〈山行報告〉
色々とあって肉体的・精神的疲労が蓄積されていたためか、早すぎる4時半に目覚めた後、また寝直すと既に6時40分で、
あわてて飛び起きる。自宅から1時間弱かかる集合場所の会社駐車場に7時では、物理的に間に合わない。仕方がなく、最善の策
としてサブリーダーの携帯に電話して、私だけ現地集合にしてもらう。リーダーである筈の私が、こんなことでは情けないが、
最近、つらくて朝起きれなくなっていることは事実だ。ともあれ、東名阪自動車道を飛ばして、四日市東で降りて、ガソリン道路
からミルクロード経由で、県道614号線に入る。カーナビがないので、県道の入り口付近のお寺の辺りでちょっと迷ったが、
西藤原駅、西藤原小学校の横を抜けて、皆より一足先にJAいなべ西藤原駐車場に到着。既に車が10台ほど止まっている。
その後も続々と登山者の車が来る。
移動性高気圧が日本の東海上に抜け、西から低気圧が近づいているため、天気は次第に下り坂。夜半過ぎには雨が
予想される。低気圧の接近に伴い、南寄りの風による暖湿気が流入するので地形性降雨の可能性も考えた。
コースは、聖宝寺から登り、藤原岳の展望丘(1140m)には行かずに、天狗岩(1171m)を往復して早春の福寿草を愛でるのが目的だ。
メンバーは会社山岳部19名の大所帯で、そのうち11名は最高齢70才の年末年始のキリマンジャロ登山隊のメンバーだ。正に、
キリマンジャロ登山隊、恐るべしである。
藤原岳は過去何度も行っているが、聖宝寺ルートは今回でまだ2回目。最初は、延々と続く聖宝寺への石段から始まる。
随所に、後残り何段との看板があるので親切。登り切った所に聖宝寺があり、満開の梅の花に心和む。ここから登山道に入り、谷筋を
登っていく。一部土砂崩れにより、迂回ルートができていた。藤原岳は石灰岩でできているため、降雨により石灰岩が脆くなるため
のようだ。巻層雲と一部の高層雲が空全面を覆い日差しはないが、暖かく山登りにはむしろ暑いぐらいだ。4合目で一本取った後、
6合目で最初の福寿草を発見、昨年の霊仙山以来の可憐な姿に思わず感激。この辺りから雪が残っており、7合目下から所々雪の
上を歩く。
8合目は、表道である大貝戸ルートから登ってきた登山者が合流し、大賑わい。長年、藤原岳に登っているが、
この登山道でこれだけの人を見るのは初めてで、我々と同じく福寿草を愛でに来る中高年の人が多いようだ。
ここに冬季のルートを示す案内地図板があり、左側に冬道へのトレースが付いている。今回は、暖かく積雪が激減しており、
また大勢の人に踏まれているので、夏道の谷筋でも問題なしと判断し、そのまま夏道を登る。ここから上は、所々福寿草の群生があり、
写真を撮る人が登山者の行列の進みを止めて
渋滞となる。かくいう我々のパーティーも、他の登山者と同様に早春の花の可憐さに酔い、渋滞の原因の一つとなってしまった。
リーダーとして最後尾を歩いていた私は、他4名のメンバーとともに先に行ったメンバーと分断されてしまい、トランシーバー交信で
サブリーダーと互いの位置を確認し合う。
9合目で冬季ルートと合流すると、あとは緩やかな登りとなり避難小屋で全員がそろう。
小休止の後、天狗岩に向かうが、思ったより人が多い。稜線上は、結構雪が残っており、今シーズンの積雪の多さを物語っている。
西からの低気圧の接近に伴い、予想通り南寄りの風が吹いているが、それほど湿気はないのか、天気は持ちこたえている。
雪を踏みしめ、所々に咲く福寿草に心癒されながら登ると、天狗岩に辿り着く。それほど広くないが、ここが藤原岳周辺の最高点だ。
頂上で全員写真を、各人のデジカメでとっかえひっかえ撮影し、避難小屋に戻る。
恒例となったぜんざいを作り、皆で美味しくいただく。
下りは、大貝戸ルートから。こちらが表道を称するだけあって、コースは聖宝寺ルートより歩きやすい。登山口まで下ると、真新しく
立派な休憩所と駐車場ができていた。ついに雨に降られることなく、JA駐車場に下山。この時期の藤原岳は、学生時代の鈴鹿全山縦走
で行っているが、あまりにもハードな行動のため、花を愛でる余裕もなかった。今回の登山で、鈴鹿の山の魅力を再認識できたのは
収穫である。このような新たな発見がある山登りを、今後も続けていきたい。
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