山域 | 鈴鹿 | 〈山行報告〉
山デビューした長男と登る今年最後の山として、鈴鹿の鎌ヶ岳、それも鈴鹿の縦走路としては一級品のルートである 鎌尾根を選んだ。このコースは、鈴鹿でも痩せ尾根で有名で、ザレ場あり、鎖場ありで、これが行ければ、まず大抵の夏山なら 行けると思ったからだ。私にとっては、鎌尾根は、学生時代に重いキスリングザックを背負って、2・3回縦走して以来である。 特に、1982年の鈴鹿全山縦走で鈴鹿南部から見た鎌ヶ岳の雄姿は、まるで北アルプス裏銀座の山から遠くに仰ぎ見る槍ヶ岳の ようで感動した記憶が鮮明に残っている。宮妻ヒュッテから少し登ったところにある駐車場に車を止めて、林道を歩き出す。 紅葉には少し早く、まだ緑色を残しているカエデの道を行くと、橋の手前に真新しい道が続いている。思わずそちらに行ってしまい、 行き止まりとなり引返し、橋を渡って正規の道へ。しばらくすると、水沢峠への分岐の標識が現れ、ここから登山道に入る。 入道岳中腹は紅葉真っ盛りできれいだ。分岐から1ピッチで水沢峠に着く。 水沢岳の登りで、早速、両側が切れた『馬の背』というザレ場が現れ、慎重に四つん這いで通過する。切れているのは、 ほんの数mで下の方に樹林があるのだが、花崗岩がもろく、落ちたら簡単に戻れそうにないので、安全第一とした。生意気言う長男も、 さすがにびびったようで、弱気になるのを励ます。水沢岳を越えた後、次の難所が待っていた。通称『茸岩』の下りが、また面白い。 まるで茸のような奇岩の間につけられた、急斜面のザレ場の踏跡をはずさないように忠実に辿って下る。これが、鎌尾根のルートの 一番の難所である(無雪期)。自分だけなら、さっさと通過するところだが、初心者を誘導するため、要所要所で立ち止まって、 細心の注意でステップの指示をする。しばらくは普通の縦走路が続き、段々、衝立岩と鎌ヶ岳が近づいてくる。衝立岩は、垂直に そそり立っており、一体どこから登るのかと思っていたら、一旦、左側(滋賀県側)を巻きながら下ってから稜線に登っていく。 特に問題なく衝立岩を通過して、いよいよ鎌ヶ岳の三角錐が大きく迫る。所々、片側が崩壊している悪場を過ぎて、岳峠に向かう下りが 最後の難所のキレット。右側をトラバースする鎖場とザレ場の下りを経て、ようやく岳峠に着く。ヤレヤレ一安心だ。ここからは、 鎌ヶ岳の正面の岩壁を巻いて右側のルンゼにつけられているルートを登り、ほどなく鎌ヶ岳頂上へ。よくやったと、長男と喜び合う。 |
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山名 | 鎌ヶ岳 | |||||||
山行日 | 06年11月18日(土) | |||||||
メンバー | 私、長男 | |||||||
行動記録 |
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