バルブ加工&研磨
既に紹介した様にポートと燃焼室を鏡面仕上した手前,大方の予想通りバルブも鏡面加工します(笑)。しかしただ鏡面仕上するだけでは面白くないのでちょっとだけ細工してみましょう(^^;。
これはノーマルのバルブとそれをヘッドに組み込んだ時の燃焼室形状ですが,ご覧の様にバルブのマージン部(水色の部分)が厚い為,燃焼室からバルブが飛び出た様になってしまい,いかにも火炎伝播性が悪そうです。特に吸気バルブ側が燃えにくいとノッキングもし易くなるのでどうにかしたいと思います。
シートカットをやり直してバルブを燃焼室に埋め込む事も出来ますが,今回のヘッドは走行距離が少なく,シートの痛み具合も少なかったのでシートカットせずに製作コストの削減を狙っていたので,これは却下しました(^^;。
次に考えられるのが昔のB6のバルブの様にマージン部を薄くする様に大きな面を付けてやれば,ある程度燃焼室の形状が滑らかになります。また吸気バルブのマージン厚を薄くする事は吸入効率も良くなるそうで,昔のファミリアのBPにも面取り加工がされていたようですが,バブルの崩壊ともにコスト削減され,ロドスタのBPには最初っから無かったようです。しかし,今回マイチェンした新型NB8Cの吸気バルブの品番が新しくなっていたので調べてみると,どうもこの面取り加工がされているようでした。一度廃止されたコストのかかる加工が再び採用されたってことは,かなり性能的に効果があると思うので,おいらもバブル前の正しい姿の形状を採用する事にします(笑)。
しかし,おいらの財布はバブル崩壊後のままなので(笑),新型NBの吸気バルブ8本も新品で買える訳ありません(^^;;;。
手持ちのバルブを加工することにしましょう。
即席バルブ研削機です(笑)。
右の写真の様にバルブのフェース面の角を15度くらいの角度で研削してやります。
見ての通りグラインダーをボール盤のテーブルに固定して,バルブを押し当てるように削ります。
もちろんボール盤もグラインダーも回転させておきますね。
この時バルブを強く押し当て過ぎてグラインダーの砥石を割らないように気をつけましょう。
割れたら砥石の破片が飛び散り,簡単に死ねそうです(恐)。
大体こんな感じになるまで研削しました。
バルブはかなり硬いので,ここまで落すのに結構時間が掛ります。
その間にバルブの温度も高温になるので,少し冷ましながら削りました。
と言っても手で触って火傷するくらいまで温度が上がってもバルブ材が変質する事は無いでしょうけど...(^^;。
あと,バルブフェイスのフラット(0度)の面と15度の面の繋がりがなだらかになるように,もう一段小さい面もつけてみました。
ここでバルブフェイス面にある浮き出し文字(左の写真の「4W」ってやつ)も当然燃焼室に飛び出しているので気に入りません(笑)。
研磨する時にも邪魔になるので,あっさり削ることにします(^^)。
ボール盤で回転させたまま,バンドドラムをつけたリューターで簡単に削れました。
今度はEXH側。
吸気バルブと同様の形状であるが,ノッキングや排気効率への影響は少ないと考えられるのと,熱的に厳しい条件なので大きな面取り加工は行いません。
ご覧の様に45度の面をちょいと付けた程度にしておきました。
後は研磨する時にR形状にしてやります。
これでとりあえず荒加工が終わったので,あとは普通に研磨していきます。