・・・ドラクエファン・・・ |
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さて、ファミコンでRPGをやってた人は、 だいたいが 「ドラゴンクエスト」 か 「ファイナルファンタジー」 をやっていて、 どっちがより好きかでハッキリとタイプが分かれるのが面白いところです。 私はというと、まったくドラクエタイプであります。 前から 「ファイナル・ファンタジーがスピルバーグだとすると、 ドラクエはルーカスだな」 なんて思っているんですが、 この2本柱は、どちらもなかなか特徴的でスバラシイのであります。 コンピューターゲームをあまりよく知らない・・・ という方のためにちょっと解説しますと、 ドラゴンクエスト(略してドラクエと呼びますが、これは制作側非公認の 単なる愛称です) や、ファイナルファンタジー(略してFF)は、 ファミコンからスタートしたRPGの名作シリーズです。 (RPG=ロールプレイングゲーム=役割を演じるゲーム という意味で、 自分が物語の主人公になったつもりで冒険をしていくというタイプのゲーム。 主流は ”剣と魔法の世界の冒険物語”で、 魔物や精霊が出るファンタジックな設定のものが多い、他にSFやホラー物などもあり) さて、それでこのドラクエですが、 悲劇のFF(ファイナルファンタジー)、 頭脳派のリンク(ゼルダの冒険シリーズ・・・本数は少ないが大変な名作です)、 と共に、 泣かせのドラクエ、 と呼べる位置にいる、 物語性重視の和製RPG作品の代表格です。 先の3つの中で、リンクはまったくタイプの違うRPGなので置くとして、 FFシリーズの 「物語は悲劇的にしてライトで軽快、 作品は、流麗にして華麗で絵がキレイ」 というタッチ(というのが私の印象なのですが) に対して、 ドラクエは 「極端に暗くて重いテーマを、 キャラクター性を駆使したギャグ描写でかっちり固めた、 強固な物語世界の描写」 が持ち味で、ファンを自認する私でも 「さすがにここまで暗い設定はやめてくれよ・・・ 数日間落ち込むぞ」 と思うような所までありますが、 ともかく1本プレイしていて、不覚にも落涙してしまう箇所が、 1カ所くらい必ずあって 「ちくしょう・・・!」 とつぶやいてしまったりするのですが、 とにかく、テーマの暗さと重さ、 それをフォローするキャラクターの強さと、強烈なギャグ感覚のキレ・・・ というのがドラクエの魅力なんではないかと思っています。 ドラクエは、FFシリーズのような 「華麗」 とか 「流麗」 とかいう感覚とは無関係の 「無骨な」 「重い」 印象の強いゲームです。 第一作目を初めてプレイしたときは、 海外の「ウィザードリィ」などのRPGゲームに較べて、 ストーリー性とキャラクター性が極端に強いので感動した覚えがあります。 第一作目は「ファミコンRPGの試作品」だったそうで、 主人公も1人だけだし、物語もごくごくシンプルな出来でしたが、 それでも、初めてプレイしたときに 「これはただ事じゃない」 と思った記憶は、ハッキリ残っているのであります。 (そして、囚人のおにいちゃんを見つけるのに本当に苦労しました!) |
さて、ゲームをやる人の特徴として、 だいたい最初にプレイしたゲームが一番印象に残って名作だと思うものですが、 ご多分にもれず、私も 「ドラクエ2」 をプレイした時、 あまりに強烈な印象だったので、今はもう懐かしいと思いながらも、 ドラクエのベストは? と言われると、やはりこれを上げてしまいます。 (1作目の方は”試作品”と考えていいと思うので、 −−−それでもとても面白かったのですが−−− やはり作品としての初回は 「2」 だという気がします。) 「ドラクエ2」をプレイして以来、 うちの僧侶キャラクターの名前はすべて 「すけさん」 になりました。 印象の強さは推して知るべしであります。 (ドラクエ2では、自分がつける主人公の名前によって、 自動的に第2第3のキャラクターの名前が選択されるシステムでした。 私のは「すけさん」という、なんだか水戸黄門みたいなキャラクター名で、 見た瞬間には 「なんだこの名前は?!」 と激しくザセツしたのですが、この第2キャラクターが、 なんというか、強烈にナサケナイ、 よく死ぬ、弱い、手のかかるキャラクター、 でして、 プレイしてると主人公より印象が強く、プレイが終わっても忘れられなくなり、 ついには愛着が出て、 他のゲームをプレイしていても 「僧侶役はこの名前でないとイヤだ!」 というふうになってしまうという、思い切り 「後を引く」 タイプだったのであります。 私の友人で WIZ (ウィザードリィ という老舗RPGゲーム) だろうが何だろうが、 すべて 「トンヌラ(これも第2キャラクターの名前の一つ)」 でプレイしてしまう人もいるくらいで、 このキャラクターの印象の強烈さは、 日本中にかなりの影響を残したのではないかと思います。) さて、このドラクエ2で、第3キャラクターになる王女の城が、 悪魔に襲撃されて、 城の住人は全員皆殺し、城は崩壊の廃墟・・・という、 壮絶な滅び方をしているんですが、 その城の地下に、火の玉(亡霊の魂の人魂)がずっとさまよっているのであります。 こちらから話しかけると「わー、たすけてくれー」とか「苦しいよー」とか 「コワイよー」とか、 死に際の断末魔のセリフを言うだけで、 非常に気の毒な有様なんですが、 なにしろ死んでしまっているのでこちらではどうしようもない。 死んだタマシイ達は、まわりの状況が変わっていっても、 死に際の悲鳴を上げ続けるだけなのであります。 で、物語の最後に、主人公達(つまりワタシと仲間ですが)が悪魔の親分を退治して、 世界がやっと平和になり、物語はメデタシメデタシの大団円を迎えます。 悪玉をやっつけたあと、 一直線に自分の城に戻ってエンディングを迎えるという選択の他に、 今まで通過した町や村を、のんびり歩いて戻る事もできるようになっていて、 帰路の途中で今まで出会った村や町の住人に話しかけると 「おかげで助かりました」 とか 「どうもありがとう」 とか、 感謝されたりお礼を言われたりして、 「あれから**さんは結婚しましたよ」などと、 前に見たエピソードの後日談を聞かせてもらうこともあったりして、 なかなかいい気分なんであります。 で、くだんの廃墟になったお城に行くと、 まわりがすっかり平和になって春のようなのどかな風景なのに、 ここだけはやっぱり荒れ果てて、城は荒涼とした廃墟のままで、 地下にはまだあの亡霊達が人魂のまま彷徨っていて、 「あちゃあ、ここはこのままなんだ・・・ 滅ぼされちゃってるから、しょうがないのか・・・ なんだかここだけ暗くて悲しいなぁ・・・」 と思いながら、それでも一応人魂に話しかけてみると、 それまで 「こわいよー」 とか 「助けてくれー」 とか、 断末魔の声を叫ぶだけだった人魂が、 「ああ、明るい光が見える・・・」 とつぶやいてすうーっと薄くなって消えていったのには、 私はもう、思いっきり感動してしまいました! ゲーム自体はすでに終わっていて、よほどヒマな(というか物好きな) 人でもなければ、こんなところまで廻って来ないと思うので、 これはもう完全に単なるオマケというか、ほんとに蛇足というか、 熱心なプレイヤーへのサービスというだけのものなのですが、 この追加サービスのあまりのクオリティの高さに(というか感性のすごさに) 私は最後の最後でおもいっきり打ちのめされてしまったのであります。 ドラクエには、こういう「よくこんなところまでフォローしてるな・・・!」 という演出の細かい部分があって、 だいたいゲームの発売日が予定より半年とかそれ以上延びるのですが、 昔からのファンの人は 「もうどれだけでも気がすむまでやってくれ」 という感じで、出来がよければかまわんぞ状態で待っているのは、 こういう綿密な念の入り方があるからではないかと思います。 ちなみに、ドラクエ2でもう1つあった追加サービス(?)では、 主人公達が最後の最後に魔王にあったとき、 魔王が「どうだ、オレと組もうではないか、 そうしたら世界の半分をおまえにやるぞ」と、 いきなり和解の条件を持ち出すのであります。 で、ふつうは「いいえ」と答えて魔王との戦いに入るわけですが、 実は「はい」も選べるようになっていて、ワタシはつい好奇心で「はい」 を選んでしまったところ、魔王の「では、おまえに闇の方の世界をやろう!」 という言葉と共に、画面全体が真っ暗に・・・(はははははははは) もちろんリセットするまで一生そのまんまです(トホホ・・)。 悪魔のささやきに耳を貸すもんじゃありません。 |
地球上のいろんな国を廻っていくストーリーだったので、 ワタシは「ドラクエ世界巡り」と呼んでいます。 ウラ地球(?)に行ってからが長すぎて、 多少ゲームバランスは悪いのですが、 お国巡りがなかなか楽しい出来で、日本で卑弥呼なんか出てきて、 けっこう大騒ぎしました。 さてこの回、盗賊たちの洞窟の中で、敵から助け出した恋人たちに向かって、 主人公が「早く町へ帰れ!」と言って、外に逃がしてやる場面があります。 プレイしながら頭の奥で、 意識に昇らないほどの、ごくかすかな違和感があったのを覚えていますが、 後になって何かのインタビューで、作者の堀井さんが 「あのとき主人公にセリフを言わせてしまったのは失敗だった」と、 言っているのを見て、「ああ、この人は理解してるんだ・・・!」 と、深く納得しました。 ドラクエシリーズは、他の登場人物がしゃべっても、 主人公は直接セリフを言わない事になっています。 (プレイする人が ”主人公自身” をやっているので、 行動も考えも人によって千差万別だからです) で、堀井さんは多分、この時ほんとにうっかり(だと思いますが) 画面で主人公にセリフをしゃべらせてしまったみたいなのです。 ですが、ワタシは堀井さんがうっかりしゃべらせてしまった事よりも、 この失敗をずっと後悔して気にしていたことに (私が読んだインタビューは、 次回作発売の直前インタビューだった記憶があるので、 <3>の発売から何年も経っていた訳ですが) 強烈な印象を受けました。 「この人は、RPGが何なのかを心底理解してるんだ・・・」 と、今さらながらその感性の鋭さにうるうるしてしまったのであります。 ここで、何が起きていたのか、ちょっと説明してみます。 RPGゲームとして対照的な特徴を備えているFFとドラクエですが、 2つのゲームの中で最も大きく違っているのは 「主人公を誰にするか」 という制作側の考え方です。 FFの方は、「主人公は制作者側が設定したシナリオ(物語)」 です。 映画を見るように物語が進行し、 プレイヤーは、時には「次へ進む」という合図のAボタンを押して、 物語の展開を眺める形で、絵本を見るように進んでいく事もあります。 時には戦闘中に、シナリオ側で勝手に戦闘を進めてくれたり、 こちらの行動の途中でいきなりドラマシーンになったりして、 見物人として画面を眺めているだけで、 ゲーム側の作ってくれたドラマチックなシナリオを見ることができます。 ある意味ではプレイがラクですし、FF独特の華麗なドラマ展開も、 この要素に負っている部分が大きいのです。 対してドラクエの方は、「主人公はプレイヤー(私)」で、 ゲーム側からは主人公の自主的行動に口を挟むことはできません。 それこそ、ドラクエ2の魔王との交渉のように、 主人公(プレイヤー)が悪魔に魂を売り渡してしまう事だって(結果はヒサンですが) やろうと思えばできるようになっています。 ゲームで俗に言うところの 「自由度が高い」 と言われる種類のもので、 自由度が高ければ高いほどシナリオ制作サイドは難しく、 作品のドラマ性は上がりにくくなります。 ドラクエはこの手のRPGゲームの中では、 極端に自由度の高い部類に属します。 つまり、シナリオ側からちょっかいを出されることなしに、 自分が主人公として物語の中を進んでいける・・・ それがドラクエをプレイする時の最大の魅力であり、 ドラクエの特徴であるわけです。 で、私はこの楽しみがロールプレイ(役割を自分が演じる遊び) そのものだと思っているのですが、 その最大の設定を、ドラクエ3ではうっかり外して、 主人公は相手に言葉を(たった一言ですが)かけてしまったのです。 あのとき、プレイ中に私の脳裏にわずかに浮かんでいた違和感は、 「私が何も言っていないのに、 なぜ主人公(私)が勝手に何か言うのだ・・・???」 という、奇妙な居心地の悪さというか、 何か自分の行動を誰かに横からさらわれたような、妙な肩すかしの感覚でした。 テーブルトーク(RPGゲームを、サイコロや、 進行役のマスターが提示してくれるシナリオを使って生でやる、 RPG本来のゲームのやり方)で、マスターが自分のセリフをとって、 勝手にしゃべって話を進めてしまったような違和感です。 堀井さんはたぶんこれに後で気がついて「しまったぁ・・・!」と、 ホゾを噛んだのではないかと思います。 作者が自分のミスで自分の世界を壊してしまった痛みは、 察するにあまりあります。 しかしこんな小さい、ほとんど人が気がつかないほどの蟻の穴を、 「しまったぁ・・・」と悔やみ続けている堀井雄二という人は、 なんだかすごい人だぞと思ったのを、いまだに忘れられないのであります。 |
さて、ドラクエは、その回ごとにいろいろ新しい試みをするので有名です。 ドラクエ4は短編RPGを集めたオムニバス形式をとっており、 主人公もいろいろで、 いきなり太った商売人のオヤジが出てきて金儲けに燃える事になったり (これが有名な トルネコ というオジサンキャラクターです。 なかなか人気があったらしく、ローグというゲームをイメージベースにした 「トルネコの冒険」というゲームで主役を張っています。) おてんばな感じの王女様の活躍や、子どものある騎士なんかまで出てきて、 なかなか多彩な設定で楽しいものでした。 (で、この回の、 主人公のエピソード部分のオープニングがあまりに暗かったので、 ワタシは頭を抱えましたが・・・ この部分の強烈な暗さと重さと救いのない喪失感の迫力は、 ドラクエの面目躍如です) さてこの回、オート戦闘システムという物が設定されていて、 ふだんは敵と戦うときに自分が全てのキャラクターに細かく指示をするわけですが、 オートシステムを選んでおくと「それぞれの仲間が自動的に戦ってくれる」 という、ちょっと便利そうなシステムが入っていたのであります。 なかなかいいじゃないか・・・ と、みんな喜んで「オート」 にしてプレイしてみた訳なんですが−−− これがプレイヤーの賛否両論、まっぷたつに分かれる評価になりました。 ワタシや友人一同は 「こっ、これがドラクエだ!」 と、大喜びで絶賛の嵐でしたが、大半の人には 「なんだこれは?! コンピューターがあまりにもバカじゃないのかっ?! 使えねぇよ! こんなものっっ」 と、不平の嵐を巻き起こしたのであります。 つまり、その人がどういうふうにドラクエを楽しみたいかによって、 評価がまっぷたつに分かれる結果になってしまったのであります。 さて、ふつうに考えるとこれはプレイヤーの指示の手間を省いて、 指示なしで仲間が効率よく必要な行動をしてくれる、 ラクなシステムのような気がします。 みんなそう思ったのですが(私も最初そう思いましたが) しかし、なんか、どうも、仲間のオート行動が<ヘン>なのであります。 まず、魔法を使えば一発で相手を全滅させてくれるすごい魔法使いが、 自分で短剣持って、肉弾戦に飛び出していって、 相手にかする程度で(もしくはかすりもしなかったり・・・) 帰ってきます。 「なんだこりゃー、けっきょく自分でやらないとダメじゃないかー」 と、 腹を立てて、 さっさと自分で全部指示する事にした人が大半だったのも当然なんですが、 ワタシ(と友人たち)は、驚喜してオートシステムにハマッていました。 なにしろ、コンピューターのキャラクターに、 せりふやシナリオの展開以外でキャラクター性を出してきた、 初めての例をその中に見ていたのであります。 王女の側近の魔法使いの爺さんは、ものすごい魔法使いのくせに、 MP消費をケチって極端にショボイ魔法を1−2回へろへろ使ったかと思うと、 自分にバイキルトかけて短剣持って敵に突進するし (友人は”ヒャダルコじじい”と呼んでいました。 オートでプレイした人なら説明しなくても理由はわかると思いますが、 MPを最高に奮発しても 中の下の”ヒャダルコ”止まりでしたからね ・・・あの人は) 占い師の美人姉妹は、戦闘中にいきなりタロットカードひいて、 地獄のカードひいて自分の頭上に自分で雷落とすし (強い敵と戦っているときは、あまりにはた迷惑だったので、 ワタシはついにこの姉妹からカードをとりあげてしまいました。) 王女様はバリバリの空手使いのくせに魔法道具オタクで、 持たせておくと、ものすごく嬉しそうにヘンなアイテム使いまくるし・・・ (そんなに嬉しいかなー・・・王女様育ちだから、 きっとあんまりこういうものを見たことないんだな・・・というので、 ワタシは、ヒマな時はなるべく魔法アイテムを持たせてあげてました。 友人たちがみんな「ほんとに嬉しそうに使ってたよねー」と言うところを見ると、 みんなして、彼女に何か持たせてあげていたようです) かくて・・・ この 「あまりにも実際的な役に立たないので、 大半の人が使わなかったオートシステム」 は、 採用して成功したのか失敗したのか評価は難しいところですが、 私はこの 「MPケチりまくりのヒャダルコじじいのキャラクター」 1本だけでも、このゲームをプレイしたかいがあったなぁ・・・ と思っています。 |
これには「天空の花嫁」というサブタイトルがついていて、 他の回のサブタイトルは忘れている私ですが、 これだけはハッキリとサブタイトルがでてきます。 というのは結婚がテーマの話で、 それがまたヤケに印象的な結婚生活だったからなんですね。 私(主人公)には、幼なじみのカワイイ彼女がいまして、 しばらく離ればなれに暮らしていたんですけど、 成長してから再会したりして、彼女はなかなかかっこよかったりして、 けっこういいフンイキなのでありますが、 ちょっとした都合で、私は大金持ちのお嬢さんに求婚するハメになります。 で、そこでちょいとした事件がありまして、大金持ちの深窓の令嬢と結婚するか、 それとも、幼なじみの気心の知れたちょっとワイルドなおねーちゃんと結婚するか、 二者択一を迫られるのであります。 ドラクエですので、ここは、シナリオさんが決めずに、 私(プレイヤー)が結婚相手を決定する事になります。 話の流れから言うと、 ふつうは幼なじみのしっかりねーちゃんとハッピーエンドになるフンイキなのですが、 私は「ここまできたら、やっぱりお金持ちのおねーちゃんがいいじゃん・・・ けっこーマジで惚れられてるよー!」 と思って、令嬢と結婚することにしました。 (「本当にいいんですか?」と、何度も確認されるのですが、 「本当にいいんです!」 という事で結婚したのであります。) 彼女のお義父さんも私を気に入って喜んでくれまして、 なにしろお金持ちのお嬢さんなので、 お義父さんも、婿の私に高い鎧を買ってくれたりして、至れり尽くせりなんですが、 なにしろこのおねーちゃん・・・今は私の妻なんですが・・・ 深窓の令嬢なもんで、とにかく力が弱い! 戦闘能力がない! 冒険の役に立たない! 冒険家の妻なのにレベルなんかめったに上がらないし、 上がってもほとんど強くならない! 本人「ごめんなさい」なんて謝るんですけど、どんどん足手まといになったりして、 まぁワタシも自分で好きで選んだ妻ですから、 あんまり冷たくするわけにもいかず(トホホ・・・) そのうち、このナサケナイ妻が何となくかわいくなってきたりして (これほど超役立たずのキャラクターも珍しいぞ!)、 妻をかばいながら、何とか冒険の旅を続けていたわけです。 −−−で、そうこうしている内に子供ができましてね、 (弱いおねーちゃんが倒れるから死ぬのかと思ったぞ・・・! つわりなのかよ! ・・・ドキドキ) 大事件もいろいろ起きて、月日は過ぎて、 物語の最後の最後あたりになると、 妻とワタシと家族全員が悪魔と戦うということになるのですが、 それまでずっとひ弱だった妻がいきなり 「私、子供とあなたのために強く生きますっ!」 と宣言して、 いきなり堰を切ったようにガンガン強くなる!(うわぁぁぁぁ!) で、 女は弱し、されど母は強し を、地でいったような、ものすごいスパートで、 もう夫の私まで追い抜いて(おいおいっ) 最後はほとんど彼女一人で魔王を倒してしまいました。(おいおいおいーーっ!) ああびっくりした・・・!! で、この選択、メインゲームをやった後のおたのしみサブ企画だったようなんですが、 私ともう1人のゲーム友達は最初からこの「令嬢」の方を選択してしまい、 ものすごく満足してプレイを終了しました。 後で 「幼なじみの方と結婚したら、どうなるんだろう」 と、 再度やってみたのですが、 問題なくサクサクと成長してしまうのがなんだか凡庸な気がして、 今ひとつ満足できませんでした。 さてもう1人のゲーム友達がいまして、彼女は幼なじみの方と結婚しました。 で、 「私は令嬢と結婚して、こんな風だったよ」 と報告すると、 では・・・というので、改めて令嬢と結婚してみたらしいのですが、 「あまりにタルくてやってられない・・・」 と、ザセツしていました。 やっぱり最初に苦楽を共にした妻が、誰しも忘れられないようです。 |
さて「泣かせのドラクエ」ですが、この「幻の大地」は、 中で最も悲劇的な調子が強く滲み出たシナリオで、 北欧神話の陰鬱な終末観を思わせるような印象もあるのですが、 この回は、あまりに見事な演出が仕掛けてあって、 途中でちょっと立ち直れないくらい泣かされてしまいました。 この手際の見事さには、私なんかだと太刀打ちができません。 ドラクエ6はスーパーファミコン用のソフトでしたので、 その後再発売されて現在の環境下でプレイできるようになっているかどうか、 今ちょっと確認できませんが、もし現在もプレイできる状況のようなら、 一度実際にやって、驚いて頂きたいと思います。 さて、ドラクエでは、敵である「モンスター」たちの印象が強烈です。 <1>の時からすでに「スライム」と「キメラ」という、 強烈な2大キャラクターが出現しているのですが、 「キメラは西洋伝説で知ってるがスライムとはなんぞや???」 というのが、 当時あまりまだゲームに馴染んでいなかった私の深い疑問でした。 いまだによくわからない私のような方がいらっしゃるとなんなので 説明しておきますと、スライムというのはああいう ”まん丸でつるつるでてかてか” のバケモノではなくて、 ゲル状というかぬちゃぬちゃというかドローというか、 葛で作った透明の水まんじゅうのような(おいおいっ!) でろでろの不定形バケモノの事です。 それがなんでああなっちゃったんだろう・・・という感じですが、 鳥山明さんの画力爆裂状態であります。 スライムの簡潔なフォルムと表情は、 遠くの山を背景に出現したキメラの美麗さと共に、 <1>をプレイした人には 「一生忘れない・・・」 というくらい強烈な印象でした。 (私はずっと「たけざお」でつついてました) ・・・で、ここまではキャラクターデザインの勝利という感じなんですが、 ドラクエの町に、福引きの交換所とかいろいろなイベントが出現し始めた頃、 町から少し行った森のあたりに「オークキング」というモンスターが出まして、 絵を見るとヘンな服を着た太ったイノシシなんですが、 これを倒すと、たまに 「ふくびきけん」 を持っているのであります! 「なんでこんなもん持っているんだろう・・・ もしかして、こっそり人間に混じって福引きしに来てるんだろうか・・・ それとも、カラスがガラス玉やビニールハンガー集めるみたいに、 単にオークキングの収集癖を刺激して、そのへんに落ちてたり人が持ってたりすると、 盗ってきて集めるだけなんだろうか・・・???」 「ふくびきけん」 を手に入れながら、ずっと考察したのを覚えています。 で、そのうちに出会ったモンスターを仲間にできるようになって、 モンスターの収集に熱中するという遊びも流行ったんですが、 私はどうしてもメタルスライムを仲間にすることができませんでした。 何百匹も倒したのに、ついに「なかまにしてほしそうなめでこっちをみている」 と言われることはありませんでした。 今でも悲しいです(おいおい)。 |
さて、この記事を書いている時点ではまだ<7>は出ていません。 例によって発売がのびているのであります。 私はプレステを持っていないので、 発売になったらプレステ2を買ってこようと思っています。 気に入ったゲームは極端に長くプレイする癖があるので (平均で3ヶ月から半年以上) 今回もそれくらい楽しめたらいいなと思っているところです。 遅くてもいいから早くでないかな・・・というのが、 ドラクエファンの心理ではないでしょうか。 |
プレイしたことのない方は、「悲劇のFF」 と 「泣かせのドラクエ」 ってドコが違うの?? とお思いでしょうが、 FFの中で私が1番好きだった 「FF2」 の例を取って言いますと、 「これでもかこれでもかこれでもか」 という感じで、 悲劇が主人公達を津波のように襲い続けるのであります。 主人公達を助けようと、 自分が岩に押しつぶされて犠牲になって死ぬかわいそうな人もいれば、 超美形の魔術師さんは、究極の魔法を手に入れるために、 扉を破ろうとしてまた犠牲になるというありさまで、 いわば 「悲劇の上に悲劇が重なる」 というようなドラマチックな展開なのですが、 とにかくものすごい悲劇的な状況の連続で、それが切れ目なく、 なおかつ何か起こるごとに、 前よりも悲劇の度合いが加速度的に増していく・・・ というものすごい切れ味のシナリオで、 私は途中 「ここまできたら、もういくら何でもこれ以上不幸な出来事は、 この作者でも思いつかないだろう・・・」 と安心していたら、まだまだどんどん最後まで、 切れ目なく悲劇のエントロピーが増大し続けたので、 ひたすら感心し感動して、驚きまくった記憶があります。 ちなみに、悲劇は度をすぎると喜劇になるのですが、 FFの場合、ラインすれすれというよりはすでにシュールの域に入っていて、 悲劇を描いているからといって 「か・・・かわいそう!」 と思わず泣いてしまう、というような事はないのですが、 なにかボーゼンとしてひたすら感動してしまう・・・ というような、ある意味でちょっと前衛的な展開になります。 不幸だっていうからにはここまで徹底的にやらなきゃウソだろう! の、見本のような突き抜け方で、爽快というか、非常に面白いのであります。 で、このゲームにも素晴らしいキャラクターがいまして、 乗ると走ってくれる黄色い鳥の「チョコボ」というのが、 かわいくてダントツの人気者なのですが、 私はこのゲームに出てきたドワーフさん達が、もうあまりにかわいくて、 プレイしながらクラクラした覚えがあります。 しつこくそこばっかりプレイしていて先に進まなかったりして・・・(おいおい) で、中にパーティーのメンバー(自分たちの一行の事です)が、 みんなして動物さんの着ぐるみを着て、 敵の本拠地に進入するというイベントがあったのですが、 同時にプレイしていたゲーム友達が、 「こいつら、このものすごい危機の最中にこんな格好で戦うなんて、 人生をなめているとしか思えないぜ・・・」 と言いながら、大喜びでプレイしていたのを覚えています。 悲劇というのは、喜劇と薄皮1枚のところにあるというのが私の認識ですが、 <悲劇のFF>は、そのとおり、ものすごい悲劇的なストーリーを展開しながら、 ひらりとギャグをくっつけてしまう。ベースが重いドラクエと違って、 常にあっけらかんと華麗なシナリオ展開を見せるという、 いかにもプロフェッショナルで、華やかな悲劇を展開するゲームです。 それと、特筆すべきは、ドラクエと違ってあまり発売日が遅れません(私の知る限りでは・・・) まるで昔のファルコムのようなきっちりさで (ファルコムは主にパソコン用ゲームソフトを出す会社ですが、 人気会社なのに発売日が遅れないので有名でした) 商品が発売されるので、 「すごいなぁ、こんなにコンスタントに仕上げられるなんて!」 と感動した覚えがあります。 ドラクエとFF、どちらも飛び抜けてクオリティの高い作品群なので、 まだ試したことのない方は、両方に挑戦してみられる事をオススメします。 |
調子に乗って書いておりますが、ドラクエ各部分の再プレイ確認をしていません。 記憶で書いているので、覚え違いとか「それはその回じゃないぞ」 なんてミスがあるかもしれないです。 「しょうがないなぁ」 と、笑って許して頂けるとありがたいのであります。 |
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