ソード・ワールドPC
(T&ESOFT)
有名TRPG「ソード・ワールド」をモチーフにしたRPGです。
もっとも私は、TRPGについてはほとんど知りませんし、やったこともないのですが、
このPC版は私がプレイしてきたパソコンRPGの中でも屈指のお気に入りです。
もともと私は、この手の「主人公キャラ作成型フリーシナリオRPG」が大好きなのですが、
このゲームの最大の魅力は、とにかく色々なところで色々な種類のイベントが起こることです。
主人公のパーティーは、「冒険者ギルド」に所属する冒険者として、様々な依頼を受けて冒険をするのですが、
それが非常にバリエーションに富んでいて飽きさせないのです。
依頼を受けるのは主に街の冒険者ギルドですが、時には寺院や武器屋から依頼されたり、
あるいは街中でいきなり声をかけられたり、街から街へ移動する道中で思わぬ事件に巻き込まれたりと、
いつどこで何が起こるかわからないドキドキ感が楽しいです。
このゲームにも、もちろんメインとなるストーリーがあり、それに沿ってさっさとプレイしていけば
わりと早くゲームは終わります。
ですが、大陸中を転々としながら、じっくりといろんなシナリオを楽しむのが、このゲームの正しい楽しみ方です。
こう書くと、「サブシナリオが多いだけか」と思われる方もいるでしょうが、この作品にはそういうRPGにありがちな
「わざわざメインストーリーからはずれたシナリオをやっている」
という不自然さがあまり感じられないのです。
これはFFやドラクエに例えて(本当はこういう「ヒット作をやり玉に挙げる」論法はしたくないのですが)
考えるとわかりやすいでしょう。
世界の危機が迫っているというのに、不自然なサブシナリオやらミニゲームやらにうつつを抜かしている勇者って、
なんか変だと感じたことはありませんか?
このゲームには、そうした「不自然さ」を感じにくいように、うまくメインシナリオとサブシナリオを配置しています。
自分の好きに行動しているうちにメインシナリオが進んでいると錯覚させるように作ってあるのです。
このやり方、うまいなぁと思いました。
ただ、ここまでがんばって数多くのシナリオを作っているのだから、どうせならメインストーリーも
複数用意するか、あるいは異なる展開を用意して欲しかったというのが正直な感想です。
そうすれば完璧な「マルチシナリオ」だったのですが…。
あと、冒険でしか手に入らない武具やアイテムの種類が少ないのも残念です。
せっかく「堕ちた都市レックス」とかの古代遺跡での冒険シナリオが多くあるのですから、
やはりそういう所ではもっと「宝捜し」を楽しみたかったです。
とは言え、ホントにバリエーション豊かなイベントが楽しいです、このRPG。
こういうのを「冒険を楽しむRPG」って言うんでしょうね。
そう言えばこの作品、SFC版も出てましたが、アレは…何と言うか…
…いえ、なんでもありません。