F−ZERO

ストーリー提供:霧海さん

「F−ZERO」とは……

西暦2560年代。人類はさまざまな異星人とのコンタクトを繰り返し、その結果として社会構造の基盤は地球的規模から宇宙的規模へと広がっていった。そして交易、技術援助、その他さまざまな文化交流が惑星感でとり行われるようになった。
20世紀後半、人類が地球外生物からの侵略に恐怖を憶え、彼らの宇宙空間移動機の事をUFO(未確認飛 行物体)と呼んでいたことなど、この時代の人間にとっては、大いなる昔話にしかすぎない。

この宇宙間交易等で莫大な財産を得た、元宇宙商の富豪家達は、その豊かな生活に満足しつつも、自分達の怠惰な暮らしに、新たな刺激を求めていた。そんな彼らに、あるプロジェクトから声がかかった。

「かつて地球上で行われていたF−1レースの様なものを、宇宙的規模で開催してみないか?」
彼らは当然のようにこの企画に飛びついた。ある者は都市の上空に、ある者はとても生物が住めない環境の小惑星に、次々と資産を投げ出し、サーキットを建設していった。
サーキットは、コースの両脇にある反重力ガードビームによって、最高のもので地上300フィートの位置に設置され、その上を走るマシンにタイヤは存在しなかった。
最先端の超磁力技術を駆使して開発されたマシンはコースよりさらに1フィート上でレースを展開するように設計されていた。

そしてグランプリは開催された。開催当初、人々はそのレースの残忍さに(主催者達は、サーキット上に様々なトラップを仕掛けたりした……。)憤りさえ覚えた。しかし次第に人々は、自分の中の興奮を抑えることができなくなっていった。彼らもまた、レースに自らの刺激を求めていったのだ。やがて男達にとって、このレースで勝ち抜くことが、宇宙の中で与えられる最高の名誉となるようになった。

そしていつしか、人々はこのグランプリのことを、「F−ZERO」と呼ぶようになった。

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