ディガンの魔石
(アーテック)


当時、「マイコンBASIC」でなぜか難解すぎると評されたRPGです。
しかし、実際にやってみると、当時中学生の私にさえたいして難解とは思えない内容でした。
あの記事を書いた人、本当にちゃんとゲームをプレイしたんでしょうか?
未だに不思議でしょうがありません。

 

 

ストーリーは、「ガデュリン」という世界(惑星?)を舞台にして、
主人公ディノが、謎の奇病に冒された妻アビリアを治す方法を探しに旅に出るというお話です。
そして、その旅を続けるうちに、彼はこの世界の謎に深く関わっていくことになります。
主人公の旅の目的がきわめて個人的なものであり、
しかも最後までそれが目的のままという点が印象的でした。
普通、他のRPGだと、たいてい「世界を救う」とか「復活した魔神を倒す」とか、やたらデカイ目的に変わっていくものです。
ところが、この作品の場合は、あくまで主人公の目的は「病気の妻を救う」ことであり、
世界の謎の一端に関わるのも単にその過程に過ぎず、別に世界が破滅の危機に陥るとかそういう話にはなりません。
これは、ファンタジーRPGにしては、かなり珍しいことではないでしょうか?

 

 

そして、何よりもこのゲーム最大の特徴は、シナリオクリアと関係のないイベントの豊富さにあります。
とにかくその辺をウロチョロしているだけで実に様々なイベントが起こるのです。

迷子の子供につきまとわれて一緒に母親探しをするハメに陥ったり、
(母親にお礼がもらえたり、誘拐犯扱いされたりと結果は様々です)

夜になると怪しい行商人に大人のオモチャを売りつけられたり、
(しかもこれ、街の売春宿で使えます)

宿屋に泊まった時に仲間に有り金全部持ち逃げされたり、
(このゲーム、他人に声をかけまくってれば簡単に仲間が増えていきます)

路上でいきなり決闘を申し込まれたり、
(しかも勝てば「見事だ…とどめをさせ!」と言われることも)

野宿をすると風邪をひいてしまったり、
(このゲームには「病気」という状態異常が存在し、しかも様々な種類があります)

売春宿で女遊びをしたら変な病気をうつされたり、
(これは怪しい行商人から避妊具を買っておくと回避できます)

遊び人の女に強引にパーティーメンバーに入られたと思ったらすぐ出て行かれたり、
(「あなたに興味があるの」と言われたと思ったらすぐ「意外とつまんない人ね」と捨てゼリフ残して去っていきました)

挙げて行けばキリがないくらいです。
他のRPGと比べて妙に生々しい出来事が多い気がしますが…。
しかし、それゆえにあてどなく街をうろつくのがとても楽しかったです。

 

 

そんなわけで、マイナーな作品ではありますが、私のお気に入りの作品のひとつです。
加藤直之氏(昔「グイン・サーガ」のカバーイラスト描いてた人)のイラストもすごくきれいでしたしね。


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