八久和の夏

− 山形県 八久和川 −




【7月30日】 4日目 起床 8:30

山形71  昨日は気分に浸りつい夜更かしをしてしまったので、
またしてもおもいっきり寝てしまった。(^^;
今日は釣り師から岩屋沢にも小さいけど魚はいると教えてもらっていたので、
ちょっとやってみようかと思っていた。
でも結局、釣りをするのはやめることにした。
それは昨日の感動がなんだか壊れてしまいそうだったから...

 その代わりといってはなんだが、
お世話になったテン場を少し掃除することにした。
とりあえずゴミを集めて燃える物は燃やし、燃えないのは持ち帰ることにした。
これでちょっとはきれいになったかな?(^^)
私は帰る準備を終えるとテン場に別れを告げる。
「またいつか来ることがあったらよろしくな!」
うん、本当に何もかも元の通りだ。(^^)
それを確認した私は安心して11時にテン場を出発した。



山形72  登りの登山道はやはりきつかったが思ったほどではなかった。
息が切れないようにゆっくりゆっくり登っていった。
しばらくは岩屋沢の水の音が聞こえていたが、
それも次第に小さくなりいつしか聞こえなくなってしまった。
本当に終わりだな...そう思った。

 稜線に出るとまた360度の景色が広がる。
空はそんなにすっきりしていなかったが、どこまでもどこまでも遠くまで見渡せた。
結局、天気は5日間ともパーフェクトだったのである。(^^)



山形73  下りもゆっくりゆっくりと歩き18時過ぎに大井沢の広場に到着した。
なんだか行きと違って帰りはやけに元気があった。
すぐまた天狗小屋まで登れと言われたら本当に登れそうな感じだった。
まぁ、登りませんがね。(^^;
そしてアブと格闘しながら着替えを済ませたらさっさと出発した。
もう私は次の目的に向かって車を走らせていたのである。
今の私には風呂と、冷えたビールと、カツ丼が必要なのだ!(笑)
すみません。カツ丼は好物です。(^^;


 ということで長かった釣行も終わりようやく帰ってきた。
それにしても八久和の夏は遠く...そして本当に暑かった。(^^;
家に帰ってきた時はいつもの釣りから帰ってきたような感覚ですぐ寝てしまった。
でもゆっくりと寝て、そして起きてからは八久和川で過ごした時のことが次々と思い出されてきた。
そこで初めて本当に行ってきたんだという実感がわいてきたのである。
しばらくはその余韻に浸って生活していたように思う。(^^;

 そんな時、私はテン場で会った釣り師のことを思い出した。
「この川でやるなら50オーバーでしょ!」そう言っていたのが印象的だったのである。
目が輝いていた。笑っていた。本当に心から楽しそうだった。
それにしても熱心な人達であった...きっとこれからも通い続けるに違いない。
そしてそのうち50cmオーバーも確実に釣り上げてしまうだろう。
あの川は訪れる者の願いを叶えてくれる川なのかもしれない...そんなことを思ったりした。

 今回、自分の足で苦労して行ってみてよくわかった。
たった1回だけ行っただけで何がわかるという人も中にはいるかもしれない。
でもそこまで人をひきつける夢があの川には確かにあると私はそう感じたのである。
山形県八久和川よ...それにしてもお前はなんとスケールの大きい渓だったのだろうか...
その姿は永遠に私の心に残り続ける。


 今回の釣行は2002年の中では1番思い出に残る釣行だったと思う。
自分が見てきた物や感じた事は本当にすばらしかった。
そして楽しんでこれたのもそこにいたイワナ達のおかげだし本当に心から感謝している。
しかし、それも時が過ぎれば記憶も薄れ、次第に忘れていってしまうのではないだろうか?
こうして詳しい釣行記にしたのも形ある物にすることで、忘れずにいつまでも残り続けるようにしたいと思ったからである。
最後になるがもしこの記事を読んで八久和川に夢を求めて挑戦していただく方がいたら筆者として大変うれしく思う。
それは言うまでもなく、私と同じ想いを持つ仲間だと思っているからこそである。
自然が好きで魚が好きで...いつまでもずっと楽しみたいと心から願う気持ちがあれば八久和川はきっと歓迎してくれると思う。



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