2001.4.15 

NJKF Millenium Wars 4



キャリー宇佐美 対 志村 豊(小国)

キャリー宇佐美。パンフでは30歳となっていたが、実は32歳。ボイラーマン改めドラム缶転がし業(?)。

キャリー宇佐美。戦績0勝2敗1分。年齢のことを考えても後のない一戦。試合2日前には「今度こそ試合に勝たせて下さい。勝利の喜びを知りたいっす!!」というメールが送られてきた。「勝たせて下さい…って、試合するのはおめえだろ!」って感じだが、それほど追いつめられていたのだろう。

キャリー宇佐美。子供の頃の体育の成績は「2」。お世辞にも「運動神経」や「センス」が抜群とは言えない。いや、その点かなり常人に劣っていると言ってよい。いわば「一般人」。

キャリー宇佐美。実は、入門時期は野崎、石毛とほぼ同じ。いわば同期の桜だが、野崎、石毛はランカーまで昇格。一方、キャリーは未だ未勝利。会長から「次が最後だな」と最後通告までされて、この一戦に挑む。

試合前、緊張を隠せないキャリー。ストロベリートークはどこへやら。計量で全裸にされてしまった影響か、心が落ち着かない。そこへ思わぬ訪問者。拳之会HP管理人KO氏が、なんと「讃岐うどん」を持って現れたのだ。「キャリー、讃岐うどんパンチを開発」との情報を得て、お土産を持ってきてくれたという。「コシの入った手打ちパンチ=讃岐うどんパンチ」を身につけたキャリーのHPが5、MPが3増加した。

四国名物讃岐うどん

そんなこんなで、キャリー宇佐美の聖戦が始まった。

キャリーの最大の欠点は、ガードの低さと、時に後ろを向いてしまうこと。その点、ありとあらゆる人からうるさく言われ、矯正を試みた。会長からは、試合で「後ろを向いたら罰金3万円」との約束をさせられ、試合に挑んだ。

以前よりは、ガードが上がったキャリー。右ローを中心に試合を組み立てる。下がって後ろを向くこともない。井上玄斗先生と取り組んだ、首相撲対策もばっちしだ。キャリー上々の立ち上がり。

2Rから、試合は俄然ヒートアップ。対戦相手の志村も気迫で前進してくる。キャリーも、負けずに押し返す。このとき玉城会長は「宇佐美〜〜! 最後の試合だ〜頑張れ〜〜!!」と応援……というか、野次っていたらしい。3Rも同様の展開。ときに押し込まれ、後ろを向きそうになる場面もあるが、そこは「罰金3万円が頭にちらついた」らしく、すぐ反撃。盛り返す。技術的なことを語るといろいろあるが、とにかく気迫と気迫がぶつかり合う、熱い展開が続いた。まあ、悪く言えば泥仕合だが。。。。

で、試合終了。個人的な感想としては、「ドローかな?」。しかし、ジャッジの結果は、2−0でキャリー勝利!!!!

キャリー!!!!!

その瞬間、リングにセコンドが雪崩れ込み、キャリーを肩車!! キャリー「勝てたぁ〜、良かったぁ〜〜」と半泣き。。。「生まれて初めて」トロフィーをもらって有頂天。その後、リング上での撮影を頼まれても何のことかわからず右往左往。ようやくリングを降りると、今度は胴上げ、バンザイ三唱。単に初勝利をおさめただけで、ここまで喜び喜ばれた試合はないだろう。

キャリー「心の世界タイトルマッチ」はこうして幕を閉じた。

さて、試合後。こうなれば、キャリー・ザ・ワールド、ジス・イズ・マシンガントークが始まった。

「試合終わって胴上げなんかしてるからさあ、お客さんは、これメインかと思ったでしょうねえ。あんまり人気あるから『あの選手が立嶋か?』とか思われてたりして。。。ああ、二枚目だから小野寺??エヘヘ」

玉城会長を見かけるとすぐ

「会長っ! あれは後ろを向いたんじゃないですよ。すべっただけです!!!(必死)」

打ち上げの席でもマシンガン・トークはまだ続く。


なぜか「本日の主役」と「燃える下心」の飾りをつけているキャリー

「宇佐美さん、今日は何を言っても許されますよ!」と促すと、石毛慎也のほうを向いて

「生意気なんだよぉっ!!………………エヘヘ」

そんなこんなで夜は更けて、最後は二人でラーメン屋へ。久々に食べるラーメンに恍惚とした表情を浮かべながら、

「俺がプロで勝ったのか。。。昔の知り合いは誰も信じないだろうな」


これまでの思い出が走馬燈のようによみがえっているキャリー

キャリーがキックをやってることは、会社の人は誰も知らないという。身内でも知ってるのは兄のうちの一人だけ。親も知らないという。友だちを試合に連れてきたのは観たことがない。でも、私は観た。みんな観た。この日、キャリーはたしかに勝ったのだ。

【その他の試合】

砂子ありさ対市川雷虎。事実上、NJKF初の女子戦となったこの一戦。開始してすぐに、客席からは「オーッ!」の歓声。なかなかやるじゃねえか!って反応。前半から優位に立つ砂子。得意のダイナマイトパンチに、ウィラサクレックジムで磨いた蹴り技も冴える。隣で観ていた楠本さんと「こりゃ勝てますね」と言ったが、後半になるにつれ、失速。結局、両者決め手を奪えずドロー。勝ち星を「逃した」感のある砂子だが、キャリー宇佐美ばりの執念で、プロでの勝利をつかんでくれることだろう。以上かなりモハメドに甘い感想でした。

その後、観ていてオーッ!と思ったのは、獅子丸ちくわ選手のKO劇。リスクを背負って撃ち合いに行き、今日もちくわを投げる姿には、プロ意識を感じました。ちくわ選手は、オーエンジャイで笹原爆散との対戦を熱望している。

休憩後には、高橋拓也登場。実力者・浅野選手との対戦は、やはり、の展開。開始0コンマ1秒後からガードを上げ前に出ていった浅野。そして、組めばやはり浅野有利。途中、「拓也〜、ポチッと押せ〜〜!!」と野次ろうと思ったが、小川会長に怒られそうなのでやめときました。3R終了後、わしは拓也惨敗と思ったが結果はドロー。う〜む。まあ、これからの相手も、こういう戦略をとってくるでしょう。宿命です。それを倒してこそのJETBOYです。

藤原国崇は、さすがの技巧を披露。いやあ、うまいねえ。でも、なぜかKOできない。5勝で1KO。ちなみにわしは3回戦では、二つのKOをとっている。俺のほうが倒し屋ってこと? エへへ。

メインを観ていたキャリー宇佐美。さかんに「あの寺田って選手、野崎さんとそっくりですよ。構え方とか、蹴り方とか、全部。いやあ、絶対、意識してますよ。トランクス白だし〜」とず〜っと言い続けてました。どう思いますか? ハンサムさん。

客入りは、満員でした。



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