まず、「ギャルゲー否定派」の意見（らしきもの）を並べてみると、要約するとこんな感じみたいです。
　　�@ 現実と妄想をゴッチャにしてんじゃねーよ！２次元のアニメ絵キャラに萌えてんじゃねぇ！
　　　　お前ら自分がモテねぇからこんなもんやってんだろ！ケッ！
　　�A こんなゲーム性のカケラもない物が蔓延してるから、ゲーム業界全体がダメになっちまうんだ！
　　　　昔の活気があった時代を返せ！
　　�B お前ら気色悪いギャルゲーマニアがいるから、俺たち「まともな」ゲーマーまで白い目で見られるんだ！

で、「ギャルゲー肯定派」の意見（らしきもの）が、こんな感じ。
　　�@ 人間ってのは、元々現実と妄想の区別がつかねぇ生き物なんだよ！
　　　　テメエらだって、雑誌やテレビで女性タレントに鼻の下伸ばしてんだろ？それとどこが違うんだよ！
　　�A ゲーム業界の停滞の責任を、全部ギャルゲーになすりつけてるんじゃねぇ！
　　　　お前らのそういう安直な責任転嫁こそが根本的な原因なんだよ！
　　�B なんだその「まともな」ゲーマーってのは！？自己客観視能力がねえのかてめぇらは！
　　　　対戦格闘ゲームやアクションゲームに目ぇ血走らせてる姿だって、相当危ねぇぞ！

こうしてみると、一つ一つの意見はわりとまともな感じがするのですが、よく見ると実はどれもギャルゲーそのものに
対する議論とはあまり関係ないんですよね。

まず、�@の点についてですが、これはよく言われることです。
「女にモテないからギャルゲーに走る」…偏見を承知で言わせてもらえば、まあ確かに当たっている部分もあるかも
しれません。
ですが、「ギャルゲー是非論争」をするのに、なぜそういう人格攻撃をする必要があるのでしょうか？
語るべきは、ギャルゲーという「ゲーム」の内容についてであるはずなのに、いつの間にか問題が「ギャルゲーを
やるような奴はマトモかどうか」という極めて低次元な感情論にすり替わっているのです。
こうなるとまともな議論などできようはずもなく、延々と不毛な罵倒合戦が続く…というわけです。

そして、�Aの点ですが、これもなんだか筋が違います。
もしこれが「昨今のゲーム業界の停滞の原因を探る」というテーマの議論であり、その「原因のひとつ」として、
「安易なギャルゲーの蔓延」を挙げる…というのであれば、それは一つの立派な意見であり、
「反論」はされても「非難」されることではありません。
ですが、ギャルゲーそのものについての議論をするのに、何もゲーム業界停滞問題を持ち出す必要はない
のではないでしょうか？
ここでもまた、問題がすり替わっているんですよね。
そして、こんなグローバルな問題が出てくる事によって、本題と関係ない意見（らしきもの）が次々とタレ流され、
結局議論がとんでもない方向に暴走していく…というわけです。

最後に、�Bの点ですが、これはもう完全な「個人的な嫌悪感」の問題ですね。
こんなもの、いくら話し合った（罵りあった）ところで何の発展もありません。
これは要するにモラルの問題であり、ギャルゲーうんぬんとはまったく関係ない内容でしょうに。
ハッキリ言って、「公衆の面前で同人誌おっぴろげながらエロゲーの話題してる奴ら」も
「ゲーセンの一角を占領してハナから初心者を無視して殺気立って対戦格闘ゲームやってる奴ら」も、
世間一般の常識からすれば「気色悪い奴ら」なのでしょうし、「閉鎖的」と言う意味では、どっちもどっちです。
そんなわけで、これまた議論が「互いに嫌悪感を持つ者同士の罵りあい」に変質していく…といわけです。

まあ、最初からそういう「罵りあいを楽しむ」という「たけしのＴＶタックル」や「ここがヘンだよ日本人」的な楽しみを
目的としているのなら、別にとやかく言うような問題でもないでしょう。
ですが、その「罵りあい」すらも、とても冗談では済ませられないような、あまりに口汚い、発言者の人格を
疑いたくなるような発言が多すぎるのが気になりました。
変な言い方ですが罵るにしても「節度」と「限度」を守りましょう。

すべてのギャルゲー議論が、ここまで極端なわけでもないのでしょう。
ただ、いくつかそういう関係のサイトを回ってみると、どうもそういう「脱線しまくりの不毛な感情対立」が目立って、
ちょっと不安になります。

どうせ議論するなら、少しでも有意義に。