イース

好奇心と勇気に満ち溢れた若い冒険者アドルは、困難を求めて諸国を旅していた。

そして、小さな港町プロマロックで呪われた国「エステリア」の奇妙な噂を耳にした。

「あの国が呪われた国と言われ始めたのは今から半年位前のことだった。エステリアは、巨大な穴を囲む断崖の山に、幾つかの坑道を持ち、銀や他の鉱物を産出地として名を知られ、このプロマロックとも貿易をしていた。

しかし、半年前から連絡がプッツリ切れ、またエステリアに向かう船はみんな嵐に出会い、誰一人として生きて帰ってくるものはいなくなった。」

港町からかすかに望めるエステリアの島、その中央に奇怪に高くそびえる塔、彼の好奇心は異常なまでにかきたてられた。


心配し制止する町人たちを残してアドルは、エステリアを目指して船を出した。

が、やはりというべきか突然嵐が襲って来、気が付いたときには、砂浜に打ち上げられていた。

ようやく体力の回復したアドルは、ここがあのエステリアであることに気がついた。

と、突然奇妙な音がした。動物の鳴き声にしてはその音は余りにも気持ちが悪い、異常だ、と思う間もなく森の中からこれまで見たことのないものが彼を襲ってきた。


どう戦い、どう傷ついたのか判らないまま、アドルは目をさました。

「ここはエステリア唯一の港町バルバドの病院じゃ。モンスターに襲われている君を見つけて何とか救いだしたのじゃ。危ない所だった。

ところで、君は誰で、どうしてここに来たのだね。」

白髪の老人に尋ねられ、アドルはこれまでの冒険や港町プロマロックの奇妙な噂などについて老人に話した。

やがて快方に向かった彼は、改めて老人に一体この国に何が起こったのか訪ねてみた。

しかし、老人からはただ突然怪物達が現れ人間を襲うようになったなだ、そしてその謎は、判らないという解答を得ただけだった。


ついにアドルは、決心した。

このエステリアを救うために、この謎を解くために、島奥深く冒険をしてみようと。

とりあえず、北の町「ミネア」に行ってみよう。アドルは、バルバドの町人から贈られた服と食べ物、そして1000ゴールドをもってミネアに向かうのだった。

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