ドラゴンズレア

モードロック城の奥深くから不愉快な悪臭が立ちのぼり、冷たく湿った真夜中の空気にとけ込んだ。邪悪な魔法使いモードロックが飼う、火吹き竜シンジが姿を現す前兆である。はるか地下深く、暗く恐ろしい洞穴に閉じ込められている王女ダフネを見張っている怪物の腐った息である。

ダークは城門に向かって、しっかりとした足取りで歩いていった。

彼は、恐れなど感じていなかった。恐怖心は臆病者だけのものであり、この国で最も勇気ある男には無縁のものであった。

彼以外のものは誰一人として、モードロックが不幸な王女を幽閉した恐ろしい城に、危険を犯して入ろうとはしなかった。それに、美しい王女ダフネに対する不滅の愛情に勝るほどの情熱の持ち主もいなかったのである。

他の取るべき道はない。今こそ英雄の活躍する時だ。

……そう、今こそ Dragon's Lair(ドラゴンの巣)に挑む時なのだ。

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