精神的な落ち込み         Depression

    事の発端は、99年7月に刈谷の本社から三重県の大安(員弁市)に異動してから、 新規製品の材料を担当し、忙しくなり仕事が終わるのが夜の10時〜12時は普通、 遅いと午前様で、24時間勤務も確か3回こなした。 土曜日も毎週のように出勤していた。しかも、本社の時は電車通勤だったが、 異動後は慣れない高速道路での車通勤(約1時間)のため、肉体的・精神的な疲労がたまっていた。

    およそ普通の人ではトライアスロンそのものを諦めなければいけない状態で、 フルマラソンは上位5〜10%、トライアスロンは上位1/3から真中と奮戦 (水泳が30才でカナヅチの状態から始めたので全く苦手で、殆どドベから、自転車、 ランニングで200人抜き!?)、仕事も趣味も体力の自信に裏付けられて、バリバリに 39才まで現役で競技生活をこなしてきて、今思うと本当に幸せな充実した日々であった。 (ちなみにフルマラソンは、中学の持久走ドベ2の状態から、猛練習しサブスリー(2時間台)を3回達成)

    それがある日突然、01年のトライアスロンのレースを2日後にひかえた金曜日の 会社での午前中の会議中、胸が苦しくなり冷や汗がタラタラ出て、その時はなんとか 我慢したが、昼休みに大安の診療所へ行くと心電図が明らかにおかしいと言われ、 2日後のレースを断念した。

    一週間後、休みを取って国立名古屋病院で循環器の診察を受けたところ、 医者から"明らかに異常だ。即、入院しなさい。"と言われ、10日間検査入院をして、異型狭心症の 診断を受け、"競技生活、及び自分を追い込むような運動は禁止!!"、追い討ちを掛け るように"仕事でも運動でも無理したら死ぬだけだ!!"とのコメントまでもらった。 更に、一時間も発作が続い たことと、心電図波形から、普通なら心筋梗塞で死んでいてもおかしくない状態だったそうだ。 (職場では笑い話にされてしまったが、鍛えに鍛えた並でない心臓のおかげで命拾いしたのかもしれない)

   それまで会社の山岳部のサブリーダーも務め、アフリカの最高峰キリマンジャロ(標高5895m) まで登った体力に絶大の自信を持っていたのが、この一言で跡形もなく砕かれたような気がした。 実にこれが、現在まで自分自身の体力に自信が持てない最大の理由となっている。 落ち込んだ気持ちのまま、02年1月にまた本社に異動。生甲斐をなくしたことと、 職場環境が変わったことから、本社異動後、うつ症状が発症した。 それから半年間、月一回有休を取って、国立名古屋病院の精神科に通院していた。 その後、いろいろと探した結果、現在に至るまで月2回、有休を取らなくてもいいように土曜日今の 神経科に通っている。(中には、一ヶ月休んで完治させるべしという過激な医者もいたが・・・)

   症状がひどくつらい時は、本当につらい。何をするのも億劫で仕方なく一日中寝ている。 寝て自分の意識を消すしか他に方法がない。生きているのも嫌になるぐらいだ。 全く、これで自殺する人の気持ちも理解できる。(幸い、思うだけで実行には至っていないが) 以前通っていた国立名古屋病院の山田医長先生によると、"うつは頑張ろうとしても頑張れない 状態で、その頭の疲労は気分転換で取れると思ったら大間違いで、眠ることによってしか疲労は 取れない"ということをおっしゃっていた。

   こんな現状打破のため、現在、新たな生甲斐を模索中である。もし、あとほんの少しの勇気と 自信が戻れば、もう少し何とかなるような気がする。 サラリーマンで100%体調が万全で働いている人はいないというのは、全くその通りだと思う。 私も、入社以来、仕事と趣味を両立させていた時代は、精神・身体が多少疲れていても、 相互補完というか、一方が他方の気分転換・休養になるという充実した気持ちで頑張ってきた。 今は、なんとかしたいという前向きな気持ちで生きてゆきたいと思っている。(2003.11.22)


   03年11月の週末に気分転換に思い切って、17年ぶりに母校の名大の空手道場の練習に参加した。 実は、なんとかしたいと思っていて、この半年前ぐらいから空手の型の本を買って一人練習していたのだ。 20才以上若い現役の学生と一緒に久しぶりにかいた汗は、なんとも言えない爽快感!! 精神的な 強さが少しづつ戻ってきた感じだ。今も、月一のペースで練習に参加し、会社帰りにはほぼ毎日会社の 体育館で一人汗を流している。メインアリーナと別のサブアリーナで、定時後の遅い時間には誰も利用 していないので、周囲に気兼ねなく、思いっきり"エイ!!"と大声で気合を入れると、ちょっとした ストレスなど吹き飛んでしまう。よいストレス解消法を見つけたと思っている。

   また、03年末に狭い公団暮しから遂に脱出、念願のマイホームに引っ越した。広々とした 開放感のあるマイホームで、南向きなので、朝起きた時、朝日を身体一杯に受け止めることができる。 そうすると体内時計がリセットされ、身体のリズムが戻ると言われているが、確かに、あれほど 毎朝起きるのがつらかったのが嘘のように、自然に段々と早くなってきた。今では、7時過ぎに ちゃんと目が覚める。うつには、朝日を浴びるのが効果的という話は、自分の体験から本当だと思う。

   もう一つ、私に変化をもたらしたのは、母からもらったウコンである。ウコンには、肝臓の 機能を高める効果があり、ストレスのため酒量が増えていた私の身体にとって良い結果をもたらした。 朝の目覚めをよくする効果もあるそうで、上記の"朝日を浴びる効果"と相まって、これまで午前中は 全然頭が働かなかったのが、"頭の中の霧が晴れた" もしくは"頭の上の重しが取れた"ように、気分 すっきりとして仕事に取り組めるようになった。強心効果もあるようで、狭心症の発作もぴたりと 止まって、心臓の不安もなくなった。

   3月現在、やっと"うつ"から脱出し、元の状態に戻ったようである。医者からは、まだ薬は 飲み続けて、しばらく様子を見るように言われているが、とりあえずどん底からの出口は見えた。 妻からは、"すごい進歩、朝起きれるようになってよかったね"と言われ、会社でも上司から、"最近 調子よさそうだね" とか"生き生きしている" "こなせる仕事のキャパ(量のこと)が増えたね" と 評価されており、周囲から見ても復活のイメージでとらえてもらっている。まだまだ油断はできないが、 ストレスを極力溜めないようにして、仕事、趣味と家庭とバランスの取れた生活を心がけていきたい。 (2004.3.14)


   それでも04年9月までは、日によってはストレスがモロに直撃し、調子が悪い時もあったが、 だんだん朝起きるのが苦でなくなってきた。なんだかよくわからないが、相変わらず仕事で夜遅いのに、 ぐっすりと眠り、夜明けとともに目が覚めるようになった。会社への出勤も、なんと10年振りに30分早出の 常連に戻った。薬とも縁を切り、今日、医者よりOKの診断をもらった。無理せんようにとの、但し書きつきだが。 思えば、3年半にわたる長いトンネルであった。"死"を意識したほど、どうしようもない時期もあったが、 今は霧が晴れたような気分だ。何が良くて、何が悪かったのか、今でもはっきりしないが、 晴天に霹靂の 心臓発作とともに死を垣間見ることにより、人生観が180度変わったのは事実だ。この歳月は、これからの 人生を歩む上で決して無駄ではなかったと信じている。(2005.05.02)


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