【狼とウソつき少年の話】
ある村に、ウソつき少年がいました。
ウソつき少年は、そう呼ばれる名前の通りウソつきでした。
ウソつき少年は、毎日のようにウソをつき、
毎日のようにオトナを騙しては、
オトナ達が慌て驚く様を見て楽しんでいました。
やがて賢いオトナ達は、
度々ウソをつくウソつき少年に呆れ、
とうとうウソつき少年の言葉を信じなくなってしまいました。
そしてあるとき、村に、本物の狼がやってきました。
ウソつき少年は、
村の賢いオトナ達に本当の事を告げて助けを請いましたが、
しかし、ウソつき少年の言葉が本当のことだとは誰も思わず、
賢いオトナ達はウソつき少年を助けようとはしませんでした。
とうとう誰にも助けてもらえなかったウソつき少年は、
狼から逃げ切ることができず、ただひとり狼に食べられてしまいました。
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【狼とウソつき少年の話2】
ある村に、愚かなウソつき少年がいました。
その愚かなウソつき少年は、そう呼ばれている名前の通り愚かで、
ウソをついても決して人を騙すことができませんでした。
愚かなウソつき少年は、ウソをつく度に険悪なオトナ達に矛盾点を指摘され、
その度に泣くような痛い目にあわされ、村中で笑い者にされていました。
やがて険悪なオトナ達は、
陰湿で凶悪な虐待によって愚かなウソつき少年を村から追い出しましたが、
その後、狼の群れが村を襲って大惨事になってしまう事を、
愚かなウソつき少年は知ることができませんでした。
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【狼とウソつき少年の話3】
ある村に、賢いウソつき少年がいました。
その賢いウソつき少年は、やはりそう呼ばれている名前の通り賢く、
相手を騙す方法にとても長けていました。
時々本当の事を話したり、事実かどうか確かめる方法が無いウソをつく事で、
賢いウソつき少年は、疑って信じないオトナ達に痛い目をあわせていました。
嫌な奴ですね。
賢いウソつき少年は、毎日のようにはウソはつきませんでしたが、
それでもオトナを騙して慌てふためく様を見て楽しんでいました。
やがて愚かなオトナ達が、
ときどき本当の事を言う賢いウソつき少年の相手をするのに疲れてしまい、
とうとう賢いウソつき少年を村の牢に閉じ込めてしまいました。
そしてあるとき、村に、本物の狼の群れがやってきました。
賢いウソつき少年は、
エサを求めて狼の群れが来る時期を知っていたため、
村の愚かなオトナ達に本当の事を告げて警告しましたが、
しかし、賢いウソつき少年の言葉が真実かどうか確かめる術を誰も知らず、
愚かなオトナ達は内心焦ったものの、結局なにもできませんでした。
誰もが眠っていて注意が疎かになっていた真夜中、
狼の群れが村を襲い、頑丈な牢屋の中にいる少年以外のすべての
オトナ達を、ひとり残らず貪り喰らってしまいました。
とうとう誰も助けることができなかった賢いウソつき少年は、
中から開けることのできない牢屋の中で、ひとりぼっちになってしまいました。