非力十倍(ひりきじゅうばい)、欲力五倍(よくりきごばい)。
解釈:日頃は力が弱くても、すわ一大事というときに信じ難い力を発揮する。
これが非力十倍。また、欲しいとなると、平生の五倍もの力を出すものである
ということ。
類義:非力百倍。
非理(ひり)の前には道理なし。
解釈:物の道理の分からない人、また道理に合わない行いをする人には、幾
ら正しい道理を説いても通じない。話すだけ無駄というものだ。
類義:縁なき衆生(しゅじょう)は度(ど)し難し。愚人に論は無益。泣く
子と地頭には勝たれぬ。
飛竜(ひりゅう)雲に乗る。
解釈:竜は中国における想像上の動物で、麟(りん)・鳳(ほう)・亀(き)
と共に四霊と呼ばれ、雲を起こし霧を呼ぶ力を持つ。その竜が雲に乗って天に
昇るということは、優れた才能を持った人が、時機を得てその天分を十二分に
発揮すること。また、その得意の境涯をたとえていう。
昼には目あり、夜には耳あり。
解釈:昼間は至る所に人の目が光っており、夜には静かな暗闇の中で人が耳
を澄ましている。秘密を守ることが難しいことのたとえ。
類義:石の口。壁に耳。壁に耳あり、障子に目あり。天に口あり、地の耳あり。
昼の行灯(あんどん)。
類義:月夜に提灯(ちょうちん)。
拾い主は半分。
解釈:落ちている物を拾えば、その半分は拾った人の権利になるということ。
類義:預り物は半分の主。使い半分。
枇杷(びわ)が黄色くなると、医者が忙しくなる。
解釈:枇杷が色付く夏になると病人が多くなるので、医者が繁盛するという
こと。
類義:蜜柑(みかん)が黄色くなると医者が青くなる。
火を避けて、水に陥る(おちいる)。
解釈:火に焼かれまいとして、逆に水に溺れてしまうこと。一つの災難から
は逃れたが、別の災難に遭ってしまうというたとえ。
類義:牛を避けて、水に陥る。
火を吹く力もない。
解釈:体が衰弱した状態。また、極貧(ごくひん)の状態をいう。
類義:頤(おとがい。顎のこと)で蝿を追う。
火を見たら火事と思え。
解釈:何事にも用心ということ。
類義:人は盗人、火は焼亡(しょうもう)。人を見たら、泥棒と思え。
火を見るよりも明らか。
解釈:物事の道理がはっきりしていて、疑いを入れる余地が全くないこと。
火を以て火を救う。
解釈:災いを除こうとして、また同じ事をしてしまい、より災いを助長して
しまうことのたとえ。
類義:薪(たきぎ)を抱(いだ)きて火を救う。火を救うに薪を投ず。
牝鶏(ひんけい)晨(あした)す。
解釈:牝鶏(めんどり)が時を告げることで、女性の勢いが盛んなことのた
とえ。昔、中国ではこれを、家や国が亡ぶ基になるとして忌み嫌った。
類義:女の言、聞くべからず。牝鶏歌えば家亡ぶ。牝鶏、時を作る。
貧者(ひんじゃ)の一灯(いっとう)。
解釈:貧しい者の、たとえ僅かであっても誠意を込めた寄進のことで、これ
は、富者の虚栄に満ちた多くの寄進に勝るものである。至誠(しせい)の尊さ
を言った言葉。
類義:長者の万灯(まんとう)より、貧者の一灯。
貧(ひん)すれば、鈍(どん)する。
解釈:人は貧しくなると、才知や精神の働きまで鈍って、浅ましい事をする
ようになるということ。
類義:馬痩せて毛長し。仇(かたき)の金でもあれば使う。窮(きゅう)す
れば濫(らん)す。人貧しければ、智短し。
貧にして楽しむ。
解釈:貧しくても、楽しみを以って日々を暮らすこと。君子の心境を言った
言葉。
類義:貧は世界の福の神。
貧の盗み、恋の歌。
解釈:追い詰められると、どんな事でもしてしまうことのたとえ。貧乏すれ
ば人の物を盗り、恋心が募(つの)れば歌も詠むということ。
類義:急病に悪日(あくじつ)なし。
貧乏柿(びんぼうがき)の核沢山(さねだくさん)。
解釈:貧乏人に子供が多いたとえ。小さな渋柿は、実は小さいのに種が多く、
食べるところがない。
類義:貧乏人の子沢山。
貧乏するほど楽をする。
解釈:金持は財産や人付き合いなどに気を使うことが多いが、貧乏ならば、
そのような気骨(きぼね)を折ることもないから、気楽でいいということ。
類義:貧乏人、怖い物なし。
反義:貧ほど悲しきことはない。
貧乏難儀は時の回り。
解釈:貧乏するのも、苦労するのも、巡り合わせだから、悲観することはな
いということ。
貧乏に棒なし。
解釈:貧乏に棒(乏)がなくては、どうにも振り回しようがなく、遣り繰り
が付かないこと。
貧乏人、怖い物なし。
解釈:貧しいと、盗まれる物もない。また、費用のかかる、世間との付き合
いもできないので、何に対しても怖くないということのたとえ。
類義:貧乏するほど楽をする。
貧乏人に親類なし。
解釈:人とは薄情なもので、貧乏人とは、たとえ縁者でも親しく付き合おう
とはしないものだということ。
類義:貧家(ひんか)には故人(こじん)疎し(うとし)。
貧乏人の子沢山。
解釈:養育する金のない貧乏人に限って、子供が沢山いるということ。
類義:三人子持ちは笑(わろ)うて暮らす。貧乏柿の核(さね)沢山。律義
者(りちぎもの)の子沢山。
貧乏人も三年置けば用に立つ。
類義:禍(わざわい)も三年経てば用に立つ。
貧乏は達者の基(もと)。
解釈:貧乏人は得てして健康で、病気になど滅多に罹らないということ。
貧乏花好き。
解釈:身分不相応なことのたとえ。貧しいのに、花の栽培などに熱中するこ
と。
類義:貧乏木好(きずき)、貧の花好き。貧乏花盛り。
貧乏暇(ひま)なし。
解釈:貧乏人は暮らしに追われるので、時間のゆとりもないこと。
類義:浪人暇なし。
参考:Poor man have no leisure.の訳語。
貧ほど悲しきことはなし。
解釈:この世で貧乏ほど辛いものはないということ。
類義:貧ほど辛いものはない。
反義:貧乏するほど楽をする。貧乏人、怖い物なし。
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