空手との出会いと再開         Encounter & restart of karate

    私が空手を始めたのは、大学院時代の84年のことである。動機は、"空手バカ一代"の極真の大山培達 のマンガで、いつかは自分もやってみたいという思いがあったことと、直接的には、ヨーロッパ一人旅の計画の 一環として護身術としての武道をマスターしたいということからである。門を叩いたのは、名大の職員の方が大学の 体育館で開いていた名古屋大学空手道錬成会という、松涛館流の道場である。大学の体育会にも空手部があったが、 武道を全くやったことがない私には、敷居が高かった。

    週2回、基本と型、組手を2時間練習する。師範は、初心者の私にも懇切丁寧にご指導下さった。 当初の動機もどこやら、空手という武道にのめり込んで行く自分を感じた。大学院修士課程は2年間しかないので、 その間に黒帯を取るために毎日2、3人の仲間と昼休みに練習を続けた。その甲斐もあって、初心者の私でも なんとか大学院修了までに初段を取ることができた。

    86年に会社に就職してからは、マラソン・トライアスロン、山登りに打ち込んでいて、なかなか空手 再開の機会がなかった。01年に発症した異型狭心症のため、マラソン。トライアスロンの現役引退に追い込まれてから、 心の張りをなくし、精神的に落ち込んでしまった。それをなんとか打破しようとして、色々模索した結果、 心のよりどころの一つとして再開したのが空手である。空手の型の本(金澤弘和先生の空手型全集・池田書店 大変分かりやすくお勧めです)を買って、型を思い出したり、基本技 を毎日少しづつ練習したりして半年後の03年11月、有給休暇を取って、17年ぶりに名大の道場に顔を出すと、 当時と変わらない師範の姿があった。

    20才以上も年下の学生と一緒になって練習に参加した。さすがに17年のブランクは大きく、立ち方、 移動の足運びなどの基本が甘く、師範に丁寧にご指導頂いた。やっているうちに段々身体が昔の動きを思い出し、 移動基本、型、組手と2時間の練習をなんとかこなした。突き、蹴りの技を極める時、腹の底から気合を入れると、 日頃のストレスが跡形もなく吹き飛ぶような爽快感である。これをきっかけに、少しづつ精神的な強さが戻って きたような気がする。武道というものは、自分の心を見つめ、精神を浄化する作用を持っているのだと思う。 今後も、なんとか月一回のペースで練習に参加して、心の支えとしていきたい。

    最後に松涛館流の道場訓を唱和したが、これからの人生の指針となる良い言葉だと思うので、下記に記す。
            一つ 人格完成に努むること
            一つ 誠の道を守ること
            一つ 努力の精神を養うこと
            一つ 礼儀を重んずること
            一つ 血気の勇を戒むること
          (2004.1.1)


   昨年11月から空手を再開してから、精神的な強さが少しづつ戻ってきた感じだ。今も、月一のペース で練習に参加し、会社帰りにはほぼ毎日会社の体育館で一人汗を流している。メインアリーナと別のサブアリーナで、 定時後の遅い時間には誰も利用していないので、周囲に気兼ねなく、思いっきり"エイ!!"と大声で気合を入れると、 ちょっとしたストレスなど吹き飛んでしまう。よいストレス解消法を見つけたと思っている。

   最近、空手の技の奥の深さを感じるようになった。型一つとっても、一つ一つの技に何らかの意味が あり、また現役時代に覚えた平安初段〜五段、慈恩、抜塞大、観空大に加えて、今、燕飛、観空小を練習している。 どちらの型も飛び技があり、瞬発力が落ちている私には難易度が高いが、なんとかマスターしたい。

   師範に教えていただいた精神的・肉体的鍛錬法、腕立て500回、スクワット500回は、毎日はシンドイので、 週に一回は必ず実行するようにしている。また、屈伸前蹴り100回、回し蹴り100回も合せてやると、腰の切れが 少し戻ってきたような気がする。二段取得は年齢的に無理としても、生涯武道(スポーツではない)として、 これからも鍛錬を続けて生きたいと思っている。      (2004.3.14)

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