魔紀行
(サクセス)


<ストーリー>

九頭竜大学のオカルト研究会に所属する主人公・佐原昭彦は、
心霊系ウェブサイト「魔界ジャーナル」で企画された、京都心霊スポットツアーに参加することになった。
研究会のアイドル的存在である水野梨佳と二人きりの参加で、半ば浮かれ気分の佐原。
他の参加者ともすぐに打ち解け、まるで和やかな観光旅行のようにツアー初日は終わった。
…だが、真の恐怖はこれから始まる。
宿泊先の旅館で彼らを待ち受ける怪異。
ひとり、またひとりと犠牲になっていく旅館の宿泊客。
京都に隠された、闇の魔境とは…?
そして、安部晴明の式神伝説の謎とは…?


SuperLite 1500シリーズで発売中のミステリーアドベンチャーゲームです。
「安部晴明」や「式神」という言葉につられ、現代版「陰陽師」っぽい内容を想像して買ってしまった方、
ご愁傷様です。
そんなヤツ私だけかもしれませんが。

 

 

このゲーム、確かに式神とか陰陽道とかが出てきます、一応は。
メインシナリオは「桔梗桜」、サブシナリオは「如来館」という、いかにも雰囲気あるタイトルです、
一応は。
確かにシナリオ中に様々な分岐が出てくるマルチストーリーです、
一応は。

 

 

…確かにウソはついていません。
ですが、「事実であること」と「ウソではないこと」を同一視することは危険です。
「好き」と「嫌いじゃない」をゴッチャにして告ってフラれるのと同じくらい危険です(笑)。
…て言うか、ここまでアレな内容だと
詐欺と言ってもいいくらいです。

 

 

私は陰陽道をあまり知らないのですが、式神ってゾンビや汎用人型決戦兵器のことですか?
マルチストーリーって
ゲームオーバーがいっぱいあることなんですか?
肝心のメインシナリオ「桔梗桜」なんて、こんな思わせぶりな雰囲気のタイトルと設定のくせに、
フタを開けてみたら
ギャオー怪獣大決戦だったなんてあんまりです。
しかも、途中から主人公は完全にただの傍観者だし。
暴れ狂うゴジラを呆然と見守るその他大勢の一般人と同じじゃん、これじゃ。

 

 

ここまでツッコミどころ満載だと
逆にどこから突っ込んでいいか
わからないです。

 

 

このゲームのシナリオ書いた人、作家兼SFホラー映画研究家らしいですが、
どうも自分の好きなシナリオを書くことに夢中になるあまり、
プレイヤーを楽しませることをすっかり忘れていたみたいです。
「自分たちの作りたいものを作る」という姿勢自体は大変結構なことですが、
仮にもフリーソフトではなく商品として売り出す以上、買う側のことも少しは考えて作ってもらいたいものです。
私は、基本的に、ただけなすだけのレビューはあまりしたくないのですが、
このゲームは、あまりにもプレイヤーのことを考えていないので辛口にならざるを得ませんでした。
せめて、もう少しシナリオに魅力があればよかったのですが…。

 

 

…あ、ひとつ評価できることがありました。
ライマックスの怪獣大決戦ムービーは
結構すごいです。

よし、これできれいにまとまったな(笑)。


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