久遠の絆
(フォグ)
<ストーリー>
普通の高校生である主人公。
時々、妙な怪物が現れる悪夢に悩まされていたが、さほど気にせずに日常生活を送っていました。
二年生に進級した春、主人公のクラスに一人の美少女が転校してきます。
彼女の名は「高原 万葉」。
どこか謎めいた雰囲気を持つその少女は、初対面のはずの主人公に対し
「今度こそ私が殺してあげるから」と謎の言葉をつぶやきます。
そして、彼女が転校して以後、主人公の周囲で次々と奇怪な事件が起こります。
そして主人公の脳裏に、前世とも言うべき過去の記憶が蘇ってきます。
果たして少女の正体は…?
主人公の悪夢の原因は…?
そして、千年にわたる悲しい恋物語とは…?
私はこの作品、てっきり伝奇物と思って買ってしまいました。
しかし買ってから気付きました…
パッケージの裏面に「千年前から好きだった」というキャッチコピーが入っていることに。
そしてその言葉に偽りなく、完璧なまでの「転生輪廻恋愛物語」でした。
(それ以前に「久遠の絆」というタイトルから気付くべきでしたが…)
確かに伝奇的な部分もけっこうありましたが…
実際にプレイして、まさかここまで徹底した転生悲恋物語だったとは思いませんでした。
上で長々とストーリー書いてしまいましたが、この作品、一言で言えば
「何度生まれ変わってもお前を愛してるぜベイビー」
「私もよハニー」
ってお話です。
好きな人は好きな話でしょうが…正直言って、私はどうも、こういうのなじめません。
ストーリーに拒否反応を示してしまいました。
それでも一応、オールクリアしましたけどね。
またサウンドノベルとして見ても、欠点はけっこうあります。
(1)メッセージが変に説明的なため、テキストが長ったらしい事 |
(2)そのためクリアまでにえらい時間がかかる事 |
(3)自由度がありそうでない事 |
(4)いちいち変な戦闘モードが入るのがうっとうしい事 |
…など、要するにテンポ良く進まないのです。
推理・探索物のゲームだったらそれでも良いでしょうが、
ストーリー物の場合、これは致命的です。
もう少し簡潔にまとめてもよかったのではないでしょうか。
あと、演出効果を狙いすぎて、うんざりするほど閃光ズバアッ、
鮮血ドバアッ(このゲーム、ホント出血量多いです)を見せつけられるのが辛いです。
最初はいいのですが、あまりにもこの演出効果を使いすぎるため、だんだんそれに慣れてしまい、
よけいに緊迫感がなくなってしまうのは残念です。
…とまあ、なんか批判ばかりしていましたが、これは私がストーリーを気に入らなかっただけなので、
全体的に見ればかなり良い作品です。
グラフイックのクオリティは素晴らしく高いですし、シナリオもよく練られてます。
千年にわたる悲恋物語が細やかに描かれています。
これは熱狂的なファンがつくでしょう。
ただ、それゆえに好き嫌いがハッキリ分かれる作品である事
は間違いありません。
おまけ:登場人物紹介
(注意!ファンの方は見ない方が…)