ウルティマY〜偽りの預言者〜

ストーリー提供:ゆまさん

 余,名をロード・ブリティッシュという。この創造の国・ブリタニアの国王である。
さて,今回筆をとったのは,現在我々が直面している重要な問題を,我が国の英雄であり聖者(アバタール)である貴君に,よく理解してもらうためである。
今一度,この国の平和のために力を貸してほしいのじゃ。
思えば,過去において,魔の勢力が台頭し,この国が窮地の淵に立たされたことが再三あった。
そのつど余の求めに応えてくれたのは貴君であった。
つい最近も貴君は,「究極の知恵の写本」を地下世界から見つけ出し,余を地下迷宮から助け出してくれた。
では,これらの冒険の目的を明確にするためにも,これまでのこの国の歴史を,簡単に振り返っておこう。


●第一期暗黒時代
 この暗黒時代は,極悪非道の魔道師・モンデインの台頭に始まった。
危機を感じた余が勇者を求め,それに応えてくれたのが,ムーンゲートを通って初めてこの国を訪れた貴君であった。
モンデインの野心は,貴君の剣によってみごと打ち砕かれた。

●第二期暗黒時代
 その後の平和はつかの間であった。
というのも,モンデインの弟子であり妻である若き冷血魔女・ミナクスが,血に飢えた激情のままに暴れ出したからだ。
しかし,再び余の求めに応じてくれた貴君が彼女を倒し,ブリタニアの危機を救ってくれた。

●第三期暗黒時代
 モンデインとミナクスはこの世から抹殺されたが,彼らはとんでもない置き土産をこの地に残していった。
それが邪悪の子供・エクソダスだった。
人間でも機械でもないこの悪の波動を,みごと封じ込めてくれたのが貴君を含めた4人の勇者であった。

●アバタールの登場
 暗黒時代が過ぎたブリタニアは,8つの都市を中心に急速な文化発展を遂げた。
しかし,これらの文化的運動には,それを正しい方向へ導く手本が必要だった。
全ての徳の道を示すことができる聖者(アバタール)の出現が待ち望まれていたのだ。
それに応えたのが貴君だった。
しかも貴君は,難解な徳の概念を解き明かし,アピイスの地下迷宮から「究極の知恵の写本」を見つけ出してくれた。
なおこの写本は現在,その後の地下変動によってできたアバタール島の神殿に奉納されている。

●シャドーロードの陰謀
 ところが悪いことに,地底より「究極の知恵の写本」を持ち出したことが宇宙のバランスを壊す原因となり,結果,モンデインの暗黒の宝珠の破片から3人のシャドーロードを生み出してしまった。
余は地下世界の迷宮に監禁され,余の代理としてブリタニアを治めたブラックソーンは,悪念にとりつかれ圧制政治を始めた。
しかし,またしても貴君がこの危機を救ってくれた。
貴君は,真実と愛と勇気の三原理でシャドーロードを撃退し,ブラックソーンを失脚させることに成功したのだ。
そして,余の生還は大規模な地下変動を誘発し,地下世界の壊滅を引き起こした。

●現在・ガーゴイルの脅威
 地下変動の直後である。
それまで伝説の生物と信じられていたガーゴイルが突然,このブリタニアに攻め込んできた。
ガーゴイル軍団はまず,我々の神聖なる神殿を占拠し,小さな村や民家に深夜の奇襲をかけている。現在,ブリタニアの軍隊が必死の対抗をしているが,格段に体力が上回るガーゴイル軍に歯が立たない状態である。
 ガーゴイルの戦略を分析するに,彼らは何か重要なものを捜しているようである。
また,貴君の殺害をも目的にしているとの噂もあるが,その理由は皆目見当がつかない。
余は重ねて貴君に懇願する。
どうかこの国の最大の危機を救ってほしい。
 なお,今回の旅は,これまでにも増して真実と愛と勇気の無辺の智が重大なカギになろう。
なぜならば,この旅の終わりに貴君を待ち受けている運命が,太古よりこう予言されているからだ。
 『軍隊の力と,予言者の目と,聖人の心を持つものが現われる。この者により,闇と光の争いは終結に導かれる』
 貴君の運命が予言どおりになることを,余は願ってやまぬ。
万一貴君が挫折するようなことにもなれば,光は消え,世界は永遠の闇に閉ざされることになろう。
 健闘を祈る。

             ブリタニア国王
             ロード・ブリティッシュ

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