〈山行報告〉 12/28

冬山の感覚維持のためのトレーニングの目的で、年末の御嶽山に行くことにした。冬季としては、97年末に初めて
厳冬期の御嶽山に登って以来である。私が御嶽山に拘るのは理由がある。亡き親父に小学校の時、初めて連れて行って
もらった山が御嶽山。ご来光の美しさと、高山病でダウンした思い出が、私の山登りの原点である。午後から有休を取って、
御岳スキー場に向う。完全に凍った雪道に冷や冷やしながらスキー場に辿り着くと、満天の星空に冬の天の川がかかっていた。
明日の好天を期待して、車の中で就寝。
12/29 寒くて夜中に何度も目を覚ます。予報通り、かなりの冷え込みだ。朝起きると、車の中でペットボトルのお茶と朝食のおにぎりが
凍っていた。7時過ぎに中央アルプスから日が昇る。天気は快晴。しかし、頼りにしていたゴンドラが強風のため運行停止。
事前にスキー場の気象情報をインターネットで確認したところ、最低気温が-20℃となっていたので低温は予想していたが、
強風は予想外である。(冬型が緩む天気図からも) 仕方がないので、動いているリフトを乗り継いで行ける所まで行くことにする。
リフトを2つ乗って(第5リフト終点)から歩き出す。もう一つリフトが動いていたら、ゴンドラ終点まで行けるのだが、
このリフトが風に煽られているのを目の当たりにして、こりゃ無理だわなと納得。田の原に9時に着いたので、97年の時と
変わらない。しかし、ここからが大変。クリスマス前後の大雪で予想はしていたが、ワカンをはいても膝近くのラッセルが待っていた。
トレースが全くない。ということは、私が大雪以後始めて入山する登山者ということらしい。覚悟を決めて、一歩一歩進む。
七合目付近の鳥居の辺りが特に積雪が多い。(と言っても膝までだが)1ピッチ半も一人でラッセルをしていると、後ろから
単独行の人が追いついてきた。いいかげんバテてきたので、先に行ってもらう。
八合目の少し上で、ワカンからアイゼンに
はきかえる。振り返ると、八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスの大パノラマが展開する。段々風が強くなってきた。
王滝頂上付近からは雪煙が舞っており、そうとうの強風のようだ。登るにつれ突風が吹き、目出帽で覆っても頬が痛い。
ラッセルの疲れで、王滝頂上手前の急登ではバテ気味。強風をやり過ごし、少しづつ足を進めると、やっと王滝頂上に着いた。
97年の時よりも1時間45分も余分に時間がかかっている。このペースと、12時45分という時間と、稜線北側の烈風
(真っ直ぐ歩けないほど)から判断して、ここで引き返すことにした。当初の目的である冬山トレーニングについては
ワカンによるラッセル、アイゼン歩行の鍛錬ができ、十分に成果があったと思う。ラッセルについては、後から登ってきた
単独行の人に感謝された。下りでも樹林帯でのワカン歩行があり、体力をかなり消耗。よれよれになりながらも、スキー場に帰還。
とても充実した山行であった。
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