この夏の大雨で、上の田んぼからこの池に大量の水草が流れ込んできた。あめんぼが泳ぐのに少々つらそうだったが、この下の住人にはもっと深刻な事態だった。

この池ではいろんな生き物が暮らしているが、メジャーなところでは亀と鯉がいる。亀は数匹いて田んぼが始まるとのそのそと移動してそちらで暮らし、田んぼが終わって水が抜かれると、またのそのそとこの池に戻ってくる。亀がいる期間は、この写真の池の左に見える大きな石を手の平でぱしぱしたたくと、ゆらゆら集まってくる。

池のほとりで大きくゆっくり拍手をすると、普段は池の底の方でのんびりしている二匹の大鯉が、「なんだよ」ってな感じでのんびり顔をのぞかせる。

ところが今年はその二匹の大鯉が、いくら大拍手をしても出てこない。「?」と思って家の者に聞いたところ、このびっしりと敷き詰められた水草のせいで酸欠になり、二匹のうち一匹がお亡くなりになってお浮きあそばされたらしい。(水草のせいで池の中が酸欠状態になったりするのか???)

一匹が浮かんだ時に、あわててもう一匹を、上の山の方にあるきれいな堤に網で掬って放したそうだ。かくしてこの池には大鯉がいなくなった。ぼくが物心ついた頃からやつらは居たと思うから、三十年近くこの池で暮らしていたのか。(おっとトシがバレる。っていうか鯉ってそんなに生きるのか?)

合掌。・・・水草を掃除すべきなのだろうか。亀が戻ってきたら聞いてみよう。

 

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