田作りも魚の中(うち)。
解釈:弱小の者でも仲間に数えることができるということ。田作り(ゴマメ)
のような小魚でも魚の仲間だということ。
類義:餓鬼(がき)も人数。蝙蝠(こうもり)も鳥のうち。
田作る道は農に問え。
解釈:何事もその道の専門家に聞くのが良策。農業の事は、農民に聞くのが
一番よい。
活用⇒専門分野のことは、その道の専門家が知っている。The specialist
in the trade knows the specialized field.
類義:海のことは漁師に問え。芸は道によって賢し。商売は道によって賢し。
田返しは奴(やっこ)に問うべし。餅は餅屋。
達者百貫目。
解釈:健康第一。達者であれば幾らでも働けるので、百貫目の値打ちがある。
活用⇒健康第一。Health the first.
類義:達者万貫目。
達人は大観す。
解釈:達人は、小事に捉われずに全体を正しく把握し、判断を誤らない。
活用⇒達人は、全体を掌握できる。The expert can seize the whole.
立っている者は親でも使え。
解釈:急用のときは、側に立っている人なら誰でも構わないから手伝って貰
え。
類義:立っておれば、仏でも使う。
尊(たっと)い寺は門から。
解釈:外見の大切さをいう。「信は荘厳(しょうごん)より起こる」といわ
れるとおり、人々の信仰を集める寺は、山門の構えからして立派である。
類義:尊き寺は門から見ゆる。流行(はや)る稲荷(いなり)は鳥居から知
れる。
脱兎(だっと)の如し。
解釈:逃げる兎のように足が速いという意。行動が非常に素早いことのたと
え。
立つ鳥、後を濁さず。
解釈:水鳥が飛び立つときは、後に水の濁りを残さない。まして人間である
から、去り際は綺麗に片付けるべきである。
活用⇒居場所から立ち去るときは、始末をしてから行きなさい。Go after
it puts it in order when you leave whereabouts.
類義:鷺(さぎ)は立てども後を濁さず。飛ぶ鳥、後を濁さず。
反義:後は野となれ山となれ。旅の恥は掻き捨て。
立つより返事。
活用⇒呼ばれたら、大きな声で、すぐ返事をしなさい。Answer soon
because of the full voice if you are called.
解釈:呼ばれたら、まずはっきり返事をすること。
立て板に水。
解釈:すらすらと淀みなく弁舌が爽やかなことのたとえ。
類義:戸板に豆。
蓼(たで)食う虫も好き好き。
解釈:辛い蓼の葉が好きで食う虫がいるように、人の好みもいろいろである。
類義:十人十色(じゅうにんといろ)。蓼の虫、葵(あおい)に移らず。人
の趣味に口出すな。破鍋(われなべ)に閉じ蓋。
参考:Threre is no accounting for tastes.(趣味を説明することはでき
ない)
楯に取る。
解釈:その事を逆手にとって、自分の立場を守る。言い訳や言いがかりの材
料にすること。
類義:楯に突く。
伊達の薄着。
解釈:着膨れて体裁が悪くなるのを嫌って、冬でも薄着をすること。近世の
粋(いき)の風格が生んだ諺(ことわざ)。
伊達の素足も無いから起こる。
解釈:寒空に素足でいるのも粋がっている訳でなく、要するに足袋がないか
ら履いていないのだ。「有れば天鵞絨(びろうど)の足袋も履く」と続く。
類義:婀娜(あだ)な素足も貧から起こる。伊達の薄着も貧から起こる。
楯の半面。
解釈:物事の一面。また、一面だけ見て、全体を考えない見方。
蓼の虫は蓼で死ぬ。
解釈:習い覚えた仕事を生涯続けて、ほかの仕事に移ることなど考えもしな
いこと。辛い蓼を食う虫は、ほかの甘い草は興味の対象にもならないように。
楯の両面を見よ。
解釈:表面だけでなく、裏側も見て正しく判断せよということ。昔、反対側
から道で行き会った二人の騎士が、道端の木に掛かっていた楯を見て、「これ
は金の楯だ」「いや銀の楯だ」と言い争っているところへ第三の騎士が通りか
かり、「二人も早まるな。この楯は一面は金で、一面は銀ではないか」と言っ
たという西洋の故事による。
類義:楯の半面。
参考:Look on both sides of the shield.の訳語。
立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)。
解釈:美人の姿をたとえた言葉で、「歩く姿は百合(ゆり)の花」と続ける。
たとえと豆腐汁は、捨てるところがない。
解釈:昔から言い習わされているたとえ、諺(ことわざ)の類は、いわば人
生の真髄であり、豆腐と同じで少しも無駄がない。
類義:たとえに嘘なし、坊主に毛なし。
炭団(たどん)に目鼻。
解釈:色が黒くて目鼻立ちがはっきりしない。醜い顔の形容。
反義:卵に目鼻。
棚から落ちた達磨(だるま)。
解釈:今まで威張っていた人が失脚して格好が付かない様子のたとえ。
類義:鍾馗(しょうき)大臣が棚から落ちたよう。
棚から牡丹餅(ぼたもち)。
解釈:棚から牡丹餅が落ちてくるように、労せずして思いがけない幸運に巡
り合うこと。
活用⇒棚から牡丹餅。Bean jam rice cake from shelf.思いがけない幸
運。Unexpected good fortune.
類義:開いた口へ牡丹餅。鰯網へ鯛がかかる。棚ぼた。
掌(たなごころ)を返す。
解釈:簡単にできることのたとえ。また、打算のために、今までの態度をが
らりと変えること。
類義:手の裏を返す。掌(てのひら)を返す。
掌を指す。
解釈:物事が非常に明白なこと。掌(てのひら)をさすように、間違いよう
がないくらいはっきりしていること。
田螺(たにし)もととまじり。
解釈:詰まらない物でも、間に合わせの役には立つということ。田螺も貝の
類だから、肴(さかな)の代用になるというと。
類義:田螺も肴か、蜻蛉(とんぼ)も鳥か。
他人の疝気(せんき)を頭痛に病む。
解釈:自分に関係ないことに、要らぬ心配をすること。他人の腹痛を心配し
て、同情のあまり自分も頭痛になる。
類義:要らぬお世話の焼き豆腐。
反義:人の痛いのは三年でも我慢する。
他人の空似(そらに)。
解釈:赤の他人であるのに、顔貌(かおかたち)がよく似ていること。
類義:他人の猿似(さるに)。
他人の念仏で極楽詣り。
解釈:他人の物を使って、自分の義理を済ますこと。また、他人任せで自分
の利益を図ること。
類義:他人の賽銭で鰐口(わにぐち)叩く。人の牛蒡(ごぼう)で法事する。
人の褌(ふんどし)で相撲をとる。
他人の正目(まさめ)。
解釈:利害関係のない第三者の目が、公平で正確に物事を見抜くということ。
活用⇒第三者は、正しい判断を下す。The third party gives the true
judgment.
類義:傍目八目(おかめはちもく。岡目八目)。
他人の飯には骨がある。
解釈:他所の家に寄食すれば、どこかしら冷たい仕打ちを感じるもの。他人
の好意の底には打算があって、甘えていると時に冷ややかな眼差しを感じるも
のだ。
類義:他人の飯には棘(とげ)がある。隣の白飯より、うちの粟飯。
他人の飯は白い。
解釈:他人の物はとかくよく見えるものという意。
活用⇒彼は、何時も隣人を羨ましがっている。He always envies
neighbors.
類義:うちの鯛より隣の鰯。隣のじんだ味噌。隣の雑炊。隣の花は赤い。
他人の飯を食う。
解釈:親元を離れて、他人の間で揉(も)まれていろいろな体験をすること。
類義:他人の飯を食わねば、親の恩は知れぬ。隣の飯も食ってみよ。
他人の飯を食わねば、親の恩は知れぬ。
解釈:親元を離れて、他人の間で生活して苦労してみないと、親の有難みは
分からない。
類義:可愛い子には旅をさせよ。他人の飯には骨がある。他人の飯を食う。
他人の別れ、棒の端。
解釈:夫婦が離婚すると、他人というより、もっと疎遠な仲になる。
類義:除けば他人。
他人は食い寄り。
解釈:不幸などがあったとき、他人はご馳走目当てに集まってくる。儀礼的
な付き合いの本音の部分である。
類義:親(しん)は泣き寄り、他人は食い寄り。
他人は時の花。
解釈:花の命は短いように、他人の好意は長く続かない。真に頼れるのは矢
張り身内である。
参考:血はみずよりも濃し。
狸が人間に化かされる。
解釈:騙そうとした人が、逆に騙されること。
類義:誑(たら)しが誑しに誑される。盗人が盗人に盗まれる。化かしが化
かしに化かされる。物して物される。
狸寝入り。
解釈:狸は、ひどく驚くと直ぐ仮死状態に陥るが、この習性を「寝る」とみ
て、人が眠った振りをすることを指す。
類義:狸寝。狸の空(さら)寝入り。鼠の空死に。
田の事をすれば、畠が荒れる。
解釈:一方に気を取られていると、もう一方に気が回らなくなること。
活用⇒物事は両立しない。Things do not coexist.
類義:太鼓を打てば、鉦(かね)が外れる。櫓(ろ)を押して櫂(かい)は
持たれぬ。
楽しみ尽きて悲しみ来る(きたる)。
解釈:楽しみも頂点に達した後は、悲哀の情が生まれてくる。楽しいことは
長続きしない。
活用⇒楽しんだ後は、悲しくなる。After becoming happy sad.楽しいこ
とは長続きしない。Happiness is not long.
類義:楽しみ尽きて憂え来る。楽しみの後へ苦しみ来る。
頼み難きは人心(ひとごころ)。
解釈:人の心は当てに出来ないという戒め。
活用⇒彼の心を読めない。His mind cannot be read.
類義:知らぬは人の心。人心測り難し。
頼みの綱も切れ果てる。
解釈:頼みにしていた最後の手段も駄目になるということ。万策尽きて、お
手上げの状態。
頼む木の下に雨漏る。
解釈:当てにしていた事が駄目になって、手立てを失うこと。
類義:頼む木の下に雨も溜まらぬ。頼む木蔭に雨漏る。
頼むと頼まれては、犬も木へ上る。
解釈:頭を下げて「頼む」と言われると、無理なことでもしてやろうという
気になるものだということ。
類義:頼めば越後(えちご)から米搗きにも来る。頼めば鬼も人食わず。
頼めば越後(えちご)から米搗きにも来る。
解釈:物事は頼み方次第で引き受けてくれる人もいるという意。
類義:頼むと頼まれては、犬も木へ上る。
頼めば鬼も人食わず。
解釈:鬼でさえ、頼めば人を食ったりはしないものだ。真剣に頼めば、どん
な人でも悪いようにはしないものである。
活用⇒頼めば、相手に心が伝わる。The mind is transmitted to the
other party if entreating.
類義:鬼の目にも涙。
頼もしい者は、出家侍。
解釈:坊さんと武士は特別の身分で、いざというときに庶民の力になるべき
者である。
旅の犬が尾をすぼめる。
解釈:自分の家の周辺では威勢がよいが、他所の土地へ行くと小さくなって
いること。
類義:我が門で吠えぬ犬なし。
旅の恥は掻き捨て。
解釈:旅先では見知らぬ人ばかりだから、普段はしないような事も、その場
限りでやってしまうこと。また、それを不名誉な事とは思わないこと。
類義:後は野となれ山となれ。旅の恥は弁慶状。
足袋は姉履け、雪駄(せった)は妹履け。
解釈:足袋は段々と縮むから、足の大きい姉から履き、雪駄は鼻緒が緩んで
くるから、妹が先に履けば無駄がない。
類義:足袋は親の足袋を履け。
旅は憂いもの辛いもの。
解釈:昔の旅は知る人もいない危険な道を歩かなければならず、苦しく辛い
ものであったことから。
旅は道連れ、世は情け。
解釈:旅行には道連れが、世渡りには人情が大切であるということ。
活用⇒旅行は仲間、世間は人情。Travel are companion and the people
are mercies.
食べて直ぐ寝ると牛になる。
解釈:牛は餌を食べた後、横になって反芻(はんすう)かる習性がある。食
後直ぐ横になるのは行儀が悪いという戒め。
反義:食後の一睡(いっすい)、万病円。
多弁、能無し。
解釈:口数ばかり多くてじっさいにはあまり仕事をしない人を謗(そし)っ
ていう。
活用⇒多弁は無能者。A verbose person is an incompetent.
類義:口自慢の仕事下手。
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