丹波川の大物を求めて Part.2

− 丹波川本流 −



 悪夢のような先週の釣行から早くも1週間がたった。
既に後遺症も無くなり、やる気も十分である。
今週の天気予報は土曜日が曇りで夕方前から雨、日曜日が朝のうち雨でのち曇りだった。
寒さは特に問題無かったので行くことにする。
 それにしても土曜日にするか日曜日にするか微妙な所である。
雨が降り始めるのは予報より遅くなり、あがるのは予報より早くなるのが普通である。
するとどちらを選んでも十分釣りはできそうだ。
結局、貴重な午前中に雨の心配をしなくてすむ土曜日にした。
今回も狙うのは先週と同じ奥多摩湖のバックウオーターから保之瀬の区間である。

 上野原経由は先週で懲りたので、今回は八王子からR411で行くことにした。
まだ時間も早かったので、いつも渋滞気味の秋川市内は何なく通過することができた。
その先で途中から吉野街道を利用するのだがいつもここは大型車が多い。
案の定、今回も大型車がいて追い越す所もなく、奥多摩湖の駐車場まで後ろをゆっくり走るはめになった。
せっかくこれから釣りだというのに、かなりストレスがたまってしまった。

 入渓地点に着いたのは先週と同じ6時であった。
相変わらず車が数台が止まっている。
さっさと準備して入渓したのは6時20分、先週より少し早かった。
川に降りると手頃な場所ですぐに川虫集めにとりかかる。
先週はミミズ、ブドウ虫、イクラの市販3点セットでやったが、手応えが悪かったので今回は川虫を使ってみることにしたのである。
ヒラタやクロカワもとれたが、オニチョロとキンパクが多かった。
川虫は以外と多かったので、これを使えば釣果が出るかも知れないなと期待する。
河原をチェックするとまた足跡があり、やはり先行者がいるみたいである。

丹波川21  少し歩いてからと思っていたが、淵を見ているとすごく釣れそうな気がしてくる。
餌も変わったことだし...結局、先週と同じ最初の淵から竿を出してしまった。
ふと下流を見るといつのまにか釣っている人がいた。さすがに多いな...
そのまま釣っていくと、すぐ先行者に追いついてしまった。
この釣り師はちょうど川虫をとっている所であった。
とりあえず話かけてみると、今きたばかりでこれからだそうだ。
川虫がとれないと言っていたので、入渓点付近でとっておいて正解であった。
でもこの釣り師がとっていた場所が単に悪かっただけかもしれないが...

 この釣り師はひとつの大淵でずっと粘るようなことを言っている。
先に行っていいか聞くと、「どうぞ」と言ってくれたのでペースを上げて釣る。
しばらくして後方と間が開いたのでペースを落とした。
さっきの人を追い抜いたのでもしかしてトップになったのかな?と思ったが、
先行者の形跡はまだ続いていた。
そんなにうまくいくわけがないのである...(^^;


 朝のうちは薄日が差し込んでいて気持ち良かったのだが、昼が近づくにつれてだんだん曇ってきた。
おかしいなぁ...またしても雲行きが怪しくなってきたのである。
ただ先週とは違って、寒さは全く感じなかったので気分的には楽だった。

 そして釣果はというと、川虫まで使っているというのになぜかあたりは全く無い。
「まただめなのか?」だんだん嫌な予感がしてくる。(^^;
とりあえず先週、あたりが出始めた所まで来たので気合を入れ直す。
釣っていくと何でもない浅瀬で急に魚が餌をくわえて下流に向かって反転した。
向こう合わせでハリ掛かりし、手応えで良型だというのはすぐに分かった。
浅場だったので、何の苦労もなく引き寄せることができた。
あがったのは良型アマゴだった。
「うーん、いい型だ!」これだから釣りはやめられない。(^^)

 続いて手前の浅瀬から、奥の深瀬に狙いを移した。
流れは早いがサイドは巻き返しで逆流している。
ここから餌を送り込むと、すぐにクンクンとあたりが出る。
魚は餌をくわえたまま、ゆったりと流れに乗っているのが分かった。
あたりがイワナみたいだったので、くわえたことを確認してから合わせる。
「よし、乗った」強い引きでグングン流芯に引き込もうとする。
「この手応えならかなり期待できるぞ!」と思ったが、引き寄せた魚は何とニジマスだった。
サイズはさっきのアマゴと同じくらいだったが、ニジマスでしかも水深があったからこの引きの強さも納得できる。
いずれにしろニジマスが釣れたのは3回目にして始めてのことだった。

 2尾連続で釣れたので「よしよし、いい雰囲気になってきたぞ!」と喜んだもつかの間だった。
それからあたりは遠ざかってしまったのである。

丹波川22  しばらくすると途中で右壁をへつる場所が出てくる。
実はここでへつり中に川へ滑ってしまうというアクシデントが起きた。
水深があったので、腹ぐらいまで水に入ってしまった。
すぐ這い上がったのでウェダーの中は大丈夫だったが服が濡れた。
前回は意外と簡単に抜けれたので、つい竿を片手にへつったのがまずかった。
たいしたことはなかったが、ついでに右手を擦りむき負傷した。
それからは濡れた服で腹が冷えてきて、締めつけられるような冷たさだった。

 ちょうど正午をまわった頃から、今度は風が出てきた。
午後1時を過ぎると強風になり、とても釣りができるような状態ではなかった。
投げても飛ばない、流れに逆らう、仕掛けを手元によせられないと散々である。
多少の風ならオモリを上げて対応するのだが、とてもそれどころではなかった。
 昼飯を食べながら様子をみたが風は一向におさまらなかった。
この時期、風が強いのは正午から午後3時ぐらいまでの時間帯である。
3時まで待つのもなんだし、一時は釣りをやめようかと思ったぐらいである。
とりあえず風が緩くなった時を狙って投餌するなどして釣り続ける。

 保之瀬が近づくとついに雨がポツポツくる。
空を見るといつ降り出してもおかしくない雰囲気になっている。
時間はまだ少し早かったが、とりあえず天気が心配なので切上げることにする。
先週は変な所を登って大失敗したので、今回は素直に集落まで歩くことにした。
集落の手前は工事中だった。(工事はやっていなかった)
護岸工事なのか、それともマス釣り場でも作るのかはわからないがそこに渓流の流れは無かった。
保之瀬に着いて国道へ登ったが、意外と急な登り坂で疲れた。

丹波川23  入渓地点まで戻ると、雨はまだそれほどでなく時間もあった。
それならばということで、水量調査計のある堰堤下を釣ってみることにした。
ここもいいポイントで、竿を出してみるとあたりがあった。
「これなら出るな」と思い、しばらく釣っているとアマゴが釣れる。
まだあたりはあったのでもっとやりたかったが、
雨足が急に強くなってきたのであきらめて車に戻った。

 帰りもR411で八王子に向かった。
秋川市内はそれほど問題無く通過したが、八王子市内はひどい渋滞だった。
R16に近づくとついに全く動かなくなってしまう。
仕方がないので、地図を見ながら裏道を使って中央道に入った。
この裏道を覚えていれば、これから渋滞の心配は少なくなりそうである。
帰りは首都高が新宿からずっと渋滞でまた疲れた。


 結局、今回の釣果は5尾(イワナ1尾、アマゴ3尾、ニジマス1尾)であった。
型は最初に釣れたアマゴが25cm、続いて釣れたニジマスも同サイズである。
25cmが出たのは良かったが、尾数としては先週の半分しか出てない。
川虫まで使って気合を入れたわりに、いまひとつの結果となった。
いずれにしても、この川の実力はアマゴの25cm程度ではないはずだ!
川の規模からしていつ大物がきてもおかしくない...いやきてもらわないと困る!!
 とにかく一番乗りでやってみないことには何とも言えない。
釣れないのはどうやら先行者がいるのが大きく影響しているような気がしてきたからである。
来週こそ一番乗りだという決意を固め、私は次の土曜日を待っていた。

来週へ続く...



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