答え

家づくりにも、環境問題や家族の健康を考え、内装材に国産材の内装板材(勿論、無垢材)にこだわったり、その他にも自然素材や、天然素材の左官・塗り壁を仕上げ材として選択する人が多くなったと言います。
ハウスメーカーまで、「珪藻土」を使うようになりました。
今まで、クレームを恐れて使ってこなかったのに、なんか変だなと勘ぐってしまいます。
本当に、「珪藻土」は、どうなのでしょうか。


現在、市場に出回っている「珪藻土」は、5万から10万種類の珪藻土の種類があり、それらを建材製品とした左官壁製品の種類が、4〜50種類で、ピンからキリまでで、これらの多くの「珪藻土」製品は、化学樹脂糊が含まれているものが大半です。

珪藻土自身では、固まることが出来ないため、一緒に固める「硬化剤」と言われるものが必要だからです。
そのため、「珪藻土」=「自然素材」と思いこんでいる方も多いのですが、硬化剤と薄く(2〜3o程度)塗れるように化学樹脂糊が含有させているものも多く、自然素材だけでないのです。
さらには、作業性や伸びやすくしたり、割を少なくするために、いろいろな添加剤を混入している製品が多いのです。敏感な人は、その微量な化学物質にも反応してしまうことがあります。

私共でも、お客様のたっての要望であるメーカーの珪藻土製品を使用して壁を塗ったところ、月桃紙のクロスを澱粉糊系の接着剤で仕上げた部屋より、快適な空間になるはずが化学物質の臭いでガッカリという例もあります。
そして、この化学樹脂の糊が、珪藻土の多孔質の穴に浸透し、内部で詰まり、ビニールクロスよりは調湿性能は上ですが、誠実な珪藻土の製品と比べると調湿性能に格段の違いがあります。

珪藻土は、植物の「藻」が、永い期間堆積して出来た土ということはよく知られていますが、この土に中には、微生物がおり、約1000℃前後で焼成し不純有機物を焼却除去する工程が必要です。この工程によって、白い色になります。
又、高い温度で焼くことにより、一個一個の珪藻土の藻がガラス質の鋭利なホコリに成り、肺にはいると、アスベストのように、肺種を発生させる危険性があるのです。
尚、500℃前後の場合は良いのですが、高温の1000℃の焼成工程では、多孔質の穴の表面がふさがってしまうのです。

珪藻土にもピンからキリまでと前述したように、珪藻土の含有率は、10%から100%と大きな幅があります。
低いものほど、化学樹脂が多く、価格も安い傾向があります。
硬化剤も、しっくい系を利用しているものは、安全ですが、化学樹脂を使用したモノは避けなければなりません。
しかし、製品メーカーが自主的に記載しているだけで、含有量のチェック機関や検査態勢がないのである意味「言った者勝ち」のところがあります。
珪藻土の量が多いほど、仕上がり表面が柔らかいため、傷が付きやすいことも事前に確認して、承知しておく必要があります。

珪藻土は、クラックやコテ押さえのムラが出やすく、特にクラックは、硬化時に発生しやすく、割れにくくクラックが発生しにくいものほど、化学樹脂が多く、化学樹脂が発生するVOC(揮発性有機化合物)が発生したりと、健康・安全面と仕上げの程度を十分に理解していないとトラブルに発生します。

特に、珪藻土で、しっくいのように平滑でフラットな仕上げは出来ません。
建材の性質を説明しないと、あとでユーザーとの間でイメージの違いがトラブルに発生することもあります。
事前の説明が大事です。

又、珪藻土やその他の左官壁を、建築主自ら施工する為、いろいろなメーカーや施工店が各地で素人の方を対象とした「体験塗り方教室」が開催されていますが、珪藻土は勿論左官材料の大部分が、強アルカリのものが多く、目に入ったりすると失明の危険もあることを十分に知った上で行うことです。

私共の会でも良く「体験教室」を行いますが、使用する材料は、中性のもので安全な「珪藻土」で開催しています。
さらには、珪藻土のパウダーを吸うと、肺種などの問題があるように、袋から取り出し攪拌するときはマスクをして作業を心がけることです。

住まいづくりで選択する建材は、時計やバッグのように流行っているからと言うことで、建材を指定したり要望したりする建築主が少なくありませんが、昔から使われているしっくいや土壁、京壁、無垢板壁のように、住む人に優しく、リサイクルもきき、土に戻る建材が多くの人に使われ、職人が育ち、文化や、技術が伝承されてきたことを忘れてはいけません。

NPO木の住まいを創る会で使用している珪藻土は、粘土の凝結力で固化、結合させる珪藻土の「リターナブルパウダー」を使用しています。
さらに、火山灰の天然シラスの「薩摩中霧島壁」を使用しています。勿論、昔からある、「しっくい」を優先的に使用しています。

経年変化で恐いのは、経年劣化により、壁に塗られた「珪藻土」などの仕上げ材からのパウダーの発生です。
一般の方は、大変厚く塗り込むと思っている方が多いのですが、実際にはどの種類の仕上げ材も2〜3o程度の薄塗りなのです。
前にも記載したように硬化剤が重要なのは、この経年劣化で大変大事なのです。

私達は、生活する上で、二酸化炭素を放出して生活していますが、硬化剤にセメント系硬化剤を使用している珪藻土製品は、長い間に表面からセメントの中性化が発生し、これが発生すると結合力がなくなた部分の珪藻土は空気中に微細なパウダーとして漂い、そこで生活する家族の肺に吸い込まれてしまいます。
又、化学樹脂を硬化剤として使用している場合は、調湿性に優れると言うことは水分によって膨張収縮を繰り返すことにより、硬化剤に弾性疲労が起こり、ある時、珪藻土のパウダーが室内空気中に放出されるときが来るのです。

実は、珪藻土は、アスベストと同じように、肺に大量に吸入されると肺種や珪藻土肺(珪藻土、含水コロイド珪酸)を起こすとされ、労働安全衛生法では、アスベスト同じくらい危険な物質とされているのです。
じん肺は一度起こってしまうと元には戻りません。

私共のように、どこにも属さない形で活動することが、いろいろな材料をテストして、長所も短所も知り得た上で、ユーザーにアドバイスできることです。

建材には、シック対策法依頼、ホルムアルデヒドのそれらからの放散量により、F☆☆☆☆(フォースター)のマークが付いた建材が、最高等級の建材として流通していますが、国の指定する建材試験センターで、試験体が合格すればそのマークが付けられますが、それには該当VOCを注着するキャッチャー剤を添加して合格しても良いのです。

勿論、製造時もそれらを添加して製造しなければなりませんが、製造過程をチェックするシステムがないのです。
そのため、ある床材メーカーのフローリングから、住宅の完成後、ホルムアルデヒドが規定値以上の濃度が測定され、多くのクレームに対処したと云うことなどが多いのです。
これらのことは、一般のユーザーには公にされることがないので、なかなか気が付かないのです。
珪藻土を始め自然素材系の建材は、ホルムアルデヒドを発生しないので、それ以外に問題があっても全くノーチェックです。

このようなことを言うと、すぐに国で検査機関をつくるべきだと発言する人がいますが、天下り先を増やし、国民を守ろうとしない役人を私達の税金で養う外郭団体か独立行政法人が増えるだけであまりよいシステムが出来上がるとは考えられません。
まして、自己責任を負わない私達日本人は、自分達の努力を惜しんで、結果責任を他に求め、すぐに税金での助けをこうだけのような気がしてなりません。

選択するのは、自分です。

                                                  珪藻土仕上げの部屋の例