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 【友好のメッセージ】

 以下、地球圏日本語にて文章の翻訳済文章(口語訳)。
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 地球上で発見した巨大生命体が、偶然にも知性を有していることが判明して
 早くも数年が経過しようとしている。
 この巨大生命体を発見して以来、我々は幾度と無く地球に調査隊を派遣・観察し、
 その構造から科学力に至るまで、ありとあらゆる情報を収集・解析してきた。

 その結果、地球上に存在する知的生命体には確実に、我々の文明社会に
 酷似した社会構造が存在している、と我々は確信するに至ったのである。

 地球人は我々と比較して何百倍の体躯であることは我々にとって周知の事実であるが、
 調査の結果、我々の体躯に近い生物は、地球上に存在していない事も確認している。
 あまりにも異なる姿を持つ生命体で、しかも体格差が非常に大きい場合、
 地球上の知的生物は非常に警戒心を持ちやすい傾向にある。

 理知的で平和と理性を重んじる我々は、まず、翻訳機能を持つナノマシンを搭載
 した小型の視察機によって、友好使節団体を編成・派遣することを決定した。

 視察機は、地球人が警戒心を抱かないように配慮し、「地球上に存在し、
 かつ地球人にごく慣れ親しんでいると思われる生物」 を模造して設計する
 事を計画していた。

 先日捕獲した生物には羽根が4枚、足が6本あり、地球人の血液成分を吸収することで
 栄養とすることが多数の調査員により確認されている。
 地球人が自らの血を分けてまで共存している生物なのだから、よほど地球人と親しく、
 地球人にとってかけがえのない生物であるに違いない。
 二種族間の交流の際には、この外見が間違い無く役に立ってくれると期待している。

 そして、いよいよ明日、私を含む友好団体は巨大生命体に直接的に宇宙初の接触を
 試みる予定だ。明日の友好的な接触が、二種族間の生態系の相違を越えた、
 奇跡の一日となることを期待して。
 



2002/11/08 Reima.