スクーン

ストーリー提供:nakaさん

―スイス国営テレビ―

「た、たいへんですみなさん!各国の大都市が次々に沈んでいます。」
「わ、わが国もキケンな状態にあります。」
「いま、私の膝が海につかりました。しかし、私はこの放送に命を賭けています。」
「地球を侵略にきたオトト星人が、極地の氷を溶かしていると地球防衛軍から発表されました。」
「かれらは、海の中に棲み、人を食用……ブクブク…」

―その半年前のオトト星にて―

―バンコラン宮殿―
「閣下、2週間ものお勤めご苦労様でした。奥様が第1食堂でお待ちでございます。」
「うむ。」
「さあ、早くしてちょーだい。もうすぐあの人が帰ってくるんだから。」
「オオッー!愛しのネルダ。」
「お帰りなさいませ。さぞお疲れでございましょう。あなたの好きなお料理を150品ほど作らせましたの。」
「ネルダ、ありがとう。しかし、ゆっくり食事をしている時間はないんだよ。オトト星はもうだめだ。旅立つ用意を。」

“大統領達は5時間後、地球へ向かう宇宙船の水タンクで、深い眠りについていた。”

〔残された人々は…〕
「あなた!起きて新聞を見て!恒星メトロの爆発でマンハムも、奴隷用マンも死んじゃったのよ。」
「ファニャーッ!それは大変だ。どれどれ、テレビのニュースを見てみよう。」
「地上は、イン石のため砂漠化しています。海の中は、今のところ安全ですがマンハムは底をつき、オトト星人は、餓死してしまうでしょう。」
「大統領達は、ミスオトトを連れて、オトト星を脱出した模様です。クソーッ、私とした事が、はしたない……。」

その一ヵ月後、オトト星は全滅した。大統領達は、地球にたどりつき、着々と地球侵略が進められた。

そのころ地球では、ならず者のナリキーンの乗り込む、海底探検艇スクーンが世界の海の金鉱脈を荒らし回り、美女をかっさらって悪の限りをつくしていた。

「がっはっはっ。金じゃ金じゃーっよーし、陸にあがって一杯やるでー。」
「おやーっ?陸地が見つかれへんなーっ。」
SOS……SOS……
「SOSオトト星人が極地の氷を溶かし世界を沈めた。そしてバイオ工場で手下を吐き出し、地球を奪おうとしているのだ。」
「何ゆうてるんや。わいはならずものナリキーンや。悪者が人助けなんかしてみい、お天道さまに顔向けでけへんわ。」
「そんなこといわずに助けてくれ!1万人がオトト星人の海底ドームに閉じ込めれている。やつらの餌食になってもいいのか?」
「ハハハ………それは魚の食いすぎのタタリジャーざまあ、みさらせーーー」
「地球防衛軍は津波やバイオ魚によって全滅した。そしてわがペンタゴンも壊滅しつつあるのだ。地球を救えるのは君だけだ。オトト星人を全てやっつければキミは英雄だ。勲章としてマンボーバッチを贈ろう!」
「ほんまか?それやったら人類愛でいっちょオトト星人やっつけたるか。」
「スクーンには9人しかつまれへん。わいのひょうたん島で迎えにきたらええ。燃料ぎょうさんつんどいてや。」
「了解、オトトの手下は手強いぞ。くれぐれも気を付けてくれよ。オトト星人のデータを送る。よく見て研究してくれ。」

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