その他の人形のページ 15

~エンジョイさわやかライフ・瞳~
(TAKARA・1990年)


「エンジョイさわやかライフ」って…なにさ



世田谷区の環八沿いに こ~んなビルがあります

元は自動車会社M社のショールームとして建てられました

その後、M社も業績が悪化、いろいろあって売られ
今はセレモニーホール(簡単に言えば斎場)になったとか

一目見て思ったのは「趣味悪ぅ~」
プロポーションを全く無視したイオニア式の柱
ゴテゴテした統一感のないデザイン

こういったもの、普通はデザイナーが考えてもただの「妄想」で終わっちゃうんですが

時代は「バブル」

それにOKを出すクライアント、お金を貸す銀行のおかげで建っちゃいました



他にも街を見渡すと、「あ これはバブルのとき建てたんだな」という建物が
あちこちにあります

共通点は「無駄にお金をかけて、その割りに実用性のない変なデザインの建物」ということです

バブル当時、うわべだけの金余りに人々は踊り
無駄なものにお金をかけるのが大流行でした


そんなバブル絶頂期の1990年
タカラは「BG倶楽部YOU」の失敗にもめげず(というか学ばず)
またもや新しい人形を企画したのでした


その人形の名は
「エンジョイさわやかライフ 瞳」

設定は、田舎から出てきた女子大生が、

バブルに浮かれる東京で「エンジョイさわやかライフ」(だから何だって)
を送るという、今考えればトンデモないもの

大体、何の目的で女子大生になったかもわからないし

勉強もテキトー
バイトもテキトー

今日は六本木
明日は横浜と遊び歩くという…(^_^;)

「今夜のコースは?」
「いつものトレンディエリアコースよ」(死語)

おいおい、金は誰が出すんだよ~

大学生がこんな「こと」をしていて許された時代、それがバブルでした

人形は「YOU」とほぼ同サイズ
顔は少しグレードアップしていますが、まあ多少美人になった程度

「YOU」の時も同じことを書きましたが
リカちゃんは小さな子供に夢を与え

ジェニーは一応「デザイナーになるんだ」という目的を持っているという設定で
まあ、リカちゃんを卒業した世代に
「大人になったら何になる」的な夢を与える存在だったと思うのですが


この人形にはそういった「メ・ッ・セ・ー・ジ」がない
ただ遊び歩いているだけの女子大生なんですよ、マジで

さすがにタカラも、全国展開をためらったのでしょうか(少しは学習したかな)
「トトコ」でまずテスト販売をして、それで反応が良かったら…と考えたようですが

…そのままお蔵になってしまいました

したがって、この人形は、トトコで販売されたのみとされています
定価は3500円とYOUに比べちょっぴりコストダウン

他で売っているのは見たことがありません
そういった意味では「幻の人形」なのかもしれませんが
あんまり有難くないわね~

もし全国販売されていたら、「YOU」の隣にまた売れ残りの山を築いていた事でしょう


前置きが長くなりましたが、百聞は一見にしかず

まぁ、見てやって下さいよ「瞳ちゃんのエンジョイさわやかライフ」とやらを
オホホホ

パッケージと人形、今まで確認された服は2種
スタンドとミニパンフ付
箱の裏面と前面右側、そしてミニパンフにも延々と
瞳ちゃんのい~かげんな生活が描かれています

全部載せちゃうので、見てやって下さい
(ナレーションは富永みーなの声でお願いします)

箱裏面ストーリー
アップ


箱右側面ストーリー:1


箱右側面ストーリー:2


ミニパンフより
これによると、服は4種あったらしい


そしてミニパンフのストーリー
ここまで真面目に読んでいただいた方
きっともう十分頭が痛くなっていると思います
お疲れ様でした~


1990年に18歳として、彼女が実在していたとしたら今35歳くらい…

子育てまっさかりで「昔はよかったわ~」とグチをこぼしているか
今世間で話題の「負け犬」になっているか…

いずれにしても、あまり夢のない人生を送ったことでしょう
合掌

(2006年2月18日ページアップ)