〈山行報告〉 8/6
今回は14年前の秋、時ならぬ積雪に敗退したトムラウシにどうしても登りたくて、会社の山岳部の夏山合宿に
参加した。私だけ1日早く下山するため、2日目はヒサゴ沼避難小屋から旭岳までの12時間近い強行軍だ。初めて訪れる
中部国際空港は、開港間もなく、広々として綺麗だ。9時に他のメンバー5人と集合、互いの健闘を誓い合う。千歳空港に
降り立つと、さすが北海道、湿気が少なく、なんとなく涼しい。ここでコンロのガスを調達する予定であったが、
事前調査であるはずの店で取り扱っておらず、あわてて近くにあるアルペン千歳店を探し出して、事なきを得る。
一旦、南千歳に出て、JR特急で新得へ。新得までの道中は、広々とした畑と牧場の他は、本当に何もない。新得のスーパーで
夕食を買出しの後、ジャンボタクシーでトムラウシ温泉へ向かう。1時間ほどで到着すると、駐車場は7割方埋まっている。
ここからトムラウシを往復する地元の人が多いようだ。
8/7
朝出発する直前に、団体さんのバスが3台もやって来たのには、タマげた。前回人っ子一人いなかった秋に来た私は
知らなかったが、トムラウシはこんなにもメジャーな山だったんだ。4:30出発、天気は晴れで、まずまず幸先良し。
尾根をひたすら登り、カムイ天上を通り過ぎる。旧道は、すぐに沢に下りるが、新道は更に尾根を登ってから沢に下りる。
雪解け水がゴウゴウと流れる音の誘惑に耐え難く、一本取る。顔を洗うと、とても冷たくて快感。しばらく沢を登ると、右手に
雪渓が現れ、そこを登る。今年は残雪が多そうだ。この辺りから、だんだんと空が曇ってきた。前トム平周辺の湿地は、
お花畑になっており、写真を撮りながら登る。
新人がバテてきたのか、パーティーのペースが次第に遅くなる。予定を
ちょっとオーバーして、11:20遂に念願のトムラウシ頂上に立つ。ガスのため何も見えないが、トムラウシの雄姿は14年前に
くっきりと目に焼き付いている。長年の思いを果たしてトムラウシを後にすると、やがて雨が降り出した。ガスで視界が
全くきかず、時々ペンキ印を見失う。メンバーの中で私だけが国土地理院の2万5千図を持っていたので、14年前の
記憶を頼りに、先頭に立って道を探す。パーティーの余りにも遅いペースに騙され、天沼手前の1840mコルをヒサゴ沼分岐と
間違え、偵察で余分な時間を食ってしまった。やっと天沼で現在地を確認でき、ヒサゴ沼分岐を見つけると、
メンバー一同ホッとする。雪渓のトラバースに冷や汗をかきながらも、小屋に着くと16時を回っていた。
ヒサゴ沼避難小屋は立派な小屋で、既に30人ぐらいの人が中にいた。
8/8
3:00起床。夜中に冷え込んできたので、もしやと思っていたら、案の定今日は良い天気になりそうだ。
昨日の進み具合と、コースタイムが当てにならないことから、私は旭岳を断念し、化雲岳から天人峡に下りることにする。
日頃のトレーニングと、2週間前のボッカトレで、体力的には自信がある。しかし、初日の余りにも遅いペースに
惑わされ、このコースを自分のペースならどこまで行けるかという距離感覚が全くつかめなかったのと、行ってしまうと
エスケープルートがないので、止むを得ない判断と思う。神様が、また大雪に来いということか・・・。トムラウシと
同じく、心から願えば思いは叶うと信じよう。ヒサゴ沼から雪渓を登ると、前方の稜線の向うから旭岳が姿を現した。
心軽やかに登り詰めると、程なく化雲岳に着く。見覚えのある化雲岳のピークから振返るトムラウシは、雄大の一言に尽きる。
思えば14年前にこれを見てしまったから、また今日ここに来ているのだ。大雪に向う仲間と固い握手を交し、一人天人峡へ
向う。最初、一気に下りてしまう予定であったが、花の写真を取りながら下りているうちに、1300m付近の第一公園から
眼前に仰ぎ見る旭岳の姿に感動し、一本取って雲が切れるシャッターチャンスを待つ。この辺りの湿原は、お花畑が
綺麗だ。前に来た秋の時には何もなく、どこが公園なのか分からなかったが、今日来て得心。ここからクロカンのように
気持ち良く飛ばして、10時天人峡着。バスが11:15なので温泉は諦め、一人ビールで乾杯!! 今回の成果を祝す。
↑ 上記画像をクリックすると、拡大パノラマが見られます。
8/9
今日もいい天気。午前中は、北海道大学でノンビリとする。そこの総合博物館に、万博で展示されている
マンモスの片割れの、尻尾や歯、牙などが展示されていた。昼からは、サッポロビール園へ行く。夕方、札幌の街を
後にして、一路名古屋へ。
|