ドラゴンウォーズ
(スタークラフト)


スタークラフト社の海外移植もの(だと思う)RPG。
RPG全盛期だった当時でさえ、あまり話題にのぼりませんでしたが、
個人的には隠れた名作だと思います。

 

ストーリーは、悪の魔術師ナムターを倒す事が目的というありふれたもので、
画面もはっきり言ってかなり地味です。
パーティーは自分で作成し、その外見は一切グラフィックでは表示されません。
ですが、このゲームの優れた所は、
「自分で作ったキャラクターが生き生きと活躍してくれることにあるのです。

 

この手の「主人公作成型RPG」は、ともすれば戦闘を繰り返すだけの展開になりがちです。
そのため、キャラが血の通わない単なる戦闘マシーンになってしまい、いまいち感情移入しづらくなります。
このゲームにも、もちろん戦闘は数多くありますが、
このゲームには「追跡」「交渉」「医術」などの20種類以上にわたるスキルが用意されており、
それらを駆使する事によって目的を達成していきます。
その過程が非常に面白く、自分の作ったキャラが様々なスキルを駆使する姿を見るのが楽しいのです。

 

不審な足跡を見つけたら「追跡」スキルを使って足跡をたどり、
怪我をしたら「医術」スキルを使って治療し、
(アイテムもマジックポイントも一切消費しないので、非常に役に立ちます)
「交渉」スキルで小役人と話をつけ、
不思議な遺跡に入ると、「超自然の知識」を持つキャラが自動的に説明してくれたり…。
とにかく自分の作ったキャラが様々な行動をしてくれるのがたまりません。
しかも余分なグラフィックがない分、イベントはほとんど文字のみで進んでいくため、
想像力をかきたてられるのです。
このゲームはまさに役割を演じるゲームなのです。

 

また、出てくる敵キャラもかなり異色で、
「狂った吟遊詩人」だの、「洗濯女」だの、「大きな犬」だの、
なんだかシュールです。
でもそこがまた、どこか荒涼とした世界観に合っていて良いですけど。

 

なんか説教臭い言葉で嫌ですが、
今のRPGが忘れてしまったものを持っている…
そんなゲームです。


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