伝説の騎士エルロンド

ストーリー提供:潤さん

ジャローヌ地方にある小王国、メルラドには七人の姫がおりました。どの姫も金色の長い髪とエメラルドの瞳をもつ、美しい姉妹でした。

ある日のこと、紫色の衣装をまとい、肌は死人の様に青く、目だけがギラギラとかがやく、醜い老人が城へやって来ました。老人の正体は「暗闇と恐怖の森」のどこかにあるという「ヒュドラ城」に住む魔法使 いブラック・アニス。姫達をさらいに来たのです。

城には何人もの騎士がいたのにアニスの魔法の前にはひとたまりもありません。アニスは七人の姫全員と城の財宝までうばって風の様にきえてしまいました。その日からメルラド王国は深い悲しみにつつまれました。国王は国中におふれを出し何人もの力自慢の若者をヒュドラ城へ向かわせましたが、「暗闇と恐怖の森」に近づくにつれてほとんどの若者が恐怖にとりつかれ逃げ出してしまいました。

その中でたったひとりだけ残った若者。彼の名はエルロンド。
「森のどこかにある洞窟への入口から地中深く降りてゆくのだ。何種類もの洞窟をぬければ、ふたたび地上へとのぼる時が来るだろう。ヒュドラ城はそこにある。おまえは高い高い城壁をよじのぼり鍵をさがすだろう。城の奥の奥、自分のつめでどくろの形にくりぬいた、ぶきみな洞窟にアニスは住んでいる。アニスが死んだ時、洞窟は音をたててくずれるだろう……。」
エルロンドはついに森の中に足をふみ入れました。

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