紫陽花号 |
2000年 |
◆季節の御菓子 |
当店店頭に並ぶ折々の和菓子をご紹介いたします |
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水ようかん(→写真) 1コ¥130 くず桜(こし) 1コ¥130 山霧(こし) 1コ¥150 夏の人気bPの丸いくず菓子。のどごしツルルン、笹の青さが涼しい逸品です(当店創作)。 笹ごころ(つぶし) 1コ¥150 青のり風味の麩まんじゅうを笹に包みました。夏はこしあんに偏るので、あえてつぶしあんとしました(当店創作)。 |
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◆亀戸彩時記 |
山長休業日ご案内と、 |
水無月 (6月) |
5日(月)芒種 16日(金)嘉祥〔和菓子の日〕 餅や菓子を食べ、除災招福を祝う年中行事。室町から明治まで、宮中で嘉祥米1升6合が下賜された。武家でも主君から家臣へ嘉祥米が配られ、その答礼に菓子を献上することも盛んになった。庶民には「1+6」で7種類の菓子を食べる風習が広まった。全国和菓子協会ではこの日を「和菓子の日」としている。 18日(日)父の日 21日(水)夏至 23日(金)沖縄慰霊の日 日本で唯一地上戦の行われた沖縄の犠牲者を悼み、平和を祈念する日。 24日(土)天神市 25日(日)天神市 夏越祭(亀戸天神社) 30日(金)大祓え [7月] 1日(土)半夏生/香取大門市 7日(金)七夕/小暑 9日(日)浅草ほおづき市 [盆供養]12日お迎え〜16日お送り 20日(祝)海の日 22日(土)大暑 24日(月)天神市 25日(火)天神市/筆塚祭(天神社) 日ごろ使った筆を供養し、学問の上達を願う。 30日(日)土用丑(うなぎ) |
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6月(2000年)の休業日 |
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*反転部分が休業日です |
7月(2000年)の休業予定日 |
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*反転部分が休業(予定)日です |
◆山長味ばなし |
「和のこころ」にこだわって、 |
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西の京やまぐち |
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他人のお国自慢ほど、退屈なものはない。かもしれないので、恐縮しながら小声で申せば、私のふるさとは山口県山口市である。 山口市は人口わずか十数万の小都市だが、室町後期には、戦乱で荒廃した京都をしのぎ、西日本屈指の繁栄を誇っていた。領主の大内氏一族は代々、朱印船貿易の権益でなした富財を、京都を模した町づくりに惜しみなく注いだ。大内時代から今日まで「西の京」を自負するこの町で、脈々と製法を守り続ける茶人好みの侘び菓子が、外郎(ういろう)である。 小田原発祥として知られる外郎は、本来、頭痛をとり口中爽快にする漢方の「外郎薬」のこと。今でもこれを売る薬屋が小田原に残る。鎌倉初期に中国から渡来した陳宗敬が伝えたもので、陳氏が元の国で「大医院礼部員外郎職」を務めていたため、その名が薬に付けられた。 この妙薬があまりに苦いため、口直しに米粉・砂糖で作った元国なじみの蒸し菓子を添えて、宮中に献上したらしい。妙薬よりもその口直しの菓子が巷間に広まり、外郎餅になったのだとか。街道づたいに外郎菓子は広まって、小田原、名古屋、山口などで名物になった。あっさりした持ち味の外郎は、京都では春から夏にかけての上菓子に重用される。 さて、外郎は、菓子遍歴とぼしく山口での幼少を送った私にとって、唯一なじみ深い郷土の和菓子である。ただし、もっぱら土地のみやげとして客人に持たせる菓子だったから、「いただきもの」でしかありつけなかった。子ども心にはあまりパッとしない菓子だったのに、故郷を離れて年月を経てみると、朴とした味わいがやたらと恋しい。 |
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銘菓なればこそ、山口ではいくつかの店々がこだわりと工夫を競って、外郎を売り比べている。中でも、材料配合・製法とも質実さを貫いている点で、御堀堂(みほりどう)のそれが抜きんでているといえよう。もともと山口外郎の元祖は福田屋だが、とうに廃業してしまった。その伝統を残すのが、昭和2年創業の御堀堂である。というのは、御堀堂の初代は長らく福田屋で修業を積み、その秘伝を受けたからだ。それ以上に、今日ほど多様化する和菓子の世界にあってなお、ただひとすじ外郎のみで商いを続けている姿勢に、御堀堂の誠実さと自信をうかがい知ることができる。 御堀堂の外郎は黒・白・抹茶の三種類があり、中でも黒外郎の味わいは格別だ。特徴的なアズキの底味を、良質のわらび粉が引き立てている。見た目のツヤ感、持ち上げるとプルンと垂れ、かつ、口に入れるとコシがある絶妙の弾力。これを食べると香りに秀でた茶がほしくなり、茶を呑めばまたこれがほしくなる。お茶が主役で菓子が脇役、と明確に心得ているところに、御堀堂の黒外郎の奥深さがある。 少々持ち上げすぎか、やはり退屈な国自慢はほどほどにしておこう。 (隆) |
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●山口市への交通/新幹線小郡駅より電車・バス三〇分/山口宇部空港よりバス四五分 ●御堀堂・本店/山口市駅通り1―5―10/083・922・1248 |
◆本店だより |
山長・本店広報室よりご案内でございます |
葛切や昼を音なく母と居り 古賀まり子 |
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