迦楼羅王

魔神の復活
人は昔、魔神族と呼ばれる秘密の力を持った種族であった。



魔神の伝説

遥かな時の彼方、世界が3つのエリアで構成されていた頃・・・・天界は神々によって、地上界は魔神族によって、そして、魔界は魔族よって、統治されていた。魔族は戦いを好み、神々や魔神族を相手に長い間、戦闘を仕掛けてきた。特に魔族の王”ラバーナ”の力は強大で、天界も地上界も荒廃し、このままでは世界全体が壊滅してしまうかもしれないという事態におちいった。この危機に際して、神々と魔神族は一時的に手を結び、ラバーナと魔族を異次元空間に魔界ごと封印してしまった。
それから数千年、今度は神々と魔神族の間に戦争が勃発した。
魔神族は”鬼神八部衆”と呼ばれる将軍たちによって指揮され、神々と互角の戦いを繰り広げた。しかし、この戦争はあまりにも長い期間続いたので、互いに疲れ果てた神々と魔神族の間で休戦協定が結ばれることになった。

だが、魔神族の長で、鬼神八部衆の一人”アシュラ”だけが休戦協定に反対した。アシュラは好戦的な性格で、戦いの中にしか、自分の人生を見いだせないのであった。彼は異次元空間に封印した魔族を解き放ち、世界を戦いと混乱の日々に戻そうと考えたのである。
すでに戦いとそれにともなう荒廃に疲れ果てていた魔神族は、アシュラの野望を阻止しようと、地の底深く彼を幽閉してしまった。そのためには、自分たちの秘密の力を手放さなければならなかったのだが……。

魔神の力と引き換えに、地上界には平和な日々が訪れたのである。
力を失った魔神族の子孫たちは地上界で人間として生活を始め、時の流れと共に、神々や魔族の存在は伝説と化していった。
だが――歴史の裏側に、細々とではあったが、魔神の力を引継ぐ者もいた。


アシュラ 再び……

暗い地底の奥深く幽閉されたアシュラ――次元の裂け目から、彼のところに邪悪な思念が送られてきた。
それは魔族の王ラバーナのものであった。
「アシュラよ、戦いの神よ! 我が名はラバーナ。おまえたち、魔神族が異次元に封じこめた魔族の王じゃ!」
アシュラは答えた。
「ラバーナ……魔族の王……?」
「我らは間もなく復活する! 我が軍団と共に、恐怖と戦いの日々を地上に呼び戻そうではないか!」
「た・た・か・い……たたかい……戦い……戦いかーっ!」
「そうじゃ。この細い裂け目からでは、わしは抜け出せん。だが、わしの手下どもなら何とか、そちらの世界に送りこめるぞ!」
次元の裂け目から、無数の魔物たちが吹き出し、アシュラをつなぎ止めていた楔を食い破った。アシュラは身を躍らせ、自分の力が衰えていないのを確認した。
「ラバーナよ! 異次元の封印を解くには、魔神の地を引きし者が生贄として必要だ! 俺が必ず探し出してやるから、それまでおまえの軍団は預かっておくぞ!」
闇の中から、邪悪な気をまとった巨大な影が、地上目ががけて飛び出していった。


迦楼羅の旅立ち

伝説の魔神アシュラが現れ、魔界の怪物と共に暴れ回った。大混乱の地上界を救うためには、アシュラの力に匹敵する真の魔神の存在が必要であった。
しかし、魔神の血を引きし者の末裔は、次々とアシュラの手に捕らえられていった。今日もラバーナへの生贄として、一人の娘・ビシュヌがさらわれようとしていた。そこへ駆けつけた青年――迦楼羅。鬼神八部衆の一人”迦楼羅王”の血を受け継いでいるが、まだ、真の力には目覚めていない。
アシュラの一撃に、迦楼羅はあっさり気絶してしまう。気がつくと、魔神の祠を守る謎の老人・ブラフマが目の前に立っていた。
「迦楼羅よ! 秘密の力を手に入れ、アシュラを倒すのじゃ!」
「おう! 望むところよ!」
魔神としての真の力をよみがえらせるため、迦楼羅はブラフマ老人と共に修業の旅に出た!

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