この人の青春モノってほんっとうまいなあ。今まで読んだのはファンタジーやホラーの要素を含んでいたものだったけど、この作品はミステリ味で、また趣が違う。いずれにしても学校という空間を描かせたら右に出るものはいない。
冬休みに入った寮に居残った少年たちの七日間を描いていたもので、彼らにはそれぞれ家に帰らない理由があり、人に踏みこまれたくない領域を心に持っている。彼らは共同生活で徐々に打ち解け、お互いのことを知るようになる。彼らの暮らす寮は、まるで世界のはしっこで誰からも忘れ去られたような場所、子供だけの世界だ。
なんていうのかなー、まだ大人とは認められない無力な時期。もう一人前にものを見る目は備わっているにもかかわらず、子供という領域にいて大人になにかを求められるばかりの時代。半人前扱いをされながら、それでも一人前に苦渋を味わうことだってある。その歯がゆさとか悔しさ憤りって、すごくよくわかる。けれどそれとひきかえに、素晴らしく無駄で楽しい子供の時間がある。その明暗を抱えた危うい時間と空間が、この物語の寮生活七日間につまっている。
(01/08/09)