四季と和菓子の情報源 | 第002_01ページ |
ぼん・くよう(うらぼんえ) | |
盆供養(盂蘭盆会) |
[歳時/夏][民俗風習] |
故人や祖先の霊を迎えて供養する行事。7月13日の「迎え盆」には、提灯を持ってお墓まで故人の霊を迎えに行ったり、迎える各家で「迎え火」を焚く。迷いなく霊に帰ってきてもらうためとされる。以後、なつかしい御家にとどまってもらい、故人の好物など精進の膳食をお供えし、供養する。16日(地域によっては15日)には、「送り火」を焚くなどして、惜しみつつお送りする(*1)。 この間、仏壇に精霊棚(しょうろうだな)を設け、近親者参集してご僧侶に読経をあげてもらう。仏壇には、お迎えとお送りの日に白だんごを上げ、打菓子(らくがん)やおはぎ・おまんじゅう、故人のご好物などをお供えする。 〔由来〕 お盆は、釈迦が祇園精舎で説いたとされる仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)に由来する。釈迦十大弟子のひとり・目蓮がすぐれた神通力で亡き母を探し求めると、その姿は餓鬼道で逆さに吊るされてもがき苦しむ有り様だった。目蓮は釈迦のもとに駆けつけ、母の救済をたずねたところ、釈迦は「生前の罪深くして苦しみを招いた母をおまえ一人の力ではどうすることもできないが、夏修行の終わる7月15日に、多くの僧に供物をささげて供養せよ。そうすればおまえの母はもとより、七代にわたりことごとく救われよう」と諭した。 祖先霊を迎え送る土着の習俗と、この仏教思想が融合され、日本では「盆供養」が盛んになったのであろう。先祖の霊がなつかしい各家に帰るとされ、飢え苦しむ精霊(餓鬼)に供養し、自家の先祖と共に成仏できるよう、僧侶に報恩感謝のささげをする行事として、こんにちまで続いている。 〔新盆〕 故人の忌が明けた後、最初にめぐってくるお盆を「新盆」といい、ひときわ丁寧に供養する。近親者から寄せられる盆提灯を美しく飾り、精霊棚をしつらえ、白だんごを毎日取り替え、打菓子なども白色で揃えるなど、まだ別れてより日の浅い遺族がさびしさを慰めるためにも大切なひとときであろう。 〔お参り〕 盆供養の期間は、親しい人々でたがいにお参りし合う習わしがある。訪問客へのお引き物の用意をしておく。この際、表書きは一般に「志」とするか、「新盆供養」「盆供養」「粗供養」などとする。 (*1)東京では一般に7月13〜16日に供養するが、全国的にはひと月遅れの8月13〜16日に行う。 |
(関連図表=なし) |
<参考文献>「ご法要のしおり」山長本店広報室/1999 <関連項目>該当なし |
entry:2000-07-12/LV update:2000-07-12/LV |
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