６年は４１本塁打、三冠王落合（ロッテ）に１打点差の１１５打点。

　そして８７年は自己最多の４３本塁打で初の本塁打王獲得、球界を代表するスラッガーとなる。３年連続４０本塁打は史上７人目の快記録。結局４０本以上はこの年が最後となったが連続３０本以上は９３年まで９年連続となり、王貞治の１９年連続に次ぐ史上２位の記録となった。

　長打力と共に俊足でならし、８７年にはリーグ３位の３８盗塁、９０年には自己最高の５１盗塁で盗塁王を獲得し、本塁打王・盗塁王の両タイトルを獲得した史上初のプレーヤーとなる。また、デビュー当時は三塁手であったが外野転向した８７年から１０年連続でゴールデングラブ賞を受賞。まさに走攻守の三拍子揃った万能プレーヤーだった。

　転機が訪れたのは９４年。大型トレードで福岡ダイエーホークスに移籍。熊本出身の秋山にとって、言わば地元に帰るトレードで、広い福岡ドームを本拠地にすることもあり、バッティングスタイルはこれを機に変化。９６年には７年ぶりに３割打者に返り咲いた。
　９９年にはチーム２６年ぶりの優勝に貢献。日本シリーズでも８年ぶり２度目のＭＶＰに輝いた。

　００年に２０００試合と２０００本安打という二つの大記録を達成、その名声は不動のものとなった。０１年８月には史上９人目となる「２球団で１００本塁打以上」を達成。０２年限りで２２年間にわたる現役生活にピリオドをうった。１３年間在籍した西武サイドからの要望もあり、本拠地福岡ドームだけでなく西武ドームでも引退セレモニーが行われた。秋山の人望と人柄がしのばれるエピソードである。

　通算１７１２三振はパ・リーグ記録。８５年４月６日から９１年６月１６日まで歴代１２位の８３３試合連続出場。８５年５月１９日から２６日までと、９１年５月４日から９日までの２度、５試合連続本塁打。８５年５月１７日から３０日まで９試合連続打点。８７年５月１６日から２２まで日本記録の５試合連続勝利打点。８９年７月１３日の近鉄戦でサイクルヒット達成。９３年８月２１日の日本ハム戦で１回表に柴田投手から、翌２２日の日本ハム戦では３回表に白井康投手から史上３人目の２試合連続満塁本塁打。９４年９月１７日のロッテ戦から１０月７日の西武戦まで１１試合連続長打の日本記録。９９年は張本勲（東映−巨人-ロッテ）に次ぐ史上２人目の通算４００本塁打・３００盗塁を達成。２０００試合目の出場となった００年８月１９日のロッテ戦で、黒木投手からレフト前ヒットを放ち、史上２８人目の２０００本安打達成。２０００試合出場と２０００本安打の同日達成は史上初。

　本塁打王１回（８７）、盗塁王１回（９０）、最多勝利打点２回（８５、８７）。ベストナイン８度（８６〜９３）、ゴールデングラブ１１度（８７〜９６、９９）受賞。月間ＭＶＰ２回（８５年５月、９１年５月）。オールスター出場１８度（８５〜０２）、９４年第１戦でＭＶＰ受賞。日本シリーズで８７年に優秀選手賞、９１年にＭＶＰ、９２年に優秀選手賞、９９年にＭＶＰを受賞。正力松太郎賞１度（９１）受賞。