福知渓谷上流部 神河町 25000図=「長谷」 晩秋の福知渓谷を遡る map 晩秋の福知渓谷を遡(さかのぼ)った。
川の両岸の岩は落ち葉におおわれていた。水に落ちた葉は、川面のよどんだところに集まり、そこから流れにとらえられてはまた流れていった。
宍粟市から神河町に入って北に進むと、両岸に大きな岩盤が切り立っていた。岩の間を水が勢いよく流れている。
その上流は右側が開けて、広がった河原を水がゆるく流れていた。
川の左に長く続く石垣が見えた。石垣の上や下には数段の平坦面が広がっている。川からそこへ上がってみると、林道に面したところに「長沢村の集落跡」の案内板が立っていた。案内板は古くて、文字が見づらくなっている。
右から沢が流れ込んでいるところに小さな湿地があった。茶色のオオミズゴケが、ところどころに盛り上がっている。
湿地に点在する岩はコケにおおわれ、そこにヒメアギスミレがブーメランのような形の葉をつけている。湿地を流れる水の上に、オランダガラシが小さな葉を広げていた。
流れは、ところどころに小さな淵をつくっていた。ピョ、ピョという鳥の鳴き声が近くで聞こえた。曲がり角を曲がった瞬間、淵の一つから一羽のカモが飛び立った。
雨はときどきパラパラと降ったが、風もなく穏やかな一日だった。
山行日:2021年11月20日
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福知川宍粟市神河町境界付近から755m標高点手前までの約2.3Km |
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砥峰高原へと続く県道が交わる「広域基幹道 千町・段ヶ峰線」起点に広い駐車スペースがある。ここに車を止め、県道を宍粟市側へ少し移動し、橋のたもとから川へ下りた。 | |||||||||||||||||||||||
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渓流の岩石 白亜紀後期 デイサイト岩脈、 峰山層安山岩質溶結火山礫凝灰岩、 峰山層流紋岩質溶結凝灰岩 |
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はじめに見られるのは、デイサイトである。淡灰色~濃灰色で、緻密な岩石である。斜長石と普通角閃石の斑晶をふくんでいる。全体的に鉱化変質が見られ、黄鉄鉱や白鉄鉱が鉱染状に生じている。斜長石は緑簾石に変質していることが多い。このデイサイトは、峰山層に貫入した岩脈と考えられる。 次に、峰山層の安山岩質の溶結凝灰岩が現れる。斜長石と普通角閃石の結晶片をふくんでいる。風化面で、火山礫とレンズ状に伸ばされた軽石を観察することができた。 最後に、流紋岩質の溶結凝灰岩が現れる。石英と長石の結晶片を多くふくんだ淡灰色の岩石である。 |
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