※はじめに 今年もこの季節が来た。 連休前は今年も忙しく、頭の中がオーバーフロー直前だ! 能力の無いもんが無理をして人を率いる物ではないと、何時も後悔している。 今年の24時間戦は輪を掛けて忙しい。 何の因果か何時の間にか主催者に成っていた。 毎年の事ながら思う様に参加者は集まらないし、 参加表明も人数が不確定で採算の計算が出来ない状態。 大型イベントなので演習場の場所代が重く圧し掛かり、 この料金の捻出が最大の難関事項だ。 案の定当初の目標参加人数の半分に満たない結果に成った。 こうなると今まで以上に主催者を降りたくなる。 しかし、そんな気持ちなど去年の沈黙の九時間苦行を思えば容易い物だ。 俺が主催者として決定を行わねば、 当隊の極めて疑わしい24時間戦企画を鵜呑みにして参加表明をしてくれた、 愚かな参加関係各隊の皆様に御迷惑が掛かる。 その一念だけが自分を開催に向けて突き動かしていた様に思える。 ・・・・・・・・げ!!!! 何だ、この醜悪な週間天気予報は! まさに“醜寒天気予報”って感じ!! 雨だ!ここまで企画を進行させておきながら雨だ! 主催者を解放されるかもしれない妙な安堵感と、 今までの苦労と購入済のB・B弾の処分で気持ちが落ち込む感じだ。 当然主催者として中止を決断する事得の無念さと、 参加各隊の隊員各位に対する自責の念で、中止電文を叩くキーも重くなる。 取りあえず中止決定の期限であった4/30の日付が変わらぬ内に結論を出さねば。 一番の友好部隊であり、去年のヒーロー部隊のK・兵曹長に直接電話をし、 半ば強引に“中止止む無し”の方向に誘導話法を行い理解を求める。 当隊の赤城地元組織のリーダー、デューク氏にも同意を求める。 残念ながら赤城の重鎮K軍曹には何故か携帯がつながらない。 K軍曹は赤城演習場の使用料金の決定権を持っている。 彼にこそ連絡が取りたいのだが仕方が無い。 止む無く中止の電文を総送信する。 雨じゃ仕方が無い。無念!! ・・・終わった。今年の24時間戦は終わった・・・ 無念だが悪天候では仕方が無い。 中止するのが最良の決断なのだと、自分を納得させつつ就寝する。 中々寝付か無かったのは意外な事実だ。 俺って自分で思うより以外に責任感が強いのかな? 5/1は労働組合の無い当社は、メーデーに関係無く仕事である。 会社に出社して朝礼が終わって少しした頃、K軍曹から入電。 「総督、大丈夫ですよ! 単なる夕立の可能性が天気予報に反映されているだけですよ。」 「そんなに大した雨じゃ有りませんよ。」 う〜〜ん、そうか。現地の住人の意見は貴重だ! その上、雨天の為に開催中に急遽中止撤退の折は料金の考慮を頂けるらしい、 それだけの条件が揃っていながらこのまま中止してしまうのは申し訳無い。 結局開催することに決定した。 今回の赤城24時間戦は当隊の主催の為、 どんな事が有っても遅刻する訳にはいかない。 早朝に現地入りする為に5/2の深夜から現地周辺に移動する。 今回も車内泊を余儀なくされる状態だが、 色々と待遇改善の施行錯誤をしなければならない。 特に今回の24時間戦は、ルール的に停戦締結の無い限り本当に24時間戦に成る。 もし24時間戦闘が行われれば主催者の自分も同様に寝られない! 開催前の今晩はそこそこに就寝したい。 これは自分が寝たいからだけでなく、 今後の赤城演習の参加を円滑かつ健康的に行う為にも、 前日泊の充実が欠かせないのだ!! 今回は健康ランドに宿泊出来るかを検証した。 健康ランド宿泊のノウハウを獲得する事に成功した。 ほぼ定刻どうりに現地入りに成功した。 完璧だ!思わず自画自賛する。 オフロードコースの2m級の大型タイヤに、 1畳ほどのベニヤ板のパーテーションをネジ止めする。 三方を囲んで要塞化させる。 平地側の陣地は正面からの総攻撃に脆そうな感じだ。 森側の陣地は十分に要塞化されているが、いまいち側面攻撃に弱そうな感じがする。 残念ながら今回の24時間戦では、 自分は主催者側として戦闘には一切参加していない為、 戦闘に関する状況の描写を一切描く事が出来ない。 残念な事だが仕方が無い。 自分が書けるのは裏方から見た24時間戦だ。 本年度の24時間戦は当隊の陣営を2分割し、 ジオン本隊勢(マーカー付き)vs友好部隊連合勢の紅白戦形式を取ることになった。 要は内部演習に成るな!。 実の所、弾薬が想定より高額であった為に、 用意できた数量は、一人頭一袋に満たない。 むぅ、これは問題だ!! 余りバリバリ撃たせると、運営側の至急弾薬が早急に枯れてしまう。 ゲームのルールを少々歪曲させて、初期配備弾薬を調整して、 参加者に弾薬量の重要性を十分に印象付けさせ、 無駄弾を撃たせない様に誘導する。 その結果は1日目終了時点の残弾数によって証明された。 「ふっ、自分の指図に過ちは無かった!」 等と自惚れる自分。 幾つかの戦闘が勝敗の結果を出し、 双方それなりに交戦規定によりポイントを加算していく。 おお!偉大なるかなポイント制。 勝敗が一旦決しても、余り長くダラダラせずに、 生き生きとして次回の戦闘に皆が出て行く。 戦闘自身も一進一退の攻防が続き、中々バランスの取れた戦闘が行われている。 今回のルールは取りあえずこの人数の限りにおいては不適合で無いことが証明できた。 これ以上の大規模戦ではどれだけの弊害が露呈するかは未知数だが、 今回の24時間戦に支障が無ければ先ずは問題無い。 開戦してから6時間が経とうとしていた。 「長い事頑張るね」 ルールを設定した本人が驚くほどに見事に、 一進一退の見応えの有る戦闘が展開されていた。 しかし、19:00は強制停戦時刻である。 もう3時間も前から主催者側の調理部隊が用意し始めていた夕食が出来あがり、 参加各隊の兵士達が演習場から帰ってくるのを待つ。 調理時間も見事に計算し尽されて居て、 19:00には完璧に仕度が完了していた。 「皆さ〜〜ん!ご飯よ〜〜〜ん!!」 と、声を掛けてくれる女性が居ないのが少々寒い状態だが、 参加各隊の皆様もとてもお行儀良く並んで頂いて配膳に協力してくれた。 赤城の地元隊員でK軍曹の懐刀で食堂経営者のオ○タさんが調理してくれた、 『エクセレント・マキシマム・デリシャス・スペシャル・大鍋ベジタブル&チキン・ボーン・カレー』と、 『ウルトラ・スーパー・生野菜パワースペシャル・グレイテスト・ダイナマイツ・シーチキンサラダ』 がメニューで、多くの方々がお代わりをするほどの盛況だった。 開戦からの戦闘で、皆相当に腹が空いていたらしく、 この現代の飽食の時代に育った、わがまま砲台・好き嫌いし砲台の、 放題!・砲台!!・大放題!!!の世代にしては殊勝な青年達だなと、 心底感心した。 「何を流暢な事を考えているんだ!」 「貴様の地獄はこれからが本番さ!」 悪魔のささやきが聞こえてきた! 恐怖の足音が密かに近づいていたのである。 そう!五月の赤城名物『夜の寒さ』だ!! ガァ〜〜〜〜〜!!!!!今年も違った意味で総攻撃を受ける結果となる。 運営管理者として深夜のゲームを放って置く訳には行かないので、 夜戦開始の21:00から終わってくれた02:30までの延々5時間、 少々の焚き火だけで停戦を待っていなければ成らなかった。 「ウギャーーーーーー!!!寒いィィィ!!!!!」 体を動かさないとここまで寒いものなのか! 去年はなんだかんだ言っても24:00に終戦した結果01:00から就寝できた。 今回のルールは双方の司令官が相互に停戦の意志が無いと停戦にならない。 終戦はあくまでも翌朝の5/4の12:00なのだ!! 参加者の三分の一が司令部の承諾無しに戦意を喪失し就寝していた。 「勝手に寝るな〜〜〜っ!!俺も寝させろ〜〜〜〜っ!!!」 夜戦も一旦勝敗が決したが、 まだまだ血気盛んな若者を中心とする十数名は、 ほんの少しだけ深夜戦をすると言ったまま2時間以上帰って来ない。 「早く帰って来いっ!!」 「停戦しろっ!!!!」 「寒いだろっ!!!!!!!!」 焚き火は在れども表だけが温く裏が寒い。 裏を暖めれば表が寒い。 時折帰ってくる戦闘員達は 「別に?動いていると以外に熱いですよ!」 などと寝ぼけた事を言ってくる。 「寝言は寝てから言え!!」 取りあえず勝敗が決したのが02:30頃。 双方の総司令官に、 「敵勢力が停戦を申し込んでいるぞ!」 と誤情報を流し、双方の司令官に強引に停戦を強要、 もとい、紳士的停戦合意を締結させた。 何時もながら呆れるぜ!! 戦闘再開は明朝08:00。 戦闘員未配備の為に総司令部等が陥落した場合においても当然ポイントに成る。 寝起きの良い方に有利な開戦規定である。 今回ジオン本隊側の司令官となった当隊のPowered Suit大尉は、悪魔的な寝起きの悪さで定評が有る。 現在の総合ポイント数はジオン本隊勢が“軍旗持ちかえり一回分”、 多くのポイントを獲得している。 しかし「Powered Suit大尉」は現在人数調整要員として 友好部隊連合に一兵卒として参戦していた。 ジオン本隊の中核を為す彼の寝起きの悪さが 友好部隊連合に優位に働く筈で在ったが、 どうやら当てが外れてしまいそうだ。 だがしかし、 まだまだに友好部隊連合に逆転の可能性は有る。頑張れ!! 曹長! で無く、早朝、規則的に起床する能力に長けている自分は、 深夜に及んだ運営の疲れを物ともせず活動を開始する。 意外にも参加各隊の方々も起床している。 そこで、当陣営きっての知識人、 ジオン公国 地球攻撃軍 東部軍団 独立極東方面隊 所属 山岳特殊攻撃隊『チーム・Rot Fuchs』のデューク・東郷隊長の、 『レーションの正しい食し方講座!!』が開講された。 今回の24時間戦は主催者側で用意したのは1日目の夕食のみであり、 二日目の朝食は各隊各個人に用意させていた。 その一環として主催者側はデューク・東郷隊長の見事な手配により、 通常市価で\1,200相当は下らない米軍のレーションを、 何と!『平成12年度24時間戦開催記念特別価格』 5!5!!5!!!5!!!!¥500の価格破壊! ド○キホーテもまっ青なお値打ち価格で御提供していた。 しかし、残念ながら素人には手におえない調理方法なのだ! アフター・ケアを充実させねば顧客満足にはつながらない。 そこで、デューク・東郷隊長による講習が開始された。 友好部隊の『チーム・SLU隊』の将兵には痛く好評でした。 朝食後の戦闘も、意外にも自分の期待を大きく裏切る、 Powered Suit大尉の起床により、 敵側の一兵卒を起床させるのに手惑う筈のジオン本隊勢の司令部は、 意外にも早く戦線を回復してしまった。 濡れ手に泡の一勝を手に入れ損ねてしまった友好部隊連合が、 地の利に明るいジオン変態勢、 もとい、ジオン本隊勢に押された形でポイントを加算して行き、 最終集計20対10の大差でジオン本隊勢が勝利を収めてしまった。 主催者としては、参加して頂いた友好部隊の皆様には、 余りにも申し訳のない結果になってしまったが、 別に不正が有った訳でもなし、 前年度の様な危機的理不尽状況も無かったようなので、 怪我人もなく、双方が何ら不満を漏らすことなく終戦を迎えられた事が、 何よりも安心できた。 途中参加部隊が兵員の体調不良を理由に撤退していってしまった事が唯一、 主催者側としては残念な事でありましたが、 全体的には成功でしたのではないかと思います。 まだ、今回の参加各隊の隊長さんに直接送信をしていませんが、 早々に綿密な感想を伺わせて頂き、今後の参考にしたいと思います。 最後に、赤城の露天風呂に今回も浸かる事が出来ませんでした。 大変に残念です。 自分は体が熱くなるとすぐに眠気に襲われます。 冬でも用心の為に暖房は入れません(同乗者の皆様ごめんなさい(^_^;))。 しかし、心配したとうりに帰りの運転は眠たさMAXで、 風呂に入ってしまってはより一層運転が出来なくなってしまうので、 この体の厄介な体質に免じてお許し下さい。 次回こそは運転手を用意して、安心して露天風呂に入りたいです・・・ Silvern Wolf隊各員へ・・・ 総司令官なんだから少しは楽させろ!! 以上 独立極東方面隊 マーク・グレイダー総督 |