墨出しと言っても墨を打つばかりではなく、レベルを使って測量をしたり、トランシットを使って位置を出してピアノ線を張ったり、毎日建物の内外を行ったり来たりしている。この日はまた変わったところに行った。

「ピットの計測に行きますよ。」 と、K村が言うので、どっか穴に下りてなんか計るんだろうぐらいの認識しかなかった。

詰所でK村は図面を広げ、向かいの机のU浅さんにどこのマンホールが開いているか確認していた。

 

 

図面を見ると、ピットらしきものがいっぱいある。

「40ヶ所くらいありますよ」

「ひえ〜」

ピットとピットの間は60センチ角の人通孔でつながっており、そこは這って移動するらしい。大柄な人は大変だ。

「いっぺん入ったらなかなか出られないからトイレに行きたかったら行っといて下さいよ。」

「わかった。」

 

 

入口と移動ルートを決めて、いよいよもぐります。

 

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