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第一回テーマ・・・「出会い、そして・・・。」のストーリー報告です。ご感想・ご意見何でも結構ですので何かありましたらご連絡ください


効果音「タッタッタッタッタ・・・・」  

松田「ふぁぁ・・・今日も暇だな。どこかにスポーツ界のスーパースターの卵でも転がってねえかな・・・ん?」  

効果音「タッタッタッタッ・・・・ヒュンッ!!(すごいスピードで走り去る少女!)」  

松田「・・・・すげぇ。な、何なんだ今のは!!何者だぁー!?」  

柔「(学校に遅刻しちゃう。急がなきゃ!)」  

松田「(ボーッとしてる)・・・ああっ見失っちまった。どっかの陸上選手か?それにしてもスゲェ足だ」  

効果音「キーンコーンカーンコーン(学校のチャイム)」  

柔「あー間に合った!」  

花園「おはよう猪熊!今日も元気だなぁ。人間元気が一番だな!はっはっは」  

柔「花園君はいつも元気よね!」  

友人「もうすぐ柔道部、試合があるのよね。」  

花園「そうともさ!我が弱小柔道部なれど、試合は全力でやるものです!!青春は熱血だぁー!!はっはっは」  

柔「(・・・柔道なんかのどこが楽しいのかしら?)」  

友人「柔?どーしたの暗い顔して。悪いものでも食べたぁ?」  

柔「「ううん。何でもない。」」  

花園「とにかく今年こそ一回戦突破するぞ!」  

柔「・・・・・・(ため息)」  

効果音「その日の夜、猪熊家。」  

滋悟郎「遅いぞ柔ー!!今日は乱取りの稽古ぢゃ!!着替えて来んかい!!」  

柔「今日は宿題があるからまた明日ね!じゃあね」  

滋悟郎「待てぃ柔、日々の鍛錬こそ国民栄誉賞への道なのぢゃぞ!!」  

柔「私ね、柔道なんてしたくないの!」  

玉緒「皆、ご飯の支度ができてますよ〜。」  

滋悟郎「ほほー玉緒さん、今日の夕飯はなんぢゃ?」  

松田「はぁ、今日も徹夜か・・・。・・・、そういえば今朝の女の子は本当に誰だったのかな?」  

邦子「あ、松田さん!今度新しく配属されたカメラマンの加賀邦子でぇっす!邦ちゃんって呼んで下さい!イエーイ☆」  

松田「く、邦ちゃんだぁー!?(汗)なれなれしいなー何だい君は!?」  

邦子「何って、カメラマンなんですってばぁ。これからヨロシクね先輩!」  

松田「ハァ・・・変な子が来ちゃったな。あれ、まさか俺とコンビ!?やだなー」  

邦子「ん?なにかいいました?」  

松田「・・・・なんでもねぇ。あ、加賀くんよろしくな」  

邦子「やだー!邦ちゃんって呼んで下さいよー!うえーん」  

松田「ばっ・・・ばかやろ〜!んなこと言えるか!」  

邦子「先輩コワーイ!あたしこんな人と一緒に仕事できるかしらー!?」  

松田「それは俺のセリフだ!こんなんなら、俺一人で仕事やった方がましってもんだ!」  

効果音「その時、松田の元に柔の母・玉緒から電話がかかってくる」  

松田「あ・・・。柔さんのお母さん。どうかしたんですか?」  

効果音「A(ん?松田さんなぜ柔ちゃんを知ってるの?)B(説明しよう!!あれは数日前の事・・・)」  

滋悟郎「(接骨院にて)・・・完治ぢゃ。猫背で腰痛とは典型的な職業病ぢゃのお前。どこぞの新聞記者とな?」  

松田「え?ああハイ。日刊エヴリースポーツです先生」  

滋悟郎「(キラーン☆)ほほーうスポーツ記者とな。お前、柔道は好きか?」  

松田「ハイ!昔から山下選手のファンで、こう見えても俺、柔道を見る目に自信あるんですよ!」  

滋悟郎「ほーほーほー。んぢゃちょいといいモンを見せてやろう。おい、柔!!」  

効果音「ガラッ(隣接した家から顔を出す柔)」  

柔「なぁに?おじいちゃん。あたし勉強で忙しいんだけど・・・」  

松田「先生、誰ですこの子。先生のお孫さんですか?中学生かな・・・」  

柔「(むっ!)あたし高校生です!!失礼な人ですね、用がないならこれで!!」  

松田「あ、行っちまった・・・。悪い事言っちゃったかなぁ」  

玉緒「ごめんなさいね松田さん。あのコは娘の柔ですわ。普段からよく子供に間違えられてるのよ」  

滋悟郎「松田よ。今のうちからあやつに目をかけておくと、そのうちドえらい光景にお目にかかれるぞ!!楽しみにしておれ、ほぉっほっほ!!」

松田「・・・・??ハ、ハァ・・・」  

効果音「A(とまぁ、こんな縁があったワケ。で・・・)B(玉緒さん、なんて言ってるの?)」  

玉緒「松田さん?実はうちのおじいちゃんが、あなたに相談したい事があるんですって。柔道の事なんですけど・・・よろしいかしら?」  

松田「接骨院の・・・猪熊先生が?(ん?猪熊?柔道・・・?)ええいいですよ、明日そちらにうかがいます!あ、ところで柔さんまだ怒ってたりしませんか?」  

玉緒「いつもの事ですから気にしてないと思いますよ?じゃあお願いしますね」

松田「(電話が切れる)・・・猪熊・・・柔道・・・うーん?調べてみるかなぁ」  

邦子「松田先輩ー!!お腹すきませんー!?なんかオゴって下さいよー!!」  

松田「うるさいよー!!ひとりで勝手に食ってこい!!(・・・あれ?そーいや今朝の女の子、先生の孫に良く似てた・・・はは、まさかぁ。そんな偶然が)」  

邦子「ウワーン!先輩あたしの事嫌いなのねー!そんな邪険にしなくても〜!!」  

松田「わ、わかったから泣くなって!」  

邦子「なら、なんかおごってくださいよ〜!」  

松田「かっ、缶コーヒーでも飲むか、、、、」  

邦子「缶コーヒいやー。喫茶店で紅茶のみたーい。耕作と!」  

通行人「、泣かしてる」  

松田「こ・・・耕作だぁ!?先輩と呼ばないか!初対面のくせに。ったく馴れ馴れしいー!!(怒)」  

効果音「散々な松田である。翌日、猪熊接骨院にて・・・」  

滋悟郎「来たか松田よ。実はスポーツ記者のお前さんに折り入って相談があっての」

松田「ええ、僕もあなたにお聞きしたい事がありましてね、猪熊七段!」  

滋悟郎「わしゃあ八段ぢゃ!!・・・ほう、早速調べたか。まるでハイエナぢゃの」  

松田「著名な柔道家であるあなたが、柔道を捨て一接骨医で余生を過ごしている・・・と、傍目には見えますが、実は違うんじゃないですか?猪熊さん」  

滋悟郎「(キラリ)・・・ほぉ?そう言い切れる根拠はどこにある?松田よ」  

松田「お宅のお孫さんですよ、猪熊柔さん。俺たまたま見たんですよ、あの異常な運動神経の一端を。あのコなら・・・楽々出来ますよね、柔道!」  

滋悟郎「ご名答ぢゃ。しかしちーーーーとばかり問題があってのぉ・・・」  

松田「何が問題なんですか?」  

玉緒「柔道・・・嫌いなんですよ、あのコ。一応稽古はするんですが・・・」  

松田「そ、そりゃあもったいない!!あんな逸材が・・・そうか、柔道嫌いなのか、あのコ。俺大好きなんだけどなぁ・・・」  

滋悟郎「そこでぢゃ。マスコミのはしくれであるお前さんに相談があっての」  

松田「端くれで悪かったですねー」  

滋悟郎「柔の、センセーショナルな柔道家デビューを手伝って欲しいのぢゃ!!理想としては一流紙や一流テレビでヴァーーーッと飾りたいのぢゃが、このままではにっちもさっちも行かん。バルセロナ五輪まで間に合わん!!」  

松田「バ、バルセロナ・・・女子柔道が正式種目になるバルセロナですか!すげー!」  

滋悟郎「まだ正式とは決まっとらんが、それには柔とお前さんの力が必要ぢゃ」  

松田「わかりました!そういうことなら何でもやります!」  

滋悟郎「(ニヤリ)じゃあ早速柔の生態について調べ上げい、松田よ。その目で柔の全てを知るがよい!!・・・ただし手は出すなよ」  
松田「へ?手を出すって・・・やだなぁ、あのコ子供じゃないですか!馬鹿言わないで下さいよ、まったくもー」  

滋悟郎「意味が違うわぁ!!柔の前で記者としての正体を出すなと言う意味ぢゃ。お前は柔の影になるのぢゃ、なって柔の背後から柔道界に向かって背中を押せぃ!!」  

松田「・・・んな無茶な〜!一体どーしろって」  

滋悟郎「そんなこたあ、自分で考えんかい!」  

玉緒「私からもお願いします松田さん。あのコには柔道の素晴らしさがわからないんです。どうか柔に教えてやって下さい・・・」  

松田「は、はぁ・・・(とんでもない難題を押し付けられた気が?)」  

効果音「こうして柔をスパイする羽目になった松田であった。」  

松田「とりあえず学校に来てみたけど・・・柔さんってどんな子だったかな?顔はあんまり覚えてないんだけどなー」  

友人「柔ー、今日の水泳!あんた昔泳ぎ早かったのに、今は全然ダメじゃない」  

松田「(え、柔!?マズイ、隠れなきゃ)」  

柔「昔って小学生の頃じゃない!みんなが遅かっただけよ、きっと」  

松田「(柔さん・・・。違う、君はみんなの前で正体を隠しているんだ。俺は知っている!)」  


邦子「松田先輩なにやってんですかァ?」  

松田「わー!!加賀くん声が大きい!!隠れなさい!!」  

邦子「(コソコソ)わ、松田さん女子高生の追っかけですか?スケベ!」  

松田「うるさいな!彼女はただの女子高生じゃないんだ。次代のスーパースターになれるかも知れない金の卵なんだよ、あの猪熊柔ってコは!」
 
邦子「ふーん、よくわかんないけどスゴイ子なのね。で、あの中のどれ?」  

松田「あの中学生ぐらいの小さい娘だ。普段はその実力を隠してるんだ!」  

邦子「スターの実力?歌でも歌うんですか彼女?あの地味な顔じゃ売れませんよ〜」  

松田「歌手じゃないよ。彼女は柔道界でスーパースターになるかもしれないと言ってるんだ!」  

邦子「柔道〜!?あのちっちゃい子が!?ウッソー」  

松田「いや、彼女ならきっとやれる。だが・・・(彼女は柔道嫌いなんだよなあ)」  

友人「じゃーねー柔。また明日ー」  

柔「うん、またねー」  

松田「(よし、追うぞ加賀くん!カメラ持てよ!)」  

邦子「(松田さんって人使い荒ーい!邦ちゃん困るゥ〜)」  

効果音「こそこそこそ・・・(柔の後ろを尾行する松田と邦子)」  

柔「(なんか視線を感じるなぁ。チカンでもいるのかしら?)」

通行人「キャーーー!!引ったくりよぉぉ!!誰かー!!」  

柔「!!」  

犯人「どけどけェ!!オラァ!!邪魔だぁ!!」  

松田「なんだなんだ!?と、とにかくカメラ構えろ加賀くん」  

邦子「はぁーい先輩(なにがあるってゆーのよォ。ブツブツ)」  

効果音「タッタッタッタ・・・・」  

犯人「どけどけぇ!!そこのガキー!!」  

柔「・・・・!!(構える)」  

松田「来るぞ!!加賀くんシャッターを切れっ!!」  

邦子「う、うん(ゴクッ)」  

犯人「!!!!」  

効果音「グアアアアーーッ!!(柔の巴投げが炸裂!!)」  

柔「・・・・フン、誰がガキよ。失礼しちゃうわ!」  

松田「スゲェ・・・・。か、加賀くん・・・・撮ったか?」  

邦子「変なアングルだけど撮れましたよ先輩・・・・」  

通行人「あ、ありがとうお嬢さん・・・ってあれ?誰もいない・・・」  

警察「大丈夫ですかー!?引ったくりはどこですか!!」  

通行人「あの・・・小さな女の子がやっつけてくれたんですが、いなくなっちゃって。お礼が言いたかったのに」  

松田「よし、さっそく編集部に持ち帰って原稿書かなきゃ!未来のスーパースターをこの手で生み出してやる!」

邦子「デートしたいなあ」  

松田「(ガクッ)あ、あのな加賀くん。気が抜ける事言わんでくれよ〜」  

邦子「だぁってヒマなんだもーん。先輩でもいいや、つきあってくんない?」  

松田「なんだとー!?君にはプロ意識ってものはないのかー!?」  

邦子「あ、怒ってる〜。先輩でも、なんて失礼でしたねー!キャキャ」  

松田「・・・そうじゃない!!君にはあの少女の輝きが見えなかったのか!?それじゃあいくら写真撮ったって使いモンにならねぇ!!会社戻ったら即刻コンビ解消するからな、いいな!!」  

邦子「!!!・・・・う、う、う、うえぇぇぇ〜〜〜〜ん!!」  

松田「だぁ!?な、泣くな加賀くん!!ほら行くぞ(参ったなぁ・・・)」  

効果音「喫茶店にて。」  

邦子「すん・・ゴメンね先輩。あたしあんなに怒られたの初めてなの・・・」  

松田「い、いや俺こそあんなムキになっちゃって。あの猪熊柔ってコ、本当にすごかったんでつい・・・」  

邦子「でも先輩ステキだった☆・・・・・・あたし松田さんの事好きになっちゃった!!」  

松田「ブーーーー!!(コーヒー吐く)」  

邦子「今から先輩の事耕作って呼びますから。あ、結婚式はいつにする耕作ゥ?クスクス」  

松田「いきなり結婚かよー!?恐ろしい事言わんでくれ加賀くん!!」  

邦子「やだー邦ちゃんって呼んでよ耕作ゥ!あたし達もう他人じゃないんだからァ」  

松田「ぎゃあーー!!(と、とんでもないのに好かれちゃったな俺・・・)」  


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