20f 園芸植物用語解説その2
[ま]
巻鬚マキヒゲ:枝や葉の一部が細長い蔓に変形し,他物に巻き付いて体を支える器官となっ
たもの。ブドウ,キュウリは枝の変形,エンドウは葉の先端部の変形,サルトリイバ
ラは托葉の変形といわれる。
膜質マクシツ:ネギの総包(俗にいう”ネギ坊主”の皮)やタデ科の葉鞘のような薄い膜の
質感をいう。
末期受精マッキジュセイ:自家不和合性があって,自家受粉では殆ど受精が起こらない植物で
も,花期の終わりに近付くに従い,自家和合に傾くことがある現象。
間引きマビキ:養成中の苗が生育して密生する場合,その間隔を均等に拡げるために,余
分の苗を抜き取ること。また植栽してある樹木や草でも形が大きくなり密生する場合
に同様に抜き取ること。
間引剪定マビキセンテイ:枝を分岐点から切り除く剪定のことであり,邪魔になる枝を切り除
き,残した枝に花芽を着けさせるために行う。
マルチング(mulching):植栽地の乾燥防止,雑草の発生防止,土の浸食防止及び地温
の調節を目的として,植物の根元に藁ワラや刈草又はプラスチックファィルなどを敷く
こと。
丸弁咲きマルベンザキ:花片の先端が円味を帯びている姿。例:シュウメイギク。
万重咲きマンジュウザキ:花片の数が最も多く盛り上がった八重咲き。例:キク・ダリア。
[み]
ミカン状果:ミカンの類に特有の果実。外果皮はやや硬く,丈夫で,油腺に富み,中果
皮は厚く海面状,内果皮は10個内外の薄い袋状で,その中に液汁を含んだ多数の毛状
体を満たしている。
右巻きミギマキ:アサガオ,フジなどの蔓性の茎が支柱に巻き付くときの巻き方。支柱を真
上から見たとき,茎の先端が時計回りの方向に巻くこと。
実生ミショウ:種を蒔いて育てること。
水苔挿しミズゴケザシ:挿木の一方法。挿木土に水苔だけを用いて挿すこと。例:デンドロ
ビウム。
ミスト繁殖ハンショク:挿木の場合,水を霧状にして一定時間をおいて散水し,葉の表面を湿
らせて発根を促進させる方法。
蜜腺ミツセン:蜜を分泌する器官。多くは花の基部にあり,虫媒花に発達する。
深山透しミヤマスカシ:剪定センテイの一方法。枯葉を揉み落とし,絡み枝を除き,枝の多い部分
を間引き,大体自然状態に保つ剪定であり,主としてヒノキやサワラに応用する。
[む]
むかご:肉芽の通俗的な呼び方。 → 肉芽ニクガ
無菌栽培ムキンサイバイ:ラン科の種子の発芽や育成には,ランの根に共生するラン菌が必要
であるが,そのラン菌なしに発芽させ育成する栽培法。
無性世代ムセイセダイ:有性世代に対するもので,世代交代をする植物において,胞子を作っ
て無性的に繁殖する世代をいう。無性という用語は普通胞子に性の区別がない点を強
調し,配偶体に性がある現象を対比して名付けられている。
無柄ムヘイ:葉に葉柄がないこと,花に花柄がないことをいう。例:ノゲシ・ヒャクニチソ
ウの葉,イノコズチの花。
[め]
芽メ:発育すると茎,葉,花などになるもので,その未発育の状態にあるものをいう。
芽掻きメカキ(芽切りとも):冬季剪定の後,新枝が沢山出ると混雑するので,日当たりを
良くし,結果数を調節するために新芽を掻き取ること。
芽挿しメザシ:挿木の一方法。1個の芽に少量の茎を着けたものを挿し穂として挿す方法。
芽接ぎメツギ:接木の一方法。芽の部分を剥ぎ取り,これを台木に接ぐ方法。これに逆芽
接ぎや楯芽接ぎなどの仕方がある。
芽潰しメツブシ:@樹勢の極めて強い木に行う手入れであり,5〜6月又は9月に行う。新
芽を全部掻カき取り,年内に再発芽をさせず,翌春に新芽を一斉に出させる方法。A芽
摘みの一方法として,芽を外側から押し潰すこと。
綿毛メンモウ・ワタゲ:細かく軟らかい波打った綿状の毛。例:ハハコグサ・ウスユキソウ。
[も]
目モク:植物分類上の一つの階級。綱又は亜綱の下に置かれる。例:バラ目・キキョウ目。
木本モクホン:草本に対する語。木部のよく発達した多年生の茎を持つ植物のことで,通俗
的に”木”という。一般に高さ10m以上を高木,5〜10mを小高木,1〜5mを低木,1m以
下を小低木と呼んでいる。
元肥・基肥モトゴエ(原肥ゲンビとも):植物を栽培するとき,その植栽地に前もって置く
肥料のことで,土壌改良を兼ねて遅効肥料が用いられる。
盛土法モリツチホウ:取木の一方法。叢生する潅木に応用する。株の根際に土を盛り上げて被
せ,株の基部に発根させ,後株分けをすること。
門モン:植物分類上最も上の階級。最も大きな分類群の名称。例:被子植物門・裸子植物
門・シダ植物門・菌植物門。
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