ウィザードリィ。 ウルティマと双璧をなす、パソコンRPGの古典的名作。 実は私、仮にも「ああ懐かしきパソゲー達」などという偉そうなタイトルのレトロパソゲーコンテンツを立ち上げておきながら、 このゲームはまったくの未体験でした。 なぜか攻略本やマンガ、小説などは一通り読破してますが。 ですが、掲示板でのたわいないやりとりをきっかけにPS版のリルガミンサーガを購入してプレイしたら、 激ハマリしてしまいました、 ホント今さらながら。 いやホント不思議なゲームです。 シナリオらしいシナリオも、イベントらしいイベントもたいしてなく、 やることといったらひたすら迷宮でモンスターをぶっ殺しまくるだけの内容なのに、なぜか面白い。 どんなにレベルが上がっても、いつ石化やマヒやクリティカルヒットやエナジードレインなどの強烈な特殊攻撃によって パーティーがボロボロにされるかわからない緊張感。 強敵を倒し、宝箱を開ける瞬間のドキドキ感。 自分の手で作成し、育てたキャラクターに対する愛着。 どれも他のゲームではなかなか味わえないものがあります。 シンプルイズベストというのは、こういうのをさして言うんでしょう、きっと。
…そんなこんなで、すっかりWIZ好きになってしまった私は、 店で見かけたPS版オリジナル作「ウィザードリィエンパイア 古の王女」も即購入。 どんな内容なんだろうと、期待に満ち溢れながらゲームを始め、一週間かけてクリアしたのですが… ものの見事に期待を裏切ってくれました。 こんなのウィザードリィじゃねえよ…(TдT)
このシナリオの舞台は、シリーズ第一作「狂王の試練場」の数百年前の世界。 「カシナート」という街の近郊に存在する地下迷宮「魔道」を舞台に、冒険者達の戦いが繰り広げられます。 今作では、男女の性別の選択、種族数や職業の追加、キャラクタ顔グラフィックの追加、装備アイテムや呪文の大幅な増加など、 端から見れば改良されているように見えるのですが、はっきり言ってどれも裏目に出まくりです。 選べる種族の種類が増えたものの、種族間に「相性」というよけいなパラメータが追加されたため、 異種族でパーティーを組むと結局パーティーの戦力が激減するわ、 キャラの顔グラフィックなどというよけいなオプションが追加されたため、自作キャラに感情移入できないわ、 種類の増えた呪文は、どれも似たり寄ったりでわかりにくい上に役立たずだわ、 装備アイテムは強力なものほど特定種族および特定職業専用なので、 せっかく手に入れてもパーティーに誰も使える奴がいないことがほとんどだわ、 おまけにオートマッピング機能が呪文扱いなため、めんどくさいことこの上ないわ、 新要素がことごとくプレイヤーに不快感を与えるものばかりになっています。
そして、さらに最悪なのがゲームバランス。 この作品に登場する新種族「ドラゴネオ」と「デモリッシュ」は、ブレス攻撃の特殊能力を持っているのですが、 このブレス攻撃が強力すぎるんです。 最強クラスの武器で攻撃しても、与えるダメージはせいぜい敵一体に700〜800ポイントがせいぜいなのに、 同レベルキャラのブレス攻撃なら一発で 敵1グループに軽く2000はダメージ与えられます。 しかも何度でも。 こんなんじゃWIZシリーズ最大の楽しみである「強力なアイテム探し」が、バカバカしくてやる気が失せるってもんです。 「だったらブレス使わなきゃいいじゃん」と思われる方もいるでしょうが、後半戦はブレスなしじゃまともに戦えません。 要するにブレス攻撃は「使うと楽すぎ、かと言って使わないと辛すぎ」という、 まるで「ファイナルファンタジータクティクス」のオルランドゥ伯みたいな存在なんです。 (↑わかる人だけわかってください) はっきり言って、後半戦はただひたすらブレス吐きまくるだけの展開なんで、やっててつまんなかったです。
…以上、なんだかウィザードリィシリーズをほめてるんだかけなしてるんだかわからない内容になってしまいましたが、 とにかく、パソコン版からのWIZ好きの方は、PS版の「古の王女」だけはやめといた方がいいと思います。 だって、シリーズ2弾「ダイヤモンドの騎士」に出てくる「ニルダの杖」の名にも残されている女王ニルダが 「グレーターデーモンのお肌って、 やっぱりガサガサなんですかぁ〜?」 なんてセリフをケタケタ笑いながら言ってる姿なんて見たくないでしょ? …え?見たい?
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