フロントミッションシリーズ ガンハザード

2024年。人類は世界協和構想に基づき、地球規模事業で「軌道エレベーター」という超巨大建造物の着工に入った。

これは、地球の静止軌道にまで達するもので、シャトルの類をごくわずかなエネルギーで発着させるためのプラットフォームとして、また太陽エネルギー集積衛星からの一時的な蓄電システム(エネルギーダム)として、さらには特殊高分子素材の生成プラントとしての機能を果たすことを目的とするものであった。



着工から約12年間、この建造計画は順調に進み、世界の協調と平和のシンボルとして位置付けられた。この巨大建造物の構築作業の高効率化を計って、二足歩行型の作業機が実用化された……。

ところが、2036年も半ばを過ぎ、重水素による常温核融合技術の応用が具現化し、「軌道エレベーター」の建造意義が希薄となってしまう。

建造に参画していた一部の国は、離脱を表明。計画の続行と中止をめぐり見解は分かれ、この地球規模の大事業は一時中断を余儀なくされた。

2038年に入り、中東で極めて小規模な紛争が起こった。しかし、これに呼応するかのごとく各地で国家間をゆるがす事件が頻発し、国際関係は不安定な状況となる。

慌ただしくなった国連の平和維持活動には、ヴァンツァーと呼ばれる二足歩行型の装甲騎兵が、序々に投入されていく。

そして、ついに2064年、最も治安体制の整う北大西洋に面した平和の地、ベルゲン共和国首都「エミンゲン」に、新たな戦火が立ちのぼった……。

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