2003.4.07

NJKF ウィラサクレック興行



キャリー宇佐美 対 南健介(ウィラサクレック)
3R判定負け

北星の生けるカリスマ、キャリー宇佐美が、ウィラサクレックジムのフライングマン南健介との対戦に挑んだ。オーエンジャイでの対戦もある両者。お互いの手の内、力関係は十分にわかっている同士だ。

技術で勝るのは南。打ち合えばカウンターをもらうため、キャリーは単発での攻撃し か出ない。そして首相撲へ。首相撲の展開では互角以上のものをみせたものの、そこからの膝蹴りに破壊力がない。結果、いつもながらの泥仕合となってしまった。最終3R。2Rに間違いなくポイントを奪われたキャリーは、もう玉砕覚悟で打ち合いに行くしかない。しかし、右ストレートを放ったとき空いてしまった脇腹に、南の左ミドルがドスン。「効いてしまった」というこの一発で、反撃ムードも急萎み。あえなく判定負けを喫した。

敗戦のショックが激しかったのか、なんと、その後の打ち上げでも好例の「ストロベリートーク」を封印。お通夜のような打ち上げとなった。

名取宏泰 対 長崎秀哉(ウィラサクレック)
3R判定ドロー

北星随一の「固い拳」を持つ男、オリムピック名取。しかし、その才能とは裏腹に、思ったような結果を残していない。原因ははっきりしている。練習量の絶対的不足。事情はいろいろあるようだが、いずれもあまり理由になりそうにない事情。本人も自分の現状には苛立ちを感じているようで、今回の試合に向けての練習は、少し目の色が違っていた。

試合前、ワセリンを塗っていた私に名取が言った。「負けたら辞めます」。覚悟を抱いて、オリムピックが決戦の舞台に立った。

試合は意外な展開になった。これまで相手の首相撲に翻弄され負けた試合が続いたオリムピック。首相撲は「苦手」というのが、われわれの認識だった。しかし試合は、「打ち合いでは長崎、組んで名取」という展開。完全に首をロックし、好き放題ヒザを入れられる体制を作る名取。だが、、、、、そんな生まれて初めてであろう展開に、何をしてよいかわからないオリムピック。ヒザを上げるものの、的確さに欠けあまりポイントにならない。

そして3R。同じような展開になり勝利目前……となったが、あらら!の失速。技術で上回りながら、スタミナ切れで追いつかれるという、なんとも恥ずかしい展開。結局、勝ち試合がドローになってしまった。

試合後、「口が悪いことが入会条件」とも言われる北星ジム・セコンド陣はだまっちゃいない。「あ〜あ、恥ずかしい〜」「練習不足で勝てないなんてなぁ」「週2回の練習でここまでやれるんだから、4回やったらチャンピオンになれるんじゃないか?」と言いたい放題。

引退まで覚悟して挑んだリングだったが、神様は「引退するほど練習してないだろ!」と勝利を突き放した。「本物の勝利」のためにチャンスをくれたのだ。オリムピックは、生まれ変わってくれるのだろうか?

古川拓郎 対 夜桜弘治(ウィラサクレック)
勝敗なし

北星ジムの若手で、唯一先輩衆からも練習ぶりが認められている古川拓郎。見事すぎるデビュー戦を飾った後、2戦目はなんと「非公式試合」となった。夜桜弘治のある事情で、公式試合に認定されなかったのだ。

非公式な試合であることは事前に聞いてはいたものの、前日に計量なしを通告され、当日試合直前に勝ち負けをいっさいつけないと言われた。「気持ちがちょっと切れてました」と振り返る拓郎。

だが、日頃の練習で培ったものは大きかった。オーエンジャイでの経験は豊富な夜桜だが、ローキック無しのオーエンジャイと有りのプロのリングでは、疲れ方がまったく違う。立っていて休んでられないのだ。

間違いなく練習量では上回る拓郎。1R、早くも疲れを見せた夜桜にヒジ一閃。快勝 であった。しかし拓郎の試練は続く。なんと3週間後の4月29日小国ジム興行への出場も決まっているのだ。しかも相手はG−1のエース小川(以前はミシマの名前で出場)。オーエンジャイで、キャリー宇佐美を病院送りにした、脅威のハードヒッターだ。将来有望な古川ではあるが、現時点での力は小川のほうが上であろう。だが、オーエンジャ
イやジムで、強いヤツとはやりなれている。ボコボコにされながら、古川は強くなっ てきた。

この試合、注目でっせ。

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