Kanon
(Key)


<ストーリー>

雪の降る街。
7年ぶりに昔住んでいた街に帰ってきた主人公、相沢祐一は、
親戚の家に居候しながら、新しい高校に通うことになった。
あの時と同じ、白く霞む街で、
今も降り続ける雪の中で、
思い出に還る物語が始まる…。


もはや説明不要と言ってもいいくらい有名なビジュアルノベルの傑作です。
今さら取り上げる必要もないかもしれませんが、もはやサウノベはネタ切れに近いので、
載せることにしました(^^;

 

 

あの「ONE〜輝く季節へ〜」のスタッフが独立して作った作品だけあって、
演出、シナリオ、BGMのいずれも一級品です。
相変わらず泣けます。
まさに「思い出に還る物語」。
このゲームのシナリオの良いところは、ちょっと過剰とさえ言えるほど個性豊かな登場人物との
ギャグを交えたやりとりが中心の前半部から、シリアスな後半部へと変化して行く流れが
きわめてスムーズに進行しているところです。
普通、こういう構成にすると、ギャグとシリアスのギャップにプレイヤーがついていけなくて、
なんかいまいちどっちつかずな内容になりがちなのですが、
この作品は、そういう「シナリオに対するプレイヤーの感情の切り替え」が自然にできるように作ってあります。
だからこそ、多くの人に評価されているのでしょう。

 

 

「個性豊かな登場人物」と言えば、このゲームはキャラクターに個性を持たせるために
「好きな食べ物」と「口グセ」を設定してあります。
これがまた妙に笑えて印象深いです。

月宮あゆ→ 「たい焼き」&「うぐぅ」
水瀬名雪→ 「イチゴサンデー」&「ねこ〜ねこ〜」
沢渡真琴→ 「肉まん」&「あう〜」
美坂栞    「アイスクリーム」&「そんなこと言う人、嫌いです」
川澄舞  → 「牛丼」&「はちみつくまさん(orぽんぽこたぬきさん)

こんな感じに(笑)。
あ、水瀬秋子→「謎ジャム」&「了承」ってのもありましたか(笑笑)。
実際にプレイしてみるとわかりますが、この作品の登場人物って、
ホント一人一人の個性がハッキリしていて印象深いです。
こういうところも、この作品が評価されている理由でしょう。

 

 

また、BGMの素晴らしさも特筆すべきものがあります。
曲そのものの出来がいいのはもちろんですが、
それ以上に場の雰囲気に合ったBGMであることがポイントです。
私は、ゲームにおけるBGMは、効果音の一種と考えていますので、
どんなに曲自体の出来が良くても、雰囲気に合ってなければ意味がないと思います。
その点、このゲームのBGM及びテーマソングは素晴らしいです、ホント。
特に、エンディングテーマ「風の辿り着く場所」はもう何十回聴いたことか…(T_T)

 

 

ただ、ひとつ残念なのは、
相変わらず選択肢つぶしの作業をしなければならないことです。
バッドエンド(と言うよりゲームオーバー)になっても、どこでどう選択を間違えたのかさっぱりわからず、
メッセージを読み飛ばしながら選択肢つぶしを繰り返すのは、やはりきついです。
せっかくこれほどのシナリオがあるのですから、変なバッドエンドをつけるくらいなら、
いっそ無用な選択肢は省いてしまった方がよかったのではないでしょうか。
たいしたイベントも起こらない無意味な選択肢というのは、
プレイヤーにとって苦痛でしかないのですから。

 

 

そしてもうひとつ。
このゲームのHシーンは何のためにあるのでしょうか?
おそらくスタッフの方々も気付いていると思うのですが、
はっきり言ってこういう内容のシナリオにHシーンは邪魔なだけです。
私は常日頃から疑問に思っているのですが、昨今のパソゲー業界には、
女の子が出てくるゲームは必ず18禁にしなくてはならないという協定でもあるのでしょうか?
それとも、何がなんでも18禁でないと買わないゲーマーが大半なのでしょうか?
決してそんなことはないと思うのですが…。

 

 

…とまあ、ちょっときついことを言ってしまいましたが、オススメの作品であることは間違いないです。
ギャルゲーに対する偏見を捨てて、試しにプレイしてみる価値はあると思います。
そうやってハマった人が、私の周りにもたくさんいますので( ̄▽ ̄)

おまけ:登場人物紹介


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