山域 北海道 〈山行報告〉
 当初は、稚内まで飛行機利用により9/28中に鴛泊まで行く予定であったが、9/28午前中は台風が北海道を直撃するため、飛行機が欠航になり、あわてて予約し直した夜の便で千歳まで飛ぶ。

 札幌発22時の急行利尻に乗り、翌日6時、いかにも最果ての駅という感じの稚内に着いた。朝一番のフェリーで利尻往復し、最終フェリーで帰るという”強行軍その1”を考えた私は、鴛泊に着いたらすぐ出発できるようにフェリーに乗る前に準備する。天気は回復に向かっているが、利尻ピークは雲の中。

 余分な荷物をフェリーターミナルにデポして、9時に鴛泊を出発する。少し行くと、甘露泉という”日本最北端の百名水”の看板が出ている水場があり、喉を潤す。間もなく稜線に取り付くと、紅葉が見事。振返るとすぐ眼下に礼文島少し離れて野納布岬と宗谷岬、その左に遥かに霞む樺太が真っ青な海の上に広がっている。長官山の利尻岳小屋を過ぎ、鞍部を通るとあとは最後の急登。火山灰の歩きにくい道の両脇は樹氷。ガスと風の中、頂上を目指す。9合目の沓形分岐から程なく頂上。一瞬ガスが切れかかると、すぐ間近にローソク岩がそそり立っていた。沓形から登ってきた人に写真を撮ってもらい下山。

 利尻登りから鴛泊方面を望む   ガスの利尻岳頂上で写真を撮ってもらう   霧の中に聳えるローソク岩

トムラウシと北沼。べったりと付いた雪が堅雪となり行く手を阻む 利尻往復のあと、”強行軍その2”が待っていた。そのまま夜行で旭川から天人峡へ。9/30はヒサゴ沼避難小屋で泊まる。翌日、出発すると石狩岳からニペソツへと続く東大雪の山々から日が昇った。稜線に出ると旭岳方面が見えたが、上部は降雪のため真っ白であった。真下のヒサコ゛沼の向こうに沼の原の沼が朝日をきらきら反射しており、美しい。大小の沼の側を通り、北沼の右からトムラウシの頂上を目指す。最初は岩のゴロゴロする登りから、クラストした北斜面のトラバースに入る。 神遊びの庭から振返るトムラウシ 昨日小屋に一緒に泊った人のステップはあるのだが、今日はキックステップを切ろうにも歯が立たない堅雪である。 頂上の手前あと100mくらいの所のトラバースを何回か試みたが、ピッケルがないとヤバいので、ついに諦めて引き返す。10時小屋より下山。”神遊びの庭”から振返るトムラウシは、まさに天上の山だ。後ろ髪を引かれる思いで、またの再起を期してヒグマの爪痕に脅かされながら天人峡へ戻る。

山名 利尻山

トムラウシ山

山行日 91年 9月28日(土)〜
91年10月01日(火)
メンバー 単独
行動記録 9/28
 19:30 名古屋発
 22:00 札幌発

9/29 ◎
  6:00 稚内
  8:50 鴛泊
  9:50 甘露泉
 10:50 7合目下
 12:45 利尻ピーク
 15:55 鴛泊
 18:20 稚内

9/30 ◎
  3:22 旭川
  7:00 天人峡発
 10:20 第二公園
 14:15 ヒサゴ沼避難
     小屋

10/1 ○
  5:20 発
  7:45 トムラウシ直下
     引き返す
 11:00 化雲岳
 15:10 天人峡


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