月の光〜沈める鐘の殺人〜
(ビクターインタラクティブソフトウェア)
<ストーリー>
紅葉に彩られた山奥に佇む名門女子校「鐘園学院」。
新任教師としてこの学校に向かっていた主人公は、
今まで暮らしてきた都会の喧騒とはうって変わった閑静な雰囲気に、しばし心和む。
…だが、学院に近づくに従い、次第に主人公の心に不安な思いが広がっていく。
バスの中で出会った不思議な少女。
バスの運転手が教えてくれた、学院の良からぬ噂。
そして、学院の敷地内に足を踏み入れた主人公の目の前に広がる、
月の光に照らされた広大な池と鐘のない鐘楼。
鐘園学院に秘められた、いくつもの死と謎に、主人公は否応なく関わることになる…。
さて、もはやサウノベファンにはすっかりおなじみ、赤川次郎サウンドノベルシリーズ第4弾です。
シリーズが進むごとに明らかに進化しているこの作品、
ようやくシナリオ途中セーブが可能に!
わーいわーい\(^^\)(/^^)/
…なんかしょっぱなから喜ぶポイントが微妙に違うような気がしますが、とにかくこれで数段プレイしやすくなったのは確か。
ありがたいことです。
さて、この作品、今回の舞台は全寮制の女子高です。
なにやら妙な想像をせずにはいられない(笑)のは私だけではないと思いますが、なにせ家庭用ゲーム機の作品。
まったく心配なく(←何のだ)シナリオを進めることができました。
今回も、「夜想曲」シリーズと同様、第一話〜第三話、そして「完結編」という流れでシナリオは進みます。
各話のグッドエンド(スタッフロールの流れるエンディング)を見ると次の話に進み、
第一話〜第三話のすべてのエンディングとすべての登場人物に会うと「完結編」が見れるという点も前作同様です。
また、今作の登場人物リストは、より丁寧な造りになっており、各人の詳細なプロフィールが見れるようになっています。
先のシナリオ途中セーブ機能もそうですが、この作品は、こうした「プレイヤーに対する細かい心配り」が随所に見られ、
非常に好感が持てます。
また、私が前作「夜想曲2」でものすごく感心した斬新なシステム「ミステリーチップ」が、
今回は「七不思議ボタン」として、より積極的に取り入れられています。
この物語の舞台となる鐘園学院には、生徒や教師の間で噂されている学校の怪談、
「鐘園学院七不思議」というものがあります。
シナリオ中、登場人物がこれに関することをしゃべった(あるいは画面にそれらしきモノが見えた)と思ったら、
そこで△ボタンを押します。
それが見事正解なら、メインシナリオとまったく異なる「七不思議シナリオ」を体験することができるのです。
こういう「隠しシナリオ」を探すことができるシステム、私は大好きです。
古来、「弟切草」や「学校であった怖い話」などの優れたサウノベには、必ずこういう「お楽しみ」がありました。
こうした楽しみ方は、映画や小説などでは決してできない、サウンドノベル独自のものだと思いますので、
今後ももっと積極的に取り入れて欲しいものです。
作る側は大変でしょうけど(^^;
で、今回も非常に推理要素の強い内容になってますので、適当に選択肢つぶしを繰り返しているだけでは、
なかなかベストエンドを見ることはできません。
しっかりテキストを読んでおかないと、大事な情報を見逃してしまいます。
相変わらず、ほどよい緊張感の中でプレイすることができるのが面白いです。
ちなみに、今回はベストエンドを見るのがもっとも難しいのは意外にも第一話です。
これはホント大変でした…。
そういうわけで、結論としては
「システム的にはサウンドノベルの進化系と言える作品」
といったところです。
シナリオの内容に関しては、個人的感情が大きく影響するでしょうから、あえてここでは評価の対象には入れません。
私は、かなり面白い内容のシナリオだったと思いますけど。
おまけに女子高が舞台ですし。
さらに全寮制ですし。
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…なんですか、その目は?
おまけ:登場人物紹介
追記:パッケージの裏やマニュアルをよく見ると…。