友人を渓流釣りに誘って



No 項目 内容
1 タイトル 友人を渓流釣りに誘って
2 投稿者のお名前 石井 英行
3 釣行日 2008年8月11日
4 都道府県名 東京都西多摩郡日原
5 川名 氷川日原
6 釣果 岩魚23センチくらい2匹、ニジマス16匹、ただでもらったのが20数匹。
7 タックル、仕掛け等 オーソドックスな餌釣り。餌は、ブドウ虫(蜂っ子)
8 記事  8月11日、船橋の釣り友だちI君と、渓流釣りが初めてという八王子の友人M君の三人で、日原に行きました。癌の手術後、はじめての釣行です。5年ぶりでした。

 旧盆の前日のためか、日原は家族ずれが数組居たものの比較的静かでした。 船橋組の二人は、管理釣り場でない渓流で糸を垂れようとしたのですが、初心者のM君に釣りの楽しさを味あわせてやろうと、あえて今回は管理釣り場を選びました。

 釣り道具を持たないM君のために現場で仕掛けをつくってやり、ブドウ虫の餌までつけて先に河原に行かせました。そのあとゆっくりと自分の仕掛けを作り河原に降りてみると、I君はすでにニジマスを2匹釣り上げていました。

 M君は初心者の誰もが体験するように、木の枝に糸を絡ませ、なにすることもなく、じっと考え込んでいるのです。 「糸を引っ張れよ」と言うと、糸を手に持って引かず、竿を弓なりにして力いっぱい引くのです。 「おいおい、止めてよ!その竿高いんだぜ、折れちゃうじゃないか!」と僕は叫びました。 「こう引っ張るんだよ」と見本を示して竿を渡すと、また何もせず、竿を見つめているだけ。こちらも早く釣りたいのですが、困っている顔をみるとむげにもできない。 ハリスを付け替え、おもりと餌をつけて、ポイントへの竿の差し方、餌の流し方を教えM君に竿を渡しました。  「これでいいのかな」と、へっぴり腰でM君は竿を振ったのですが、川面に針がつく前にまた木の枝に糸を絡ませてしまいました。

 その後も、次から次と根がかりを起こしたり、枝に糸を絡ませること十数回。そのたびに自分でやろうとせず、こちらを頼るのです。餌を自分で付けようともしないので「きみは子供のころ釣りをしたことがないのか?」と聞いたら「ない」と言う。 何をしていたんだね?と聞いたら「おはじき」と答える。内心「この野郎!」と思ったけれど、年輪を重ねた僕です。「あっ、そう」などと昭和天皇の口癖みたいな返事をしてその場を濁しました。

 I君も僕が河原に降りる前にM君にてこずったらしく、少し距離を置いたところで釣っている。 僕はもう見切り発車。独り管理釣り場を離れて上流へと釣り上がり、野生化した岩魚を釣って鬱積した気分を払いました。

 入川料3,000円を支払って12時から入川し、午後3時に納竿。この間、自分が自分のために竿を振ったのは、たった1時間ほど。ほとんどM君のために貴重な時間を費やしました。 疲れたのなんのって・・・・。ぐったり。おまけに(川原で内臓を取った)釣った魚をそっくり置き忘れて宿に着きました。

 30年ぶりに再会した旧友M君のイメージが今回の釣りを通して崩壊した釣行でした。 翌日は竿をさす気にもなれず丹波山村の温泉に浸かり帰路に着きました。 別れ際、M君の「面白かった。また誘ってください」に「ああ」と答えましたが、二度と誘うまい、と船橋組は誓ったのです。
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